劇場公開日 2024年8月1日

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「ブリジットじゃないジョーンズもとい 天才ケイトの再始動」ツイスターズ どん・Giovanniさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ブリジットじゃないジョーンズもとい 天才ケイトの再始動

2025年4月23日
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鑑賞方法:VOD

怖い

単純

知的

 竜巻のことは、今の科学では解明できておらず、1921年に藤原咲平氏が「フジワラ効果」(二つの台風が接近した際、渦の相互作用により通常と異なる進路をとる)を発見し、後に藤田哲也博士のイニシャルから名付けられた「Fスケール」(竜巻を直接測定することは不可能に近いため、被害状況で強さを推定する方法)の改良「EFスケール」が現在用いられている(パンフレットによる)。

 私の見解だが、今の科学と利権システムのままでは いつまでたっても世界のあらゆることが解明されることは、恐らくできないだろう。

 そうした中でも、竜巻チェイサーと言われる人達が命懸けで真摯に研究している。今作は、竜巻に魅了された天才気象学者ケイト(デイジー・エドガー=ジョーンズ)が、「PAR」(竜巻リサーチ会社が開発していた竜巻測定装置ファーズド・アレイ・レーダーの略称)を用いて高解像度観測をする。『ツイスター』(1996年公開)で使用していた「ドロシー」は架空の装置であったが、今作にも「ドロシー V」(ドロシー五号機かな)や、ヨウ化銀の溶剤を使用して竜巻を弱めるという机上の空論が登場しているという点においてはファンタジー(『ツイスター』の続編なのかリブートなのかは曖昧)である。劇中の竜巻の研究では、ドロシー以外にもオズの魔法使いに登場するキャラクターの名前を使用していて面白い。
 今作の撮影技法は没入感を高める効果があり、竜巻に接近または竜巻の中に実際にいるかのような体験ができる。竜巻の描写に関しては『ツイスター』(1996年公開)のクオリティから数段にアップグレードしている。

 主人公ケイトは第六感を持つ天才で、親まで協力してくれて、環境が整っているから、鑑賞者はすんなり感情移入できるわけではない。
 しかし、挫折したり諦めた経験がある人は多い。もし再び挑戦してみた場合、どうなるか関心があることだと思う。それが命懸けのものであれば、怖いという感情は共感できるし、志が同じ仲間が出来れば嬉しいということも共感できる。
 恋愛要素がある。大学時代のケイトの恋人ジョブ(ダリル・マコーマック)。実業家になったハビ(アンソニー・ラモス)と、インフルエンサーのタイラー(グレン・パウエル)。ケイトを愛する男性たちの言動も見どころのひとつである。

 今作を4DXで鑑賞できなかったことは悔しいが、配信を大画面(130インチスクリーン)で家族と一緒に鑑賞できたことを喜びたい。

 プロットは単純明快。謎に満ちた竜巻をリアルに再現し、そこに可能性というファンタジー要素を加え、エンターテインメントに昇華している。

どん・Giovanni
ゆーきちさんのコメント
2025年4月25日

共感ありがとうございました。

この作品は日本でもそこそこ盛り上がって嬉しかったです。最後までベタつかなかったのが、日本人の琴線にふれましたwww

ゆーきち
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