お母さんが一緒のレビュー・感想・評価
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「姉妹」すなわち「お母さんが一緒」という、切っても切れない人間関係
3姉妹が、ひたすら口喧嘩を繰り広げるだけの物語だが、限定された空間での、いかにも演劇的な展開や台詞回しが楽しめる。
姉妹の割には、あまり顔が似ていないなと思っていると、そのことも、しっかりとネタになっていて、キャスティングの妙に唸らされた。
そうした、一重とか二重とかの容姿のことだけでなく、結婚とか出産とかといった、男性よりも女性の方がナーバスになりがちな問題も、上手く喧嘩の中に取り入れられていて、姉妹が抱える確執の「あるある」に、思わず納得してしまった。
事あるごとに母親の悪口を言って、いかにも嫌っているように見えても、姉妹の誰もが、母親の誕生日を祝い、喜んでもらうために一所懸命で、結局、母親のことが大好きなんだというところも面白い。それと同時に、罵り合っている姉妹も、「お母さんが一緒」という、切っても切れない絆で結ばれているということがよく分かる。
せっかく温泉旅館に来たのに、一向に温泉に入ろうとしなかった彼女たちが、一夜明けて、ようやく朝風呂に浸かり、すべてのわだかまりを洗い流すという展開も、ベタではあるが、よくできていたと思う。
常に姉妹たちの話題の中心だった母親の顔を、最後まで見せなかったのは、敢えて狙って、そうしたのだろうが、観客が、描かれないことを脳内で補完する「演劇」だったなら、自分なりの母親像をイメージできて、効果的だったに違いない。
ただ、よりリアルさを重視する「映画」であるならば、最後に思いがけない女優が母親として登場するという、そんなサプライズがあってもよかったのではないかと思ってしまった。
3人がちから合わせてのりこえるってことね
2024年映画館鑑賞66作品目
7月14日(日)MOVIX仙台
通常料金2000円
監督は『ぐるりのこと。』の橋口亮輔
ペヤンヌマキ脚本作品初鑑賞
舞台の映画化
ペヤンヌとかなめたペンネーム
ブス会などというものを主催しているが本人はさほどブスではない
3人姉妹が母を温泉宿に招き誕生会を開く話
なぜか最後まで母の姿は見えない
三姉妹の口論が1番の売り
女3人寄れば姦しいとはよくできた言葉
嫌いじゃない
江口のりこや古川琴音は主演クラスの売れっ子だが次女役の内田慈はこれまた渋い
たしかに過去に数本主演映画が公開されているがそれでもチョイ役のイメージが強い
それは彼女の主演作を観ていないどころか知らないだけだった
申し訳ない
邦画をよく観る人は「あっこの人どこかで見たことあるけど名前がわからない」の典型的女性俳優
内田慈がこれだけ出演時間が長いなんて自分は初めての体験
内田慈のスクリーンでのドアップは珍しい
泣きじゃくる熱演もさることながら姉や妹の話を聞く時の受けの芝居は脇役が長かったからこそ
素晴らしいぞ内田慈
あんたに惚れたぜ
2人に比べ顔が若干大きい気がするが錯覚だろう
江口のりこは厚化粧すると駆け出しのオカマに見えた
ウルトラマンAで星夕子役を務めた星光子がチョイ役で出演していた
せっかく温泉に来たので3人姉妹が入浴シーンのサービス
しかし露出は当然控えめ
代わりに青山フォール勝ちがおしり丸出し
配役
美人姉妹の妹たちにコンプレックスを持っている長女の弥生に江口のりこ
優等生の姉に比べられ続け姉を恨んでいる次女の愛美に内田慈
2人の姉を冷めた目で見ている三女の清美に古川琴音
清美の彼氏のタカヒロに青山フォール勝ち
食事中の宿泊客に星光子
2時間ずーっと笑笑
江口のり子のネガティヴから始まり2時間ずーっと3姉妹の喧嘩とネガティヴ発言という凄い作品だった
私は江口のり子ファンなのですが、やはりブツブツネガティヴ言い続けるの上手い。
ずーっと喧嘩と文句を見ているともちろんストレスになるのですが、何故か所々クスクスと笑ってしまう^_^
でもいつの間にか作品に飛び入り参加して口挟みたくなる笑笑
