「星評価は舞台挨拶込みです」映画 THE3名様Ω これってフツーに事件じゃね?! おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
星評価は舞台挨拶込みです
レビュー評価が芳しくなく、見送り予定だった本作。公開数日後に突然舞台挨拶付き上映の実施が発表され、しかも森谷雄監督と桃月なしこさんという地元豊橋出身のお二人が登壇予定とのこと。おまけに、行きつけの劇場の25周年記念が重なって料金も安かったので、もうこれは行くしかないと応援目的で鑑賞してきました。
ストーリーは、来る日も来る日も深夜のファミレスでだらだらと暇をつぶしていた、ミッキー、ジャンボ、まっつんのフリーター3人組が、突然現れた目出し帽の男が店員を人質にとって引き起こした立てこもり事件に巻き込まれるというもの。と言っても、本作の主体は3人のゆるいトークのほうなので、立てこもり事件のほうに期待してはいけまけん。
開幕早々、深夜にありがちなたいして意味のない3人のトークが繰り広げられ、一向にテンポが上がらないまま、次のシーンとなります。3人の服装が変わっているので別の日になったことはわかるのですが、話の内容は全く繋がっておらず、完全に次の話題に移っています。こんな感じで、ショートトークが重ねられていくのですが、中にはトークさえなく3人が楽しそうに歌うだけというカオスなシーンもあり、もはや何を見せられているのかもわかりません。隣席の若いお兄さんは、開幕10分で心地よさそうに寝息を立てていました。
まさかこのまま最後まで行くつもりなのかと、監督や製作陣の狂気を疑い始めたところで、ついに事件が起きます。しかも、これまでの無意味と思われたトークがまさかの伏線となって、事態の収束に向かっていくではありませんか!さすがにこれは予想外で、この斬新な流れがなかなかおもしろかったです。まあ、劇場作品としては誰にでもお勧めできるというものではありませんが、興味のある方はそれこそ深夜のファミレスで暇つぶしするような感覚で観るといいのではないでしょうか。
主演は、佐藤隆太さん、岡田義徳さん、塚本高史さんの3人で、演じているのか本気でだべっているのかわからないぐらいの脱力感がいい塩梅です。脇を固めるのは、安藤玉恵さん、小林大介さん、桃月なしこさん、櫻井翔さんら。
上映後の舞台挨拶では、森谷雄監督と桃月なしこさんの他に、なんと原作の石原まこちんさん、小林大介さんもサプライズ登壇され、テンション上がる楽しい時間となりました。特に、途中参加のため撮影現場の雰囲気に配慮しながらとけ込んでいったと話す、桃月さんの明るく気さくなキャラが印象的でした。また、お話を聞く中で、本作はコミック原作で20年近く前からDVD化されている長い歴史があり、以前にも劇場版があったことを知りました。機会があれば、過去作も観てみたいと思います。ちなみに、今回の突然の舞台挨拶も、東京での舞台挨拶時に桃月さんが「地元豊橋でもやりたい」と声を上げてくれたことから急遽決まったようです。地元民としてはこんなうれしいことはありません。桃月さん始め、遠く豊橋まで来てくださったみなさんに大感謝です!