「アイデアはユニークだが企画倒れ」アビゲイル 徒然草枕さんの映画レビュー(感想・評価)
アイデアはユニークだが企画倒れ
吸血鬼や狼男、ゾンビ等はホラーの古典で、いくつもいくつも繰り返し映画化されてきた。その過程で本来のストーリーにさまざまな変更が加えられてきており、本作もその一つ。
小学生程度の女の子を誘拐してみたら、実はその子が吸血鬼で、誘拐犯たちは一人また一人と殺されていく…というのは、アイデアとしてはかなりユニークである。
ところが、その殺され方にあまり芸がないw
安心しきっている犯人に密かに忍び寄って、甘えるフリをしながら突然牙をむく…本来なら、そんな展開を期待するところなのだが、本作では突如、アタマがちょん切られてしまう。その後もじっくり仕込んで怖がらせるのではなく、完全なスプラッター映画と化し、あれよあれよと人々がバタバタ殺され、あるいは吸血鬼にされていく。
そこに犯人たちの人物像とか、少女の父吸血鬼が暗黒街最大のボスだとかの話を織り込んでも、特に面白くなるわけもなく、やはり企画倒れの感は否めないのであった。
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