あのお姉様たちに挟まれて古川琴音は、今回もいい演技してた。彼氏役の方は初めてみましたが、右耳が餃子になってたので、もしや?と思ったらホントにレスリングキャリアありそうな芸名。
最後に、喧嘩ネタの中心人物のお母さんが出てこないのには驚いた笑笑
お互いの感情をぶつけあえる家族
江口のりこ演じる弥生と内田慈演じる愛美と古川琴音演じる清美の三姉妹が母親と一緒に温泉旅館にやってくる。作品の情報を全く知らなかった自分は、始まってすぐ、弥生が母親で2人の娘と旅行に来てるのかと思った。会話の中で弥生がお母さんって呼んでるのは、2人の娘のお婆ちゃんじゃないかってね。弥生は39歳で、清美は29歳、三姉妹なのはすぐ分かったけどね。
それにしても予想通り、江口のりこって怒鳴り散らす役がハマってる。てか、3人でずっと言い争い。どんだけ仲がいいんだよ。
ずっと3人の言い争いかと思ってたら、清美の結婚相手のタカヒロがやってくる。そりゃみんな驚くわ。サプライズなのは分かるけど、ちょっとね。ラストのタカヒロの意外な行動にビックリ。絶対嘘ついてるよな。あれっ?て思ったのがハッピーバースデーの歌。違う歌で練習してたはずなのにな。
言い争いではあるんだけど、どの考えも間違ってはいなかったと思う。それこそが理想の家族じゃないだろうか。姉妹喧嘩ずっと楽しかったです。今年は琴音ちゃん楽しいね。
演劇的で説明的な脚本と演技の映画。
非支持。
平素から喧嘩出来る家族は何だかんだで仲が良い。
でもそんな家族は何処にも無い。
だからこれはファンタジーだなと。
それを演劇的で説明的な脚本と演技で延々見させられた感。
演り損な熱演は長く感じる。
シンやっぱり猫が好き、を期待したが。
橋口亮輔の次作を待つ。
家族というカオス
三人姉妹と母親の旅行という舞台で描くコメディ。
江口さんがいろいろツボりました。
結婚し子孫を残すというゴールが設定されている限り、この手の生きづらさはなくならないことでしょう。
血は争えないもので
良くも悪くも両親の気質をそれぞれ受け継いだ三姉妹。
ケンカばかりのように見えてもすぐに元に戻っているんだから、何でも言い合えるやっぱり仲のいい三姉妹なのです。
口喧嘩も言った後の切り返され方がそれぞれおかしくて笑わせてもらいました。
結局中心にいるのはお母さんで、お母さんへの不満と言っても、あれだけお母さんの事を話せるのは、やはり良く理解していて、やっぱり好きなんですね。
親も姉妹もそれが家族というものです。
推しの琴音ちゃん目当てで行きましたが、姉妹役3人共に長女・次女・三女がピッタリはまってました。特に内田慈さん演じた愛美が真ん中感満載で面白かったです。
日常のどこにでもあるような何でも無い出来事を描いているだけの映画ですが、何だか温かい作品でした。役者の器量でしょうか。
いい映画を見ました
3人姉妹の非難合戦。
物語は3人姉妹の非難合戦だ。最初に長女弥生(江口のりこ)が、次女愛美(内田慈さん)が選んだ旅館が気に入らないと言い出す。女風呂は小さいし、そもそも旅館の選び方が適当すぎると非難する。
不機嫌な役の江口のりこさんがすごくいい。冒頭、車から降りてムスっとした顔がアップになったときは、笑ってしまった。
今回は3人姉妹の長女役。母親の言いつけ通りの良い子を演じて生きてきた。母親の性格に一番近いような気がする。
古川 琴音さんが 「言えない秘密」に続いての登場。
内田 慈さん。知らなかったのだが、最近どこかで見たと思ったら、「夜明けのすべて」で医者やってた人だった。
ひたすらディスり合っているのに、なぜかほっこり
大好きな江口のりこさん主演ということで、公開2日目に鑑賞してきました。姉妹3人のそれぞれに共感する部分も多く、なかなか楽しく、ほっこりする作品でした。
ストーリーは、親孝行をしようと母の誕生日祝いの温泉旅行を計画した、長女・弥生、次女・愛美、三女・清美だったが、幼いときから母や姉妹へ抱いていたそれぞれの不満が愚痴となってこぼれ出し、しだいにエスカレートしていく中、清美がサプライズで呼んだ恋人タカヒロが現れ、さらに事態は混乱し、収拾のつかない修羅場と化していくというもの。
