「これは司法に対する訴え?」マミー 雨雲模様さんの映画レビュー(感想・評価)
これは司法に対する訴え?
この映画を語るうえで、まず有罪か無罪かは別問題にしよう。公平な視線で語りたいと思う。
同じ劇物を使った無差別殺傷事件としてニュースにも取り上げられた名張毒ぶどう酒事件が、和歌山の毒物カレー事件に発生していて、これは女性が飲むぶどう酒に農薬として使われるニッカリンが含まれていたことで、犯人はぶどう酒を飲まない男性だと特定され、比較的被害が少なかった会に当時愛人がいたo氏に疑いの目が向けられると犯人として逮捕されてしまう。
同じ事が言えると思う。
保険金詐欺ばかりを繰り返し夫の犯罪の片棒を担ぐ形で悪徳に金を巻き上げていたことを当然ながら警察は知っているし、犯罪のやり方が同様だと気づけば怪しまれるのは致し方ない。
しかし、海外の女性のシリアルキラーに目を向けてみたら、女性のシリアルキラーの特徴としてあげられるのが、犯行を犯した理由の殆どが金銭目的だ。また同時にカップルキラーというように、夫またパートナーの犯罪の片棒を担ぎ犯罪の道に手を染めてしまう。
林被告は典型的なカップルキラーの事例の一つであろう。夫と結婚するまでは何不自由なく生活をしていたのだろうけど、無知すぎるがゆえに悪の道に染まるのはあっという間だったのだろう。
だからこそ、金銭目的ならば無差別的に鍋にヒ素を盛ったとは考えられない。そのうえ、動機が見えてこない。事件の内容は、地域会における狭いコミューンにおいての怨恨とみるのが妥当だが、林被告に果たして恨み節などあったのか?
映画を通し確かに動機が見えてこないのは不審に思った。しかし、疑問に思ったのがその当時はどこでもヒ素購入の規制がゆるいために買えた、どこの家庭にも白アリ駆除のためのヒ素を持っていたという証言があるが、誰の証言?
犯人は逮捕され、事件は解決した。
疑わしきは罰せよ。
それが地元の考えならば、事件のことはもう思い出したくないということであって、部外者が了解得ずズカズカと強硬的な取材は通報される原因に繋がるのは分かるはずでは?熱意は伝わるが余りにも取材対応が大人じゃない印象を受けた。