「ドキュメンタリーは猛獣使いと似ていて」マミー taketakekiさんの映画レビュー(感想・評価)
ドキュメンタリーは猛獣使いと似ていて
「 奥崎謙三 」や「 佐村河内守 」といった近所にいたらお付き合いしたくない猛獣をいかに「 いなす 」 かが監督の力量を問われるのだが、今回の猛獣は林真須美の夫の健治だろう。
保険金を貰う為に自ら砒素を飲んで、その保険金をいくらせしめたかをカメラの前で堂々と語っているとこは天晴れで、せっかく顔をモザイクで隠している林真須美の長男がいくら語ろうとも、健治親父の詐欺自慢の前では霞んでしまう。もう、こいつが主役でいいじゃん?
林真須美が冤罪だという噂は昔から聞いていたが、目撃者の証言がかなりいい加減で、砒素が検出された鍋とは違う鍋を触っていたのに犯人に仕立て上げられて、家には落書きされまくりで更に放火をされて家が全焼してしまう。気の毒としか言いようがないですな。
宣伝文句になっている
「 監督が一線を越えてしまう」
というのは、どんな過激な手段を取るのかを楽しみにしていたが、
「 インタビューをする相手にGPSを仕込んで住居不法侵入をする 」
というゆるゆるの犯罪だったのには拍子抜けしてしまった。ションベン刑ですむじゃん?気にしない、気にしない。
もっと、過激な事を期待してたんだけどなぁ( おい )
近所の人や、被害者側のインタビューが殆ど出来なかったのは残念。カメラ回ってないとこで本音を語ってほしかった。実際、隠し撮りしてるシーンがいくつかあったんだから、もう少し粘らないと?
都心部では大入り満員の劇場もあるそうだが、自分が見た回は平日にしては多い方でしたね。
youtubeでさんざん長男が語っていたので、事前知識が無い状態で見れなかったのは残念。
とはいえ、この映画で林真須美死刑囚が冤罪を訴えているという事を初めて知る人もいるだろうから見る意義のある映画かと思います。
KBCシネマでは週末に監督のトークショーがあるのでお近くの方は行く事をお勧めします。