劇場公開日 2025年2月14日

「家父長制の成れの果て」聖なるイチジクの種 まだまだぼのぼのさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5家父長制の成れの果て

2025年2月26日
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鑑賞方法:映画館

イランで暮らす一組の家族に起きた、ある事件。それは社会背景だったり、父の昇進だったり、これまでの家族生活の積み重ねだったり、信仰であったり。様々な要因が絡み合っての結末だったのかな…辛い。

日本でも少し前まで当たり前だった“父親が絶対”という家族の価値観。本作の母親は、画面に映っている間、ずっと働いているのが強烈に印象に残っています。朝から晩まで家事をして、子どもの世話をして、旦那さんの帰りを待ってから寝る。特に感謝もされず、当たり前のこととして受け取られる。個人的にはこの母親に一番感情移入が出来たと同時に、胸が苦しくなりました。
一方で娘2人は、とにかくもう…いい加減にしてくれ…とずっと思っていた…。特にお姉ちゃん…。

物凄い覚悟をもって制作された本作、色々考えさせられると同時に、イランの現状や文化を知る機会になりました。

まだまだぼのぼの