「心の襞の小さな凹凸」時々、私は考える La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
心の襞の小さな凹凸
人見知りで職場でも特に目だつ訳でもない一人暮らしの女性の暮らしを、決して暗くならず、でも多くを語らず静かに、心の襞の小さな凹凸を非常に繊細に辿って行きます。日本映画では非常に苛立つ「ボソボソ喋り」の場面も多いのですが、本作では全く気にならないのは作品の透明感のせいでしょうか。そうした細やかな思いを僅かな目の表情だけで語るデイジー・リドリーが素晴らしく、「そう、分かるよ」と声を掛けたくなりました。
本作が何を語ろうとしたのか分かったとは言えないのかも知れませんが、「それでも、明日も生きて行くの」と肩にそっと手を添えられた様な気がしました。とても上品な映画。
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