「伝説語りたいがち〜」ライオン・キング ムファサ サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
伝説語りたいがち〜
うーん。やっぱりダメか。
結構絶賛されているようだから好みの問題も大きいんだろうけど、今回もまたハマれなかった。前作よりCG技術は格段に上がっているし、ストーリーもラストの畳み掛けとか特になかなか良かったんだけど、なぜだか全く惹かれるものがなく、イマイチわくわくしない。心が揺さぶられない。自分の心が死んでしまったのか?どうしちゃったんだ??全編通して最も感動したのは、いつものシンデレラ城のオープニング。もうディズニー映画で安心して見れる箇所はここだけ。。。
良くなったとは言え、中身がなく薄っぺらい展開なのは変わらず。いちばんの問題は、主人公を全然好きになれないということ。優等生すぎるというか、魅力的に映されていないというか、主人公の枠に囚われているレールを辿るだけのキャラクターになっていて、とにかく共感も感動もない。タカの方が断然人間味(?)があって面白いし、共感度高い。ちょっと可哀想だもの。
正義感振りかざしてもめちゃくちゃカッコイイならいいんだけど、ビジュアルも大して良くないし、周りを固めるその他のキャラクターにかなり食われているように思える。存在感が薄い。シンバの時もそうだが、とても王としての器があるようには思えない。老けて貫禄が出てからそう見えるだけ。
まぁ、血筋ではなく努力で手に入れた設定は前作に違和感を覚えた自分としてはわりと納得で良かったなと思えたし、自分より食物連鎖的に言えば下位層の動物に助けを乞う姿はちょっと滑稽だなと感じたものの、ラスト10分辺りにはちょっぴり感動させられた。結構粗はあるけど、前日譚の基準点を超える出来ではあると思う。前日譚というのは本来の作品を汚しかねない、かなり難しい続編だからね。終盤で取り返せていた。
それでも、フルCGを使っているがばっかりにおとぎ話なストーリーにはかなり嫌悪感を抱いてしまうし、ツッコミどころも数え切れないほど増えてしまっている。仕方ないこととは分かっていながらも、ディズニーならもうちょい上手くできなかったのかなと思ってしまう。
あとねぇ、伝説を語り継ぐ系のフォーマット、ディズニーあんた好きだねぇ笑 「モアナと伝説の海」と全く同じことするじゃない。むかーしむかし、あるところにみたいな、そんな古風なことばっかりやってる。いつまで経っても成長しないな。もっと工夫を凝らせないものかね笑
色々つっこんできたけど、お目当てのキロスを最高に堪能できたから大満足。IMAX字幕版を選んだ理由はまさにこれ。声だけでもわかる色気。はぁ〜、マッツ様〜!キロスのビジュアルも良すぎたし、マッツ・ミケルセンの吹き替えのおかげか凄まじいオーラを感じたし、この映画は彼の存在で何とか持っている。いなかったら星3.0切ってるもんね、普通に。
今後のディズニーが心配になる一作。たくさんの続編、実写化を抱えていますけど、一体どうなっちゃうんだろうか。近くで言えば「白雪姫」だけど、、、あれはもう特級呪物確定だからな笑笑 レイチェル・ゼグラーさんよ、あなた救世主になり得たかもしれないのにねぇ。ディズニーの今後の行く末は如何に。