劇場公開日 2025年2月14日

「命がけの作品」聖なるイチジクの種 CR7さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0命がけの作品

2025年2月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

監督のモハマド・ラスロフは、本作制作後に禁固8年、むち打ち刑、財産没収の実刑判決を受けて、国外脱出をした。

ひとつの家族を通してイランにおける強権的なイスラム体制と、自由を求めて反発する若者という対立の構図が、ドキュメント映像を交えてとてもリアルに描かれている。

イラン社会の閉塞感がすごい。21世紀になっても未だに神による統治とかやってるの終わってる。500年前の中世かよ。
国民の思考停止振りと、神への依存と服従という脆弱なメンタリティが痛すぎる。ヘジャブかぶらされてる若者が反発するの分かる。一方で、無実の者を死刑台に送る体制側を象徴する父親の苦悩ぶりもちゃんと描かれてる。

政治宗教的な内容なんだけど、映画作品としても良く出来てて、切り裂くような台詞とかヒリヒリするような緊張感とか、エンタメとしても面白い。

CR7