劇場公開日 2024年12月20日

「人間くさいライオンたち」ライオン・キング ムファサ 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0人間くさいライオンたち

2025年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

超絶リアルなCGアニメーションこと「超実写」作品の第二弾だが、背景描写などには一段と磨きがかかっていて、今回は色々な風景の土地が出てくる。実際、本物にしか見えない。本物にしか見えない風景の中で、動物たちが歌って踊ったりしてしまう不一致な感じは前作と変わらず。ここはそういうものだと思って、割り切ってみる必要がある。しかし、こういう技術でないと見れない映像にあふれていることも確かで、冒頭、ムファサが濁流に流されていくシーンは、カメラも一緒になって流されている感じで演出されているのだが、これはもうこの手法じゃないとできないと思った。本当の動物を流すわけにもいかないし。
物語としては、男女の三角関係が主軸。兄弟のような絆をはぐくんで育ったムファサとタカだが、一匹の雌ライオンをめぐって対立してしまう。タカが惚れていることを知っているのに、ムファサは奪っていったとこじらせてしまったタカは、自分らを故郷から追いやった連中に肩入れしてしまう。
こんなに人間くさい話を野生動物で展開するのもどうなんだと思わなくもない。まあ、これもこういうものだと割り切った方がいい。

杉本穂高