「盗んだバイクで走り出す」このろくでもない世界で asaさんの映画レビュー(感想・評価)
盗んだバイクで走り出す
結局、(微妙なカンケイな)義妹とバイクで街から逃走する訳だけど、、
なぜこの「ろくでもない世界」に留まらくてはいけないのか? の、ヨンギョなりの理由
を描いて欲しかったです。
その分主人公のヨンギョと、とりまく周囲のどうしようもない環境はよく描かれていて、作品の世界観には入りやすかったです。
あと、こちらが見落としてるのかピンとこなかったのは、
最後のヨンギョが鉄砲玉となって、親分に背いた議員候補の男を殺しに行くまでは分かる。
誰かの(チゴンの元弟分)工作でバイクが大破、命からがら逃げだす。
兄貴分であるチゴンを疑い殺しに行く。
一方チゴンは失敗したと分かって、ヨンギョに代わり親分に納めるはずの金を工面する。
チゴンは弟分のヨンギョをかばうかたちになる。
戻ったヨンギョは、最初は怒に任せチゴンを殺そうと、激しいバトルになるわけだが・・
拮抗するうちに、攻めのはずのヨンギョがいつの間にか自尽する行為に変わり、それを止めようとするチゴンになり・・
そうこうする内に今度は逆に、自害しようとするチゴンと、それを止めようとするヨンギョになり。。と(逆だったか?失念)
そんな二人の両極の心情の振り切れ具合が、一連の格闘のさなかで展開されるので、見ていて?とまではならないが、(チゴンがツンデレなだけあって)非常に戸惑う。
説明してもらわなくてもいいので、腑に落ちる描写がどこかで欲しかったです。
そんなツンデレのチゴンですが、いつもポーカーフェイスで表情の乏しいキャラクターは秀逸でした。
ずっと愛を知らず底を見つめるような物悲しいたたずまいは強烈に印象に残ります。
演ずるソン・ジュンギは魅力的でした。