劇場公開日 2024年9月20日

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「親子で楽しめる良質な前日譚」トランスフォーマー ONE ジョイ☮ JOY86式。さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0親子で楽しめる良質な前日譚

2024年9月28日
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鑑賞方法:映画館

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親子3人、レイトショーで見に行ってきました。CG映画として真っ当に出来の良い作品。
アクション一つとってもしっかり印象に残るし、キャラクター1人1人も魅力的。
世界観の見せ方も上手く、あっという間に没入してしまった。

予告で見た印象と違い、スクリーンで見ると映えるアクションの連続で。見た事のないSFガジェットも多数あり。
中でも地底を縦横無尽に移動する鉄道の描写が素晴らしかった。
垂直になって上昇下降を繰り返す機動は見たことがない。レールを構築しながら走る姿も斬新。しかもここを舞台にアクションまでやってくれるからもう言うことなし。
地形やメカの特性を活かしたアクションは本当に上手かった。
G1オマージュの決めポーズはもちろん、変形機構を活かした戦闘までやってくれるから見ていて飽きない。
おまけにレースまである。
レディプレイヤー1をスクリーンで見た時のような高揚感を感じることができた。

それと大事なのが、トランスフォームする事の気持ちよさだろう。
この作品ではトランスフォーム能力がない状態でスタートするため、トランスフォームのした時の爽快感や多幸感が半端じゃないのだ。
変形玩具としての魅力をフィーチャーした作劇は素晴らしく、それだけでも価値ある映像作品だったと言えるだろう。

こんな感じで中盤まで突っ走る事になるので、前半は100点満点といった感じだ。
ただし、後半からはやや飲み込みずらかった。

様々な理由からコンボイ(オライオン)の親友であったメガトロン(D-16)が闇堕ちするわけだが。ここがいかんせん感情移入できなかったというのが本音だ。
今までの人生をひっくり返されるような出来事の連続。根が真面目で狂信的ですらあったメガトロンには耐え難い屈辱と怒り。その怒りのままに"あの人物"を殺してしまうのは分かる。ここまでは分かる。
だが、あろう事か親友にまで手にかけると言うのは理解の範疇を超えていた。この一線を越える程の心境の変化を描くには、ややドラマ描写が足りないようにすら感じた。もちろん悪役、ヴィラン誕生映画としては悪くない出来だが。他の部分のクオリティが高すぎる故、肝になるドラマでの雑さを感じた。
もっと丁寧にドラマを紡いて心境の変化を丁寧に描いてほしかった…というのは贅沢だろうか?そこさえ出来ていれば満点の映画だったと思う。

色々書きましたが、新たなトランスフォーマーの第1作としては文句なしによく出来てるので万人ウケしやすい作品だと思いました。
展開も早くアクションも多いので子供にも安心して勧められると思います。
次回作にも期待。実写はもういらないのでこの方向性で続けてほしい。

ジョイ☮ JOY86式。