「ホラーはやっぱり怖い」アビゲイル R41さんの映画レビュー(感想・評価)
ホラーはやっぱり怖い
ホラーが苦手なので怖かった~
でも結構なドタバタ劇で、シリアスではなくアビゲイルのゲームとして物語が進行している。
それはそれで絶望的ではあるが、エイリアンのような雰囲気が幾分緩和される。
さて、
ヴァンパイアというジャンルは、やっぱり面白い。
フランシスココッポラ監督の描いたドラキュラは愛の裏返しだったことが素晴らしかった。
この作品のアビゲイルは人間だったことで、愛というものが残っている。
ジョーイが息子を想う気持ちに寄り添うことができる。
ジョーイはフランクに噛まれたにもかかわらずヴァンパイアにならなかったのは、嚙んだ本人が死ぬことでリセットされるのだろうか?
それともアビゲイルが何かしたのだろうか?
この解釈を視聴者に委ねているのが面白いポイントでもある。
そもそもニンニクも十字架も効かない。
しかし木の杭と太陽光は弱点だ。
アビゲイルが言ったように、本当のヴァンパイアになるには時間や経験が必要になるのだろう。
急に変身した者は弱点の攻撃によって爆発するように砕け散ってしまう。
脆い。
しかし怖い。
アビゲイルのゲーム 「食べ物で遊ぶ」こと。
600年も生きているとそうなってしまうのだろうか?
そして、
ヴァンパイアを乗っ取ってしまう計画
この作品の伏線 「計画」
最初からずっと何らかの計画によって物語が進む。
ボスと名乗るランバードの計画がヴァンパイアを倒して自分が頂点に立つことだった。
「父」のラザールは人間の考えなど疾うに知っているのだろう。
だからヴァンパイアを量産しないのだろう。
しかし娘のアビゲイルをヴァンパイアにしたのは、やはり一人では寂しいからだろうか?
アビゲイルの遊びを擁護しながらも端然と自分の管理できる範囲の中で遊ばせている。
まさに悪魔の頂点的存在。
今まで見たことのなかったアビゲイルの行為に、迷いながらもジョーイをリリーズした。
その際した手の甲へのキスという紳士的な行為が、ジョーイが人間だったからかもしれない。
あの瞬間ラザールはジョーイの匂いを嗅いでいた。
ラザールは登場したときに牙を出していたが、あれこそヴァンパイアの攻撃的になる時の変身。
そして、アビゲイルとジョーイが共同でフランツを倒した瞬間、すでにアビゲイルには攻撃的な牙はなかった。
フランツに傷つけられたジョーイの肩もそのままだった。
フランツは単に嚙めばヴァンパイアになると思っていたのかもしれない。
実際にはもう一つしなければならないことがあるのだろう。
ラザールはジョーイがまだ人間だったことに驚いたのかもしれない。
変化しないはずのアビゲイルの変化にも少し驚いたのだろうか?
「帰ることだ。そろそろ時間だからな、ディナーの」
人間の女性の匂いが、ラザールの空腹感を呼び起こしたのだろう。
最後にジョーイが「何なの、これ」と言いながら去るシーンは、視聴者の声の代弁だろう。
もう一つ何か起きそうな外の雰囲気
なくなったと思っていたキャンディがもう一本あったのは何故だろう?
非常に意図的で意味深だが、答えが描かれていない。
薬物依存症だったジョーイの慰めが飴であることが描かれている。
でも途中でなくなってしまったにも拘らず、もう一本あった。
ジョーイに残したミステリーは、次回作を匂わせているのかもしれない。
また、
アビゲイルはまた新しい遊びという「計画」を立てるかもしれないし、ラザールの秘密にも興味が尽きない。
ヴァンパイア作品はかなりの数があると思われるが、これもまた面白かった。
個人的にはコッポラ監督の「ドラキュラ」がNo,1
「インタヴューウィズヴァンパイア」がNo,2
以下甲乙は付け難いが、この「アビゲイル」「トワイライトシリーズ」もよかったし、「ヴァンヘルシング」もいい。
とにかくヴァンパイアと聞けば見てしまう。
共感ありがとうございます!
コッポラのドラキュラ、初見はゲイリー・オールドマンのハート型の頭にひたすらびっくりしてましたが、格調ある名作ですね。吸血鬼ものは縛りが多い一方で自由度も高くて、大好きなジャンルです