「傾いて魔法にかかったペイヴメント伝説第一章は、考えるよりずっと大きな音だった」ラウダー・ザン・ユー・シンク ギャリー・ヤングとペイヴメントの物語 とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5傾いて魔法にかかったペイヴメント伝説第一章は、考えるよりずっと大きな音だった

2024年6月24日
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一昔前のロックスター気質で、フォーエバー・ヤングなロバート・プラントマン=ギャリー・ヤングのブッ飛び破天荒っぷり!ペイヴメントのローファイなサウンドと、商業的成功やロックスター的な暮らしには興味のないスタンスとは対照的な、アル中ヤク中目立ちたがり屋のオジサンドラマー。俺を見ろ!…と言わんばかりの主張激しい唯一無二さと真似できない(し、したくもない)生涯。
けど、彼の強烈かつユニークなキャラクター、生まれ持った最高にパンクなアティチュードとメンバーも絶賛の確かな技術(ペイヴメントの音源から受ける印象よりうるさい?)が、初期ペイヴメントを支えたことも間違いない。倒立!野菜配る(そしてまさかのサーストン・ムーア共犯)!ペイヴメントは大好きなバンドだけど、正直ギャリーについて詳しく知らなかったので、本作は初めて知ることばかりで楽しめた。あと、作中に出てくる人形のクオリティ。
インディーオルタナ(アート性)とメジャー(商業性)、一人だけ舗装されていないガタガタ道を逆走するようにまるで水と油?世紀のミスマッチが起こした化学反応もまた功績。人生の伴侶、夫婦愛の物語でもある。ペイヴメントのドキュメンタリー映画として見たら物足りなさと言うかもっと欲しさも出てくるかもしれないけど、彼のドキュメンタリー映画として見れば生き様込みで大納得だし、そこにしばし並走したペイヴメント伝説の始まりは単品じゃなくてもやはり興味津々だった。

We'll miss you, Plantman.

とぽとぽ