「言葉には言い尽くし難い」このろくでもない世界で 雨雲模様さんの映画レビュー(感想・評価)
言葉には言い尽くし難い
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スラム街の貧困層で育った18歳の少年は学校で起こした問題で大金が必要になり、資金を得るためにも犯罪組織に足を踏み入れ闇落ちしてしまう。
少年は借金を肩代わりしてもらった恩返しのために仕事という名の盗みを行うようになって徐々に頭角を現すようになるが、それがやがてグループ内での掟を守れないということになり、グループからの脱退を勧告される。
一番ゾッとするのがペンチのシーン。
お前にも俺の痛みが分かるだろと言わんばかりにペンチを用いて自らの爪を剥ぐシーン。剥いだ瞬間に血がたらーっと出るのだが、剥いだ爪が血で真っ赤に染まった状態で地面に落ちる瞬間はグロじゃなくても痛々しすぎて見てられない。
チゴンの真似しとばかりに少年もするのだが、自ら置かれている立場がわかっているから何としてでもという思いがあったのかもしれない。しかし現実はそんなに甘くない。
チゴンを殺したとしても、一度踏み外してしまった以上更生するのは難しく貧困が生んだ格差や暴力だけが何とも言えないもどかしさを痛感した。
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