「始まりの物語として必見!」トランスフォーマー ONE おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
始まりの物語として必見!
興味がありつつも、設定がわからず、魅力をイマイチ感じにくかった大人気「トランスフォーマー」シリーズ。本作はその原点を3DCGで描くということで、これなら理解できるかもと、公開2日目に鑑賞してきました。
ストーリーは、ロボット生命体が暮らすサイバトロン星で、変形能力を持たないために労働力として地下の採掘場でこき使われながらも友情を育んでいたオライオンパックスとD-16が、いつか大きな夢を叶えたいと思っていたある日、ガラクタの中で見つけた救難信号をたどってアルファトライオンに出会い、現在の統治者センチネル・プライムの衝撃の真実を聞かされ、それぞれの信念に基づいて袂を分つ姿を描くというもの。
初めて「トランスフォーマー」を観たのはちょうど10年前の「ロストエイジ」。「サイバトロン、デストロン、コンボイ司令官」が全知識という状態で鑑賞して、その圧倒的な映像表現は十分に堪能できたものの、ストーリーや設定はちんぷんかんぷん。そんな自分でも、こうしてサイバトロン星が誕生し、プライムが生まれ、ディセプティコンが分かれていったのかと、本作のおかげでしっかり理解することができました。これだけでも観る価値があります。
もともとは日本で生まれた玩具がアメリカで人気が出たことぐらいは知っていましたが、その背景はよく知らず、原作コミックのようなものがあるのかどうかは知りません。ですから、もし後づけでこの設定とストーリーを考え出したなら天才的です。オライオンパックスとD-16の二人の過去にこんな熱い友情と悲しい決裂があったとは。それを機械生命体の誕生秘話とともに劇的な物語として描き、劇場公開してくれたことに感謝です。
映像的には全編3DCGによるアニメーションが見応えがあり、ハイスピードバトルも迫力満点!本作は人間が登場せず、舞台もサイバトロン星ということで、アニメーションとの相性もよかったように思います。今回は時間の関係で通常スクリーンで鑑賞しましたが、これはIMAX3Dで観ておくべきだったとちょっと後悔しています。
ただ、全体的には十分満足なのですが、自分に知識がなさすぎて、プライム、エネルゴン、センチネル、マトリクス、コグ、アイアコンなどなど、モノの名前なのかキャラの名前なのか、それが何を意味するのかがよくわからず、序盤はちょっと混乱してストーリーについていけなかったのは残念です。とはいえ、流れでだんだん理解でき、最終的には楽しむことができるので、初見のかたでも十分に楽しめると思います。あと、エンドロール後にも少しだけおまけシーンがありますので、これからご覧になる方は最後まで席を立たずにご鑑賞ください。
キャストは、クリス・ヘムズワース、ブライアン・タイリー・ヘンリー、スカーレット・ヨハンソン、キーガン=マイケル・キー、スティーブ・ブシェーミ、ローレンス・フィッシュバーン、ジョン・ハムら。上映中は、こんなに大物俳優が声を当てているとは全く気づかず、エンドロールを眺めていてびっくりしました。