「中途半端な力作」マミー shinさんの映画レビュー(感想・評価)
中途半端な力作
タイトルでしか知らないのですが、かの有名映像作家の「ドキュメンタリーは嘘をつく」という言葉がずっと脳内を巡っていた。
典型的な一方への肩入れ視点で作られているので、この手のドキュメンタリーを見れば、容疑者擁護の気持ちが芽生えてくるのだが、あからさまなその作りと林健治のクズっぷりが伺えたので、「どうかこいつらが犯人であってくれ」という気持ちが湧いてきてしまった。それが恐らく林真須美の捕まるまでの行動言動で犯人と決めつけてしまった世論であり、自分もその世論を形成してしまった一人なのだろう。
イメージシーンを挿入したりドローン撮影を多用したりと、なんだか民放バラエティ番組の犯罪再現ドラマを見ているようで、しかしながら断られても断られても(少々強引とも思えるが)一般家庭への直撃取材を繰り返し、真相解明への熱意は伝わってくる。
事件の真相も解明されておらず(これからされるとも限らないが)、取材もまだまだ途中なのかもしれないけれど、鑑賞後はなんとも中途半端な気持ちしか残らなかった。
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