「期待度○鑑賞後の満足度○ 実話ベースにしては軽すぎ、娯楽エンタメというにはテーマが重すぎ、とちょっと困った映画。でもって、出来もちょっと困った映画。終わり良ければ全て良し、にしたいところだけど…」アンジェントルメン もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
期待度○鑑賞後の満足度○ 実話ベースにしては軽すぎ、娯楽エンタメというにはテーマが重すぎ、とちょっと困った映画。でもって、出来もちょっと困った映画。終わり良ければ全て良し、にしたいところだけど…
①ヘンリー・カヴィルが主役なので『ナポレオン・ソロ』みたいだったら良いな、と思っていたが後半やや盛り上がったとはいえ、少々トホホな内容であった。
②ガイ・リッチーは演出力が落ちた?と思わせるくらい“演出、下手~”と思ったシーンが何ヵ所かあった。
特に前半のマージョリーとヘロンのカップルのパートが炭酸が抜けたサイダーみたいな気が抜けた演出で観ていてムズムズした。
③いくらナチが酷いことをやったとはいえ、あんなに虫けらを殺すようにナチの兵士をパスパス殺していく(ゲーム感覚?)様は観ていて複雑な気持ちになった。
完全なフィクションであれば其れほど気にならないのだが、一応「実話ベース」と前置きをしているぐらいなのに「そこだけフィクション?」てな感じでチグハグ感というか整合性の無さ感が半端ない。
④エイザ・ゴンザレスもこういうファム・ファタール的な役をするにはまだまだ青くて色気・貫禄・洒脱さ不足。
敵との駆引きの場面も安定感が無いので腹の探り合いの面白さが出てこない。
⑤TVの「ジャック・リーチャー」シリーズで楽しませてもらっているアラン・リックソンは恐らくこういうメジャー大作で主役級の役は初めてで少々心配したが、ヘンリー・カヴィルを前に貫禄負けしていないのが良い。
まあ、あの体格だからスクリーンでも存在感があるが、タイプキャストされないかとそちらが少々不安。
⑥私の大好きな『プリンセス・プライド・ストーリー』他1980年代後半~1990年代前半にかけて英国美男子俳優群の一人だったケイリー・エルウィズもこういう役をする歳になったかと感慨しきり(一時色悪の敵役みたいなのばっかりやっていた時に比べたらマシだけど)
⑦チャーチル役の俳優も全然チャーチルに似ていなくて残念な出来だったし、他の俳優陣(『クレイジー・リッチ』や『GIジョー漆黒のスネークアイ』のヘンリー・ゴールディングは別にして)殆ど顔馴染みの無い連中だし、こういう映画には珍しく余りキャラが立っていないので印象が薄い。