本編の90%は母親への愚痴と姉妹のディスり合いという、かなり攻めた内容の作品なのですが、その中に垣間見える愛情や家族の絆がなかなか沁みてきます。とはいうものの、一緒に旅行に来た母親はなぜか別室で、最後まで顔も映らなければ言葉も発しません。それなのに、三姉妹の言動を通じて、その存在がありありと伝わってくるという構図が、なかなか興味深いです。
そんな本作の大部分を占める姉妹の大舌戦ですが、3人の立場や性格を反映させた話しっぷりと、それぞれの言い分に一理あると思わせるワードチョイスが絶妙です。中でも、最も母親の性格を強く受け継いだであろう弥生が無自覚に発するネガティブな言動は、ことさら周囲をイラつかせます。しかし、本人はむしろ親切心から正しいことを言っていると思っているので、よけいにタチが悪いです。妹たちが我慢の限界を迎えて反撃するのも当然でしょう。
ただ、これだけ本音で激しくぶつかり合えるのは、なんだかんだ言ってもそこに絶対に切れない繋がりがあると感じているからなのかもしれません。安心感と煩わしさ、絆と束縛、優しさとおせっかい、期待とプレッシャー、家族から感じるさまざまな感情は、どれも表裏一体のような気がします。そう考えると、母のネガティブワードも、実は娘たちへの深い愛情に裏打ちされた言葉だったのかもしれません。それは、娘たちが母に吐き捨てる言葉も同じです。
一見すると三者三様の娘たちですが、互いに相手の中に母に似たものを感じて不満に思っていたことでしょう。でも、しかたないのです。だって「お母さんが一緒」なのですから。そんな姉妹が、飾らぬ本音を吐き出し、壮絶にぶつけ合うことで、改めて家族の絆を強く噛みしめたのではないでしょうか。3人とも母に似て面倒な一面をもっているようですが、この旅行を機にちょっとだけポジティブになれたのではないかと思います。なんだか私も、離れて暮らす母や弟妹と久しぶりに旅行に行ってみたくなりました。
三姉妹役は、江口のりこさん、内田慈さん、古川琴音さんで、息の合った本当の姉妹のような演技が秀逸です。脇を固める青山フォール勝ちさんも、姉妹とは全く異なる空気を醸し出し、存在感を発揮しています。
仁義なき姉妹戦争‼️
まず偉大なる橋口亮輔監督に感謝‼️そして偉大なる三人の女優さんに感謝‼️簡単に言えばこの作品は罵り合い、愚痴り合いの映画である‼️母の誕生日を兼ねた温泉旅行で、どこか冷めた対応の母親に長女がキレたことから、三姉妹が抱える姉妹へのコンプレックスがむき出しになる‼️容姿の事、学生時代の成績の事、仕事の事、結婚の事etc.....しかも三女はこの旅行の場で結婚することをサプライズ報告しようとしていた・・・‼️お互いのやる事、成す事すべてが気に入らず、お互いをけなし、罵倒し合いながらも、最後はちょっと譲歩する‼️家族ってそんなもんですよね‼️ラスト、それぞれの人生が肯定され、光があたるような展開がほほえましかったです‼️ただ、この作品は家族の絆とか、そういうテーマはどうでもいいのかもしれない‼️この作品は、長女・弥生役の江口のり子、次女・愛美役の内田慈、三女・清美役の古川琴音の三姉妹が繰り広げる罵り合い、愚痴り合い、罵倒し合い、取っ組み合いの姉妹喧嘩を堪能する作品だと思います‼️三女優の凄まじい演技、話術が素晴らしい脚本、橋口監督のスゴい演出力によって展開される修羅場の迫力は、アクションであり、バイオレンスであり、コメディであり、ヒューマンドラマでもある‼️スリリングだし、笑えるし、泣ける‼️そのテンポの良さで1時間45分があっという間です‼️描かれる家族の絆に共感させられるというより、肝心の母親を登場させることなく、物語を描ききった構成力にも驚嘆させられるし、何よりもヒジョーに面白い作品なんです‼️これ重要‼️
お約束の三姉妹モノ
いにしえからの「三姉妹モノ」あるあるで、そういう意味では期待は裏切られないし、
