ナミビアの砂漠のレビュー・感想・評価
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「わからない」フィロソフィー
冒頭カナが友達とカフェで話している様子や男とデートして家に帰ると同棲している男が持っている。仕事もなにか惰性で働いている、これらの言動からカナのことが「わからい」と迷いながら見進めていた。 ただ、徐々にカナの心の奥底にある想いは、誰にも「わからい」でカナ自身も「わからない」のではないかと感じた。まるで砂漠に一人たたずんでいるように。考えてみると人生どのようになるか正直「わからない」。カナは、「自分の頭で考え」自分の「好き」にしたがい行動し、好きな男と一緒に暮らしても自分が「いや」なことはストレートに相手にぶちまける、感情をあらわにして。。 しかしカナは感情だけでなくカナの心の奥底にしまってある「自分の頭で考え実行」したことに生きる負い目を感じているから一層今後の生き方が「わからない」のだ。カナは「好き」「嫌い」、素直に生きるしかてだてがない。「自分の頭で考え実行」したことを一緒に暮らしている男が別の女性にさせたことが許せない。この男がなんの負い目をまとわず平気で生きているからだ。 二人で生活しても、今後の関係性が二人にも「わからい」。特にカナの感情の変化はいちじるしくカナ自身も自分のことを「わからい」奇妙なワンショットがとても印象的だ。隣に住んでいる女性と焚火を囲んで「わかってほしくないけで、わかるよと言われるとうれしいでしょう」と言われ微笑むカナが、この砂漠で見つけた光だ。 終幕近くカナはスマートフォンで中国に住む母親と話をする。男が「その中国語なんて意味」と聞いたときカナは「わからいという意味」とこたえ二人の微笑で映画は終わる。 「わからない」、なんと深淵な言葉か。「自分の頭で考えない」で「わかったふり」をしてあくせく生きている人達に、素直に「わからない」ことを「わかり」、「自分の頭で考え実行」すれば、もっと生きやすくなると山中監督は、河合優実の身体からあふれでる感情とアクションをとおして、作り手達のフィロソフィーが伝わってきた映画であった。
われわれはカナという野生の人物をライブカメラで見ているのか
ぐわー、これは評価が分かれそうな映画だな。 つまり、それは余白のある映画だということだ。ダメな映画はそもそも評価は分かれない。ダメ、の一言で片付く。 この映画は、クセが強すぎる。 そのトーンや、脚本や、編集に、山中瑶子監督のマニアックな匂いがぷんぷんする。 素人めいたぎこちないズームなんか、ゴダールっぽいとさえ思える。 河合優実自身が「ぜひ撮られたい」と売り込みに行ったらしいから、どうやら変人同士で監督と水が合ったのだろう。 これが「国際映画批評家連盟賞」を獲った、という。よほど世界の批評家は最近の口当たりの良いエンタメに慣れきってしまって、眼の前で無作法の限りを尽くすような映画の刺激に飢えていたのだろうか。 河合優実に関しては、もちろん『不適切にもほどがある』でブレークしたのもあるけれど、目が離せない。 ちょっと、超弩級のポテンシャルを感じさせる。 同時代に生きる者として、代表的な出演作は観ておきたい、と思って映画館に足を運んだ。 『ぼくのお日さま』からの『エイリアン ロムルス』からの3本目だ。 1日の最後にこれは、さすがにぐったりした。 ここであらすじを語っても何の意味もないし、そもそも河合優実に興味がない人はまったくつまらないだろう。 「ナミビアの砂漠」というタイトルと、映画で描かれる現代の日本の若い女性の日常はまったくカブらないが、そもそもナミビアの砂漠というのは実在する。 正確に言うと、南アフリカに隣接する南西アフリカのナミビア共和国に存在するナミブ砂漠のことだ。 そこに、そう言えば3年前くらいにネットで話題になっていたライブカメラがあるのだ。 https://www.youtube.com/live/ydYDqZQpim8?si=yLpxU1i6FVnCSAau 砂漠に人工的に作られた水場があって、24時間、水を求めて集まってくる動物が見られる。ただそれだけなのだが、異様に人を惹きつけるらしい。 映画の中でも、河合優実が演じるカナが時々スマホでぼーっと見ている。 すると、われわれはカナやカナを巡る男たちの日常をライブカメラで観察している、というのがこの映画の含意なのだろうか? 南西アフリカの砂漠の野生動物と、天衣無縫に生きる日本人女性と、どこが重なるというのだろうか?
