「セーヌ川に没したのは…」セーヌ川の水面の下に 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
セーヌ川に没したのは…
パリオリンピック開幕!
…と言っても、いつもながら大して興味ない私。日本人選手たちの活躍は誇らしいが。
それでも少しでも4年に一度のスポーツの祭典の気分を味わおうと、この作品を見ようと。
タイトルからおフランス映画らしいお洒落なラブストーリーを想像するが、まさかのあのジャンル!
セーヌ川で開かれるトライアスロン世界大会が控えるパリ。
川底の不発弾撤去(←ラストの伏線)や水質の浄化(セーヌ川ってあんなに汚れてるの…?)に追われていた。
そんな時、不審な死亡事故が。
身体が引きちぎられ…。スクリューに巻き込まれたか…?
いや、違う。これは何かに食われた痕。
その犯人は…、サメ!
昨年も『シャーク・ド・フランス』なんてのあったが、こちらもフランス発サメ映画。
しかもサメがセーヌ川に現れる!…という驚きの設定。
サメが海から川に上って来たり、そういう映画もあったけど、そもそも…と疑問やツッコミをせずにはいられない。
しかしこのサメ、普通のサメじゃない。
体長が3年前の2.5mから7mに巨大化。環境に合わせ適応変化した新種。単体で繁殖も可。
MEGもびっくりの生態…!
海洋学者のソフィアはそのサメを“リリス”と名付け、長年調査してきたが、3年前にチームが襲われ…。
トラウマとなっていたが、海洋保護団体の若い職員からセーヌ川を上ってきたリリスの協力を乞われ…。
『アーティスト』のベレニス・ベジョは変わらぬ美人さん。
人の命よりサメ。海洋保護団体の若い職員。
人の命やサメの危険よりトライアスロン優先の市長。
サメ映画あるあるのバカ困った連中。
勿論そんな連中はガブッと制裁。
前半はサスペンスタッチ。サメもちらっちらっ。視界の悪いセーヌ川水中でのスリルはなかなか。
地下貯水池での襲撃からサメも本領発揮。
パリ五輪開催前に配信リリース。幾ら何でもイメージ悪くなるから大会襲撃シーンは控えるかと思いきや、なかなかがっつりと!
トライアスロン開催の中、サメ襲撃。大パニック!
警察では頼りにならぬと市長命令で軍出動。サメを狙ってセーヌ川に乱射。
察しのいい方はピンと来るだろう。銃弾が不発弾に当たって…。
爆発!連鎖!
橋が崩壊。巨大な濁流となり、氾濫。
まさかまさか思ってた以上の大惨事とスケールに…!
人の傲慢、愚行。
その最たるは幾度も訴える環境汚染。
それによってサメは異常進化したのかもしれない。痛烈なしっぺ返し。
大抵サメ映画は撃退し、サメが血を流しながら水中へ没し…。
没したのはパリの町の方だった。
逃げ場を無くしたソフィアや生き残った人々。
水に没したパリを、サメの群れが蹂躙する…。
サメ映画には珍しい戦慄のバッドエンド…。
続編求ム!