「美しきトルネード・チェイサーのトラウマ」ツイスターズ bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
美しきトルネード・チェイサーのトラウマ
『ツイスター』と言えば、1996年にスティーブン・スピルバーグ製作の元で公開され、牛が竜巻に吹きとばされるシーンが印象に残っている。本作は、その作品のリメイクではなく、別のシチュエーションとして、オクラホマのトルネード・ロードが舞台。命知らずのトルネード・チェイサー達が、巨大な竜巻を鎮めようと、果敢に挑んでいく物語の流れは同じ。
オーソドックスなパニック・アクションで、特に大きなサプライズの展開はないが、5年前の巨大竜巻に巻き込まれたトラウマを抱えていたトルネード・チャイサーが、新たな仲間に支えられて再起していく内容。次々に発生する巨大竜巻に挑んでいく中で、対立するライバルのトルネード・チェイサー・チームとの競り合いを絡めていくことで、アメリカ好みの困難に立ち向かう、サクセス・ストーリーにも仕上げている。
そのトルネード・チェイサーで、若き天才気象学者・ケイトを演じるのが、『ザリガニの鳴くところ』で、主演のカイアを演じたデイジー・エドガー=ジョーンズ。愛らしく美しい顔立ちの中に、芯のある強い女性を演じ、個人的にも今、一推しの女優さん。本作の様なパニック・アクションでも、トラウマを抱えながら、最後は自分の信念を貫き、その壁を打ち破っていく、逞しく美しい女性を演じ、その姿に魅了された。彼女を観ているだけで、癒される作品のため★4.5。
ケイトは、学生時代に自分の失態から竜巻の調査チームの3人を亡くす過去背負っていた。そんなケイトに、嘗てのチームの1人のハビが、彼の新たなチームに、ケイトを招き入れる。しかし、当時のトラウマから抜け出せないで、思うように動けないケイト。そんな時、ライバルチームで型破りのトルネード・チェイサーのタイラーに出会い、刺激を受けることで、調査への意欲が高まり、自分に課せられた使命に気づき、再び巨大竜巻に立ち向かっていく。
巨大竜巻の映像はCGを駆使して、その猛威と恐怖を煽ってきたが、改めて、アメリカ大陸での竜巻被害は、桁外れの規模に驚かされる。日本では、これほど巨大な竜巻は土地柄、起こることは無いのであろうが、最近では、日本でも竜巻被害のニュースを耳にすることも多くなり、この所の猛暑も含めて、気象が大きく変動していることは、間違いないようだ。