自主映画の雰囲気
河合優実を目当てに観た。物語らしいものはなく、一言で言えば、やり場のない怒りや苛立ちを抱えた主人公の姿を追ったもの。 作り手が「こんなシーンを撮りたい」と思ったものをつなぎ合わせたようで、まさしく自主映画の雰囲気。主人公と同じように、作り手も自ら抱える感情をうまく表現する術がないというか… ルームランナーのシーンとか、焚き火のシーンとか、へたに予算が付いたからやってみた感じで、作劇上効果的とは思えなかった。 役柄として共感はできないが、相変わらず河合優実の実在感は際立っている。対して、作り手の狙いどおりと言えばそれまでだが、男二人の存在感があまりにも薄い。 ところで、「ナミビアの砂漠」というタイトルは印象的で面白い。残念ながら、そこに込められた想いを感じることはできなかったが。
哀愁漂う肩周りの肉付き
まったくイライラする女だよ。河合優実の演技がそれだけ良かったということなんだろうが、あんな女、手に負えんわ。男の方は切れずによく面倒見てたわ。コルセットで大人しくなってる間が癒しの時間だったようにすら思えた。 新しいヒロイン像かって言ったらそんなことない。昔からこういう女性描いてる映画ってあるよね。 もう少し主人公の魅力を描けてたら共感できたのかもしれない。でも共感できない人物にリアルがあるのかもしれない。 しかしまあ自分がこんな人物になってしまったら生きにくいだろうねえ。そういう生きづらさももっと上手く描けたんじゃないかなあ。 世の中も多様性を受け入れる時代に移り変わって来ているからねえ、マイノリティを描いた映画もなんだか相対的に存在感が薄まるようで、なんだかだねえ。 なんだかんだやはり、河合優実の肩幅に象徴される肉体から感じる生々しさが一番印象に残ったかな。
55点ぐらい。どうでもいい下らない日常。
カンヌで賞を取った事とかアリ・アスターが絶賛した事を知って観たんだけど、 いったい何を観せられてるんだと思う内容で、内容らしい内容がなく、どうでもいい下らない日常が延々と続く… 観てるコッチが恥ずかしくなる感じにイチャついてたり、大声で醜く喧嘩してたり、イラっとして不快です(苦笑) 観てる間すごい苦痛で、早よ終わらんかな…と思いながら観てました。 少しだけど、心に刺さるセリフがあるので、無内容な中それが印象に残る感じ。 この評価は甘めで、55点ぐらい。
生き辛さに抗う若者を野生動物の観察めいたドキュメンタリー調に撮っ...
生き辛さに抗う若者を野生動物の観察めいたドキュメンタリー調に撮った話とも、女性版「ジョーカー」(ヒース・レジャー版に近いキャラクターかも)みたいなつきあう男どもを魅きつけ蹂躙する魔性の女のサイコスリラーなのか、最後まで見ても判断がつかない。謎めいた出自(中国にルーツを持つらしいが「ニーハオ」しか喋れない?)に、徹底的に秘められた内面(抱えているらしきトラウマさえ、その場その場で相手にマウントを取るために装っている感もある)…最終盤に、それまでの路線から逸脱するマジカルな演出で一瞬、「本性」がさらけ出されるかに思えたが、それも二度繰り返される(ふつうは一度目でEDに入ってなんとなく綺麗に終わるところでしょ!?)ことで互いに打ち消し合うかのようだ。絶対近づきたくない女、でありながら同時に終盤の二人のようにぐちゃぐちゃに傷つけあってみたい欲も感じる。映画自体と同じに、嫌悪と魅了が相克し、ずるずると後者に寄って、否、寄せられていく。捉えどころの難しい映画だが、案外冒頭の印象的なシーン、「喫茶店で知人が自殺した話を聞き流しながら、隣の卓がノーパンしゃぶしゃぶのバカ話をしているのが耳に入ってくる」が全体を通しての鍵なのかも。あそこの「げ、紙ストローだ」の言い方で引っ張り込まれた感もある。
ちょっと前のフランス映画、風
本当は誰にも感心が無く、何となく今を生きてる風の主人公を中心に、都会の片隅の今どきの若者の危うさの例を描く…?と思いきや、意外と他に普通の人達が出てくる。思い遣りがあって心が広いと思った彼氏はただの独りよがり、ちょっと尖った感じの遊び人風彼氏は、実は高学歴で普通に仕事で成功したい人だった。主人公は生きてる環境が合わなくて苦しんでるように見えるが、それがナミビアの砂漠ってことなのか、不明。ぶつかり合う熱量や緩んだ空気感の変化の表現はスクリーンから感じられた良いところ。ただ、カメラワークが首を傾げたくなるシーン多数、敢えて手振れを多用してるのかもしれないが、特にセンスを感じず、単に下手だな、と思ってしまった。狙ったセンスは感じるが、観客を納得させる作品には纏まっていないようで、残念。
何も表現できていない
河合優美さんの演技は素晴らしかったですが、映画そのものはなにも表現できていない。観客に頼りすぎ、監督の自己満足。 脚本クソ。こんなんで賞をとっていると、監督は勘違いし、この先成長できないだろうな。あとから「あみこ」の監督と知り納得。「あみこ」も原作クラッシャーだったから。しかし、河合優美さんがあのシーンでヌードを披露する必要があったのか。
20代で見たかった!
