「ハクナマタタに飽きた人にオススメ」ライオン・キング ムファサ もんちっちさんの映画レビュー(感想・評価)
ハクナマタタに飽きた人にオススメ
[概要]
ラフィキ(マンドリル)の語る昔話が舞台で、それをキアラたちが「早く続きを教えて!」とワクワクしながら聞く。プンバとティモンも今回は聞き手である。
スカーがなぜスカーになったのか、なぜ目に傷ができたのか、
そしてムファサが王である所以が描かれる。
映画の外の変な思想抜きに見られる内容(本当にありがたい)で、
知っているキャラクターもふんだんに出てくるので安心できた。
ただ余計な説明を省いているようなので前作は見るべきだと思う。
[興味深い点]
この世界の動物たちはムファサ(ライオン)を王として崇めているが、彼らを主食にしているのはライオンである。
これは気まずい。ここをどう解決しているのか観察してみると、
言葉を話す、あるいは仲が良いかどうかで捕食対象の分かれ目になっているようだ。
3パターンある。
・言葉を話さない→純粋な捕食対象
・言葉を話す→捕食対象だが大人の都合で食べられない
・ライオンと仲が良い→絶対に捕食対象にならない
個人的な解釈を足すとこの世界には「純動物」と「動物という服を着ている人間」がおり、人間同士は食べないという現実世界の常識が成立しているようだ。それを裏付ける部分としては後々仲間になる動物を食べようとするシーンがあるのだが「やめてさしあげろ」とシンプルに拒絶感を感じてしまった。
やはり天下のディズニーであり、色々な側面を考える価値も感じさせる。当然こんな推察をしたところで誰が何と言おうとお子様向けだ。最後はムファサに玉袋の描写が無いことを注意深く確認したのち、満足という名の清々しい諦めを獲得した。
[良かった点]
・水の表現にこだわりを感じた
・変な趣向がなく前作と同じ雰囲気
・ハクナマタタが完全にカットされている
・スカーがちゃんとスカーらしかった
・渡辺謙の声がぴったりハマっていた
[悪かった点]
・吹替版の歌詞にやっつけ感がありめっちゃ歌いづらそう
・水のシーン多すぎ
・今作でも歌と顔の動きに違和感を覚える
[気になる点]
実写で笑ったり歌ったりしている動物の映像作品をこれしか知らないので、
冒頭での会話シーン数分がどうしてもとっつきにくい。
何度続編が出ても同じことになるだろう。この超実写版に付いて回る違和感を皆がどう思っているのか気になる。
[総評]
ライオンキングが好きならきっと大丈夫。