「林健治氏の強烈なキャラクターに翻弄された監督」マミー ひろ702さんの映画レビュー(感想・評価)
林健治氏の強烈なキャラクターに翻弄された監督
和歌山毒カレー事件の犯人とされた林真須美死刑囚と、彼女の冤罪を信じて活動する家族とその周辺を取材したドキュメンタリー。
映画を観た人がすぐに感じるのは、彼女の夫であり、主人公の父である健治氏の非常に個性的で強烈なキャラクターであろう。う〜ん、正直言って彼の心情を理解し、味方をして行こうと思う人はあまり多くないのではないかと思う。あくまでも個人の感想であるが。
映画の前半はジャーナリストや弁護士、材料分析?の大学教授がそれぞれの立場から、林真須美死刑囚の裁判や鑑定に対して疑問をぶつけていく。筋道を立てて真相を解明しようとする姿勢が窺える。しかし後半は監督が前面に出てきて、事件に関わりのある警察や検察官、新聞記者に直撃したり、かつて林家のあった周辺へのアポなし訪問をしたりと強引な手法が目立ち始める。
最後の健治氏と長男がかつて保険金詐欺の被害者だったI氏の自宅へ乗り込んで行くシーンは看過出来ない。これって通報されたら犯罪行為となる可能性があると思うが。カメラを回して映画として公開した監督も彼の片棒を担いでいると受け取られても仕方ないかと思う。ちなみに印象の中の「怖い」の意味はI氏にとって健治氏や林家は今でも「怖い」という意味です。
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