ブリーディング・ラブ はじまりの旅のレビュー・感想・評価
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親子愛の本質を感じられる良作
ユアン・マクレガーとクララ・マクレガーの親子が、劇中で親子を演じるということが
観るモチベーションになりましたし、宣材の絵づくりも好きだったので、楽しみに鑑賞しました。
基本的にロードムービーなのですが、
親子の現在と過去から、親子の感情の機微や今の関係性が徐々に浮かび上がってくるつくりで
非常に丁寧に綴られていると思いました。
酒・タバコ・ドラッグがやめられず、命を落としそうになった娘ですが、
やめられないんですよね。
それで父親は更生施設に入れようとする、よもやそんな旅とは思わずキレる娘。
しかしながら、父の本当の愛情に気づいた娘は更生施設へ行く。そこで過去のトラウマとも決別する。
実にオーソドックスな話なのですが、
親子を本当の親子が演じていることで、リアリティがありますから、そこがよかったですね。
お気に入りのシーンは、車の中で親子で熱唱するシーンです。ここは気持ちよかった。グッときました。
実はエンディングでも、このふたりが歌唱しているんですよね。だからエンドロールの最後の最後まで観てほしいです。
ここ最近は毒親が出てくる邦画を複数観て、少し心が荒んだので
本作の鑑賞は心が洗われるように気持ちが良い鑑賞後感でした。
ユアン・マクレガー、やっぱかっこいいです!!
微かな希望の光?
娘のヤク中アル中ぶりがあまりにリアルで、行動が破天荒すぎるので
いつ危ない目に遭ってしまうか、またぶっ倒れないかハラハラして怖かった。
よくこの役柄で親子で共演したなと感心。
大好きだった父に小さい頃置いていかれ、今も辛い想いに苛まされている娘。
長年の疎遠で娘のことが分からず、負い目もあり強く諌めることができない、でも助けたい父。
二人とも極めて不器用で、ギクシャクぶりにこちらも落ち着かない。
娘の気持ちも父の気持ちも両方理解はできる一方で
「娘、だからといってそこまでぶっ壊れるか?全部親のせいにしてないか?」
「父、さすがにずっと疎遠なのはひどくないか?あと、娘の前で新しい家族の話題するときは気を遣え」と心でツッコミ。
ロードムービーなだけに様々な人物と出会うが、特に印象的だったのは娘のアソコを売りのお姉さんに見てもらい、その後お姉さんが一瞬自分の夢を映し出してくれる場面。
どん底の状況で魅せてくれた目映さ美しさ。
終盤、リハビリ施設を逃げ出してくる娘が、去らずに残っていてくれた父の姿を認めたシーンには少し泣けた。
ただあまりにも酒漬けクスリ漬けで本当に酷い状態の娘なので、現実的には社会復帰までかなり大変なのでは?
完全ハッピーエンドにはほど遠い。わずかな希望の光が見えただろうか。
よくある話
再婚して新しい家族ができた父親は
前妻との間の子供(娘20歳)の
薬物・アルコール依存に向き合えるものなのか。
娘(クララマクレガー )と
父(ユアンマクレガー )実の親子共演
見応えはありました。
薬物、アルコール依存になってしまった経緯は
両親の離婚?!
んー。
心の寂しさ、虚しさを薬やお酒に逃げるのは
一般的にあるあるのだけれど、共感ができない。
脇役みんな愛おしい作品で、物語の締め方もシンプルだけど美しい
2024.7.11 字幕 MOVIX京都
2023年のアメリカ映画(102分、PG12)
実際に父娘の関係である俳優が諍いのある父娘の関係修復を演じるヒューマンドラマ
監督はエマ・ウェスティンバーグ
脚本はリビー・キャスター
原題は『Bleeding Love』で「あふれる愛」という意味
物語の舞台は、アメリカのニューメキシコ
サンディエゴに住む娘(クララ・マクレガー、幼少期:Devyn McDowell)は、父(ユアン・マクレガー)からいきなりどこかに連れて行かれることになった
父は行き先を友人のところとぼやかすものの、娘をそこに連れて行く必要性があった
娘も反抗的になることもなく、父いついて行くのだが、それには大きな理由があった
映画は、ニューメキシコの一本道をひたすら走っていく映画で、道中でいろんなトラブルがあって、癖の強い人たちと出会っていく様子が描かれる
エンジントラブルによって出会うエルシー(キム・ジマー)は、自分の家に彼らを招待し、彼女の義理の兄エイモス(ウィラード・ランサボーヴ)に車の修理を頼む
そこには甥っ子のキップ(ジェイク・ウィアリー)が登場するのだが、彼は娘が未成年と知らずに酒を飲ませてしまう
娘はアルコール依存症で、過剰摂取によって心肺停止になった過去があった
父は彼女を「危険なところから遠ざける」という言い回しをしていたが、実際にはリハビリ施設に入所させる計画だった
だが、それを言えぬまま時を過ごし、娘は父の再婚相手からそれを聞かされてしまうのである
映画は、マクレガー父娘のリアルが反映されている内容になっていて、おそらくは娘との不和は再婚によるものだと推測される
父と娘には役名がなく、それは「一般的」でありながらもパーソナルという部分があって、いわゆる「本人役」をやっている感覚に近いのだろう
別の名前を使うと他人の話になるし、実名を使うと実話なのかと誤解をされてしまうので、このキャスト名になったのは英断なのだろうと思った
物語は、わかっているけど言葉にできない愛情を描いていて、二人の関係修復がメインになっている
それぞれが娘の幼少期の思い出を想起する流れになっていて、それが二人の共通した「戻りたい時間」なんだろうと思う
だが、そこに戻ることはできず、今の時間軸を生きていく中で、二人は大人にならなければならない
そう言った意味において、次の一歩を踏み出すための旅だったのかな、と感じた
いずれにせよ、普遍的な親子の物語で、ロードムービーとしても個性的な面々が登場するので面白い
ブロードウェイを目指す売春婦トミー(ベラ・バルダー)が車のライトで踊るシーンも良いし、レッカー屋エルシーの「ここから先は誰とも目を合わせるな」からの満面の笑みも最高だった
ショップ店員(フィッチャー・クナップ)のキャラからして濃く、氷を掬っているだけのモーテルの客(J・ネイサン・シモンズ)たちも妙な存在感があるので、どこから見ても楽しめる映画だったのではないだろうか
ユアン初の父娘共演
何か訳ありの父と娘が、何も無い田舎道をただただ疾走するだけの映画。二人で仲良くカーステに合わせて歌っているシーンも良かったなぁ。あいみょんもお父さんが自分で編集したCDを聞いて育ったんだよね。
本当の親子共演だから、とても仲が良くて見ていてほっこりします。道中、娘はアル中とヤク中を患っていることが分かり父親そっちのけでヤクとアルコールの飲み過ぎで行方不明になったりと心配をかけるけど、そこは安心して下さい。悪いようにはなりません。
この映画は娘さんの企画だったようだけど、芸能人の娘だけど、グレずに真っ直ぐに育っているようで何よりです。たまには、こんな誰も傷つかない映画を見るのも良いものです。ちょーお勧め。
頻尿娘のお心情と/ (゜/ (゜。
疎遠だった父がヤク中アル中の娘ターボ(あだ名)を連れ出しニューメキシコ州へと車で向かう話。
新しい妻と子がいる父、…と娘の空白の時間を回収しながらも寄り道し目的地へ進むロードムービー。
始まって早々娘の「トイレ行きたい」、父の「何処か寄るよ」、娘の「その辺でするから停めて」から始まり突然走り出して逃げ、それを追う父と、捕まえられて笑ってる娘と何かよく分からないなか進んでくけど。
とりあえず立ちションならぬ娘ターボの座りションを何度も見せられ…3、4回目辺りで大事な処を何かに噛まれたと、ちょっと様子のおかしいターボと、薬局目当てで立ち寄った場所で出会った綺麗な売春婦?のお姉さん、その時父が娘に言った「ある意味彼女プロだからアソコを見てもらえ」には笑いました。
レッカーで立ち寄った家で酒と薬くすねて、また立ち寄った飲食店では人の飲みかけワインを飲んでと…、道中泊まる為に寄ったモーテルで父に掛かってきた新妻からの電話を勝手に取り知った「リハビリ施設へ向かってる」で、また喧嘩とはなってしまったけど…。
ラスト運転を任され自ら向かったリハビリ施設、施設に1度入っては父を想いまた施設出て…まだいてくれた父の姿に良かったねって感じでした。
ホントの親子共演父もカッコいいけど娘もキレイだったな~作品雰囲気もよく面白かった。
【"傷口から愛が溢れている。そして父娘共々の再生の旅。"元アルコール&ドラッグ依存性の父と現依存性の娘とのロードムービー。娘が過去を断ち切る決意をするラストシーンはじんわりと涙腺が緩みます。】
ー 依存症の娘と元依存性の父が、お互いの過去の喪失と孤独を乗り越えるロードムービー。
映画デビュー、ナント30周年のユアン・マクレガーと実の娘のクレア・マクレガーが親子を演じている。ー
■アルコールとドラッグの過剰摂取で倒れたターボ(クララ・マクレガー)は、父(ユアン・マクレガー)の運転する車で、サンディエゴからニューメキシコ州を目指していた。
アルコール依存症だった父が自分と母を置いて出て行った事に複雑な想いを抱くターボは、父に対して素直になれずにいた・・。
◆感想
・序盤は父娘のぎこちない会話が、父が運転する車中で交わされる。
父は若き頃の数々の過ちに依り、幼い娘を傷つけた事を悔いながら、車を運転しているのである。
・だが、旅の途中で頻尿の娘がオシッコをする度に色々な事が起きる。イキナリ娘が逃げ出したり、急所を虫に刺されたり。クスクス。
・途中で挟まれる、父娘が若かった時のシーンが効果的である。野球を見に行った時に娘が飛んで来たボールをキャッチするシーンとかね。自慢気な父の姿。
・けれども、娘は旅の途中でこっそり酒を飲んだり、逃げ出してクスリをやったり・・。
<漸く父が娘を探しだした時に、娘は父に凭れながら涙を流すのである。そして、父は娘に車を運転させるのである。"何処に行くのもお前の自由だ"と言って。だが娘は依存性矯正施設の前迄、運転し、自らの手で施設の門を開くのである。今作品は父娘の再生の旅を描いた心に沁みるロードムービーなのである。>
父娘共演
父と娘のロードムービー。
問題を抱え、その現実に対峙する親子のお話。
ユアン久しぶりに見ました~年取った当たり前かー。だからこそ年相応の父親役。
実の娘さん(おそらくママ似)と共演&製作ということで、興味深く見ました。
土地が広大だから、アメリカはロードムービー多いというか適した印象。
娘の役柄の依存症はかなり重症。
父と仲が良かった子供の頃の映像が差し込まれ、いつからこんなになってしまったのかと思わせる。原因である父自身の依存症と両親の不和は、娘を想像以上に深く傷つけてしまったのだと思う。
簡単には立ち直れない。
リハビリのスタート地点に立つまでの物語である。
娘にターボという愛称はあるものの、父と娘に役名はない。
どんな父と娘にも通じる(向き合うことが大切な)物語だからか。
本当の親子が演じるからか。
少しずつ課題を乗り越えていって、名前を呼びあってほしい。
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