「脆弱な基盤」マミー Pocarisさんの映画レビュー(感想・評価)
脆弱な基盤
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林死刑囚が犯人という証拠は存在せず、あくまで状況証拠の積み重ねで死刑判決が確定しているが、その状況証拠もかなり危うい土台の上に乗っているというのが趣旨でしょうか。
・目撃証言は毒を入れたことまでを示すものではない。
・カレーに混入されたヒ素が林家にあったヒ素であるという同定は単に「組成が同じ」であるという理由でなされたに過ぎず、広く同一商品が出回っていたことを考えるとほぼ証拠能力はない。
検査をした某教授も同一組成のものであると指摘したに過ぎず、さらには、その同定の仕方そのものへの学問的批判も他の研究者から出ている。
真須美死刑囚の夫の健治氏は恐らく生い立ちのせいもあって生きることに自暴自棄な側面があり、それが保険金詐取につながり、「証拠はないけど怪しい」とマスコミだけでなくそれに影響された警察・検察までを動かしているという印象。
人間としてクズだから冤罪で死刑になっていいなんてことはない。このドキュメンタリーの意義は人物を美化せず、そこを訴えたことにあると思いますよ。
それが分からず、「こいつらクズじゃねーか」で思考が止まっている書き込みがチラホラありますけど、これは事件当時にマスコミがやったこととそっくり同じですね。
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