また期待以上のものがなかったのが残念かな。
ただ、三女古川琴音の彼氏役のトリオコント「ネルソンズ」の青山フォール勝ちが本人の人柄ってこともあるんだろうけど、なかなかいい味を出していました。主要キャスト4人中
一番良かったと言っても過言ではないかも。
そうなんです。主要キャストはこのポスターの4人だけで、影のヒロインたる「母親」は
冒頭の車内での影が見える程度で全く出てきません。しかし、彼女のキャラは三姉妹の
セリフで十分に把握できます。この演出はとても良かったです。
おそらく三姉妹は顔を合わせるたびに、このような諍いを起こし、またすぐに仲良くなっての繰り返し。。。この映画の最後はほのぼのとしていますが、近い将来また大喧嘩するのは目に見えています。それこそフィクションの世界の三姉妹だけではなく、ノンフィクションの世界の三姉妹もこのパターンの繰り返しなのでしょうね。
姉妹って大変で、姉妹って素晴らしい
橋口亮輔監督が手掛けるペヤンヌマキの舞台劇のドラマ化の再編集映画化、ということであってるのだろうか。途中経緯はまったく知らないので舞台劇っぽい映画、というか、いわゆるホームドラマという伝統的なフォーマットのものとしてリラックスしながら観た。
九州の旅館に母の誕生日祝いをしに連れてきた三姉妹の一晩の騒動。俳優陣も楽しみながらやっているんじゃないだろうか、やり過ぎなようにもみえるけれどやり過ぎなくらいがちょうどチャーミングにみえるという加減もあり、江口のりこ、内田慈、古川琴音、それぞれのキラーショットというかキラー芝居はばっちりある。中でも古川琴音はコメディの受けをとてもかわいらしくこなしていた。
お母さんが一緒なのだけど、お母さんは別室で一切出て来ず、しかし圧倒的にお母さんが話題を支配している作劇。娘たちが誕生日のサプライズを仕掛けようとするが、ジャンプして失敗したサプライズの修復までが描かれる。姉妹って大変だな、から、姉妹っていいな、となるラストがいい
思わずニヤついてた
キャラの強い姉2人を持ったから三女は一番大人しいのかと思ったら、序盤から爆弾を投入。
口喧嘩をしていたかと思うと仲良く話し込んでいたり、賑やかな3姉妹のあるあるな生活を垣間見ていたようだった。長女然とした江口のりこの興奮覚め止まぬ表情をスクリーン越しに観ていると、思わずニヤッとしたり、ホラー映画じゃないのに、時折りゾクっとしたり。面白い作品だったな。
父親も連れて来てあげてください
誕生日の母親を温泉旅行に連れてきた三姉妹が揉める話。
母親はシルエットが一瞬映っただけで、旅行に際しては何もしていないのにモンクばかりの母親そっくりなもうすぐ40歳の長女と、旅行の段取りをしたガサツな35歳の次女と、姉達に可愛がられている実家暮らし29歳の三女のいざこざに、すっとぼけた三女の恋人が絡む様子をみせていく。
いかにも舞台劇ですというストーリーに展開にみせ方にという印象で、こういうグチグチいや〜な感じとか、ただの嫉妬まみれみえみえの姉妹はいかにもいそうだなという感じだし、三女の彼氏の天然っぷりもなかなかw
最後は良い男だったけれど。
深く感情移入出来る様な作品じゃないし、大きな盛り上がりはなかったけれど、傍から眺める作品としては、誰しも少しは思い当たるところがある様な感じだし、皮肉がきいているしなかなか面白かった。
良くも悪くも家族
ワンシチュエーションで繰り広げられる三姉妹のドタバタホームドラマとても面白かったです!
コントのような喧嘩に笑いっぱなしの106分でした。
ぶつかってもお互いの良さを認めて合っている仲は微笑ましかったです。
青山さん演じる婚約者のキャラクターが能天気でありながらも優しさに満ち溢れた人でした。
特に三女の失言を間近で聞いていたのに後に聞いていないと優しいウソをつくシーンは思わず拍手をしたくなりました。
また、あえて母親を最後まではっきりと映さず、あくまでも三姉妹の存在感を強く示した作品になっていました。
三姉妹の悲喜こもごもの物語:2024年最高の喜劇!
三姉妹が母親の誕生日にプレゼントした温泉旅行の旅先で繰り広げられるドタバタ喜劇ドラマでした。
アラフォーの長女・弥生(江口のりこ)、30代半ばの二女・愛美(内田慈)、アラサーの三女・清美(古川琴音)が、目まぐるしく攻守を交替させながら姉妹喧嘩を続ける様子は、笑いの連続でした。特に江口のりこが演じた長女・弥生のキャラクターが最高で、常にイライラした感じの表情やメイク、怒りが感じられる直線的な動きが非常に滑稽で秀逸でした。特に冒頭のシーンで、メガネの鼻パッドの部分にティッシュらしき紙を付けたまま登場。怪我をしているのか、アレルギーの類いで付けているものなのかと思っていたら、実は単に取り忘れていただけということが分かり、笑わずにはいられませんでした。
その後も3人の掛け合いはエスカレートしていきますが、その中心にあるのはあくまでもお母さん。ところが旅に同行しているはずのお母さんは、最初に車の中にいる姿がチラッと見えたものの、顔も見えずセリフもなく、その後は一切登場せずにお話が進んで行くのがミソでした。
いずれにしても、3人ともお母さんや他の姉妹に対して文句を言いつつも、お母さんに喜んで貰おうと自分なりに必死で努力しているのが伝わって来て、そういう土台があるからこそ愛のあるドタバタ喜劇として楽しめたんだと思います。
まだ2024年も半ばではありますが、今年の喜劇映画としては最も面白かったと感じた作品でした。
因みに原作はペヤンヌマキの舞台劇だそうです。ペヤンヌマキと言えば、「映画 ◯月◯日、区長になる女」で監督をされていた方で、同作で初めてお名前を知りましたが、こんな面白いお話を書く方だったのかと、今さらながら刮目したところでした。
そんな訳で、本作の評価は★4.5とします。
【”喧嘩する程仲が良い。めんどくさい三姉妹はお母さんの血をしっかりとひいているし、そんなお母さんが大好きなのである。”今作は可笑しき三姉妹が奏でる、家族の良さを堪能するホームドラマなのである。】
■お母さんの誕生日を祝おうと長女弥生(江口のりこ)、次女愛美(内田慈)、三女清美(古川琴音)が、お母さんと温泉にやって来る。
因みに、お母さんは三姉妹の会話には頻繁に出てくるが、劇中では現れない。
だが、三姉妹の話を聞いていると、相当にメンドクサイお母さんであるようである。
◆感想
・今作は、三姉妹のあーだ、こーだのどーでも良い会話が絶妙に可笑しいし、江口のりこさんの得意技である仏頂面演技が炸裂する作品である。
・二女を演じた内田慈さんの演技も可笑しい。美人なのに、何故か独身。一番真面目だと思った三女を演じる古川琴音さんも何だか可笑しい。
サプライズと言って、妻と別れた子持ちの男をコッソリと呼ぶかなあ。クスクス。
■三姉妹間で勃発する、どーでも良い問題の数々
1.次女愛美が選んだ純和風の温泉旅館に難癖をつけ、果ては彼女の性格にまで言及する長女弥生。
・女風呂の方が、男風呂より小さい。(古い、和風旅館あるあるである。)
・畳が臭い。(あのね、畳はもぐさじゃなくって藺草ですから。クスクス。)
でもって、次女愛美はセンスが悪いと罵る。
2.一重瞼と二重瞼問題
長女弥生だけ一重瞼で、それを彼女は昔から根に持っているのである。
確かに江口さんは一重だけどね。ホント可笑しい。
3.三女清美が、こっそり結婚相手のバツイチ子持ち男のタカヒロ(青山フォール勝ち)を連れて来ていた問題。
彼氏のいない長女、次女が妬みも有りながら歓迎するも、タカヒロがバツイチ子持ちである事が分かった途端の手の平返し攻撃。クスクス。
4.長女弥生が直ぐに切れる問題
お母さんにプレゼントしたマフラーを貶され、床に叩きつけた(らしい)後に、卓球上でアイシャドウが涙で顔の上に、”カオナシ”みたいに流れて不貞腐れている姿。後ろの席のオバサン達、大爆笑している。とても可笑しい。
序でに、直ぐに切れるのは遺伝みたいである。
■今作の構成が巧いのは(舞台劇がベースだそうであるが)三姉妹の遣り取りを聞いているだけで、出演しないお母さんのメンドクサイ人柄が自然と浮かび出て来る所であろう。
<折角のお母さんの誕生日を祝う場なのに、夜に、三姉妹が怒って、過去に遡り妬みあって、泣いて・・、の修羅場のシーンの数々が可笑しい事。
けれども、翌朝、次女の愛美が温泉の近所のパワースポットの神社で汲んできた水をお母さんに飲ませたら喜ばれて、彼女が興奮しながら”美味しいと言って飲んだ!滅多に聞けないお母さんのポジティブ発言!”と喜んだり、長女弥生のプレゼントもお母さんが一晩経って太陽の光の下で見ると”良い色あい”と言われて喜んだり・・。
そして、長女の弥生は持参したアイロンで、前の晩散々ごみ屋敷とか言って貶した二女愛美の服を丁寧に掛けてキチンと畳んであげているのである。
今作は、そんなシーンを見ると、”何だか、家族ってめんどくさい事も在るけれど、良いモノだよなあ。”と思った作品なのである。>
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