この映画を20代で見ていたらまた印象が違うと思う。 若さゆえの倦怠感、自分本位さ、衝動的な行動、近視眼的な判断軸。 そういうものがないまぜにスローなテンポで展開していく。河合優実が魅力的。実家太めで何やってるかよくわからん金子大地もマメで優しすぎる寛一郎もリアリティあった。隣で英語を勉強する唐田えりかも東京のどこかにたくさんいそうだし。 こんな世の中でも生存し続ける事が大事!
てぃんぷとん
一言で言うなら、情緒不安定な女性の日常って事になるのかな 映画として、各シーン毎に繋がりを感じない。やたら聞こえるノーパン喫茶の話をしてたのはモブ。自殺した同級生もそれを伝えた親友もモブ。今彼に連れて行かれたアウェイデイキャンプで出会った人たちもモブ。終盤にやたら存在感を出してきたお隣の美人さんもモブ。 何を描きたかったのだろう。あらすじに元彼と今彼の対比的な事があったけど。どっちもいい奴じゃん。 まさにてぃんぷとんな映画でした。
愛と平和
主人公は21歳。 大学から日本にっていう割には(退学?それとも短大?)脱毛サロンで働いてるし仕事もいきなり辞める。 不動産屋で働く面倒見のいい彼氏が居るのにそれっぽいクリエイティブ男と浮気し、彼氏の風俗利用を上手い言い訳に使って別れも告げず出て行き同棲を始める。 自分の20-25歳までの話を映像化されてるのかと思うくらい心当たりのある行動ばかり映る。 私を自己紹介するときはナミビアの砂漠の円盤を渡せば良いのかと思うほどにボーダーで突発的な行動の繰り返しをして今に至るため、本作の主人公の行動が痛いくらいに分かるし、観るのがキツかったです。 兎に角、後のことを一切考えない感情的で自己肯定感は低いのにプライドの高い女の生活。 多分もともとボーダー(境界性人格性障害)気味だったのが、クリエイティブ男と一緒になることで悪化したようにみえた。 こういう女はおんぶに抱っこに肩車してくれる男、つまり理解ある彼君( )と一緒にならないと。 まあ付き合うって決まった時に自分の書いた絵をタトゥーにしてくれる男もなかなかイカれてて素敵なんですが。 突然現れたランニングマシン。 その後からの部屋のシーン、家具と部屋の配置が喧嘩前と鏡写しに逆になっていたがこれは何故?どういう意図なの?私に分かりませんでした。
観たあと自由になれた気がする
最初は全然共感出来なかったけど、観てるうちにカナが自分とすごい似てることに気づいて親近感を感じた。 理性じゃないところで人は生きてるのじゃないかな、 最後のカナは楽しそうで良かった。
タイトルなし
一人よがりすぎて未完成。女性の描き方が斬新なのはわかるし、砂漠の絵もいい。後半だいぶ良くなってくるけど、最初は、主人公の暴力にも辟易する。女性だからといって暴力をふるっていいわけではない。構造的暴力があることはわかるし、最初の男が優しそうでいてパターナリスティックなのだろうと予想はつかないわけではないけど、あまりに説明不足でわからない。不機嫌すぎる理由も少しずつはわかるにせよ、視聴者の共感を呼ばない。そんなものは最初から期待してないのかもしれないけど。精神疾患の話が出てくるあたりからