劇場公開日 2025年2月14日

「こんなに面白い映画があって良いのか?」聖なるイチジクの種 ザ・アナキストさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5こんなに面白い映画があって良いのか?

2025年5月5日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

興奮

ミニシアターで滑り込みで鑑賞。2025年ベスト10になりそう。イランからは時々凄い映画が出てくるが本作もその一つだった。芸術とは何かを見せつけられた感じ。イスラム社会でも問題児とされるイラン社会の闇を暴きながらもちゃんとサスペンススリラーなエンタメ映画としても成立していて2時間50分近いのに全く目が離せなかった。前半こそはスローなシーンが幾つかあったが後半で一気に予測できない方向へ流れていく物語に圧倒された。
そしてこのイラン人ならではの決して派手では無い静かな抵抗、静かな怒り、静かな悲しみ、静かな不安、自らの信仰心と向き合い、宗教とは何かを問う内容に反逆の精神を強く感じて見ていて興奮が止まらなかった。ジワジワと迫ってくるような緊張感。彼らの生活感や何を恐れて生きているかを我々は知らないが彼らの身になって考えてみようという気持ちにさせてくれる映画だった。弱者を弾圧する側に飲み込まれた一家が主役という設定も素晴らしかった。

マイナス0.5は男性のシャワーシーンに興味がなかったから。笑
このシーンが何を意味するかはよくわかってるけど。イスラム社会では身体を清めることが物凄く重視されているからね。
様々な感情が湧き上がる素晴らしい映画だった。

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ザ・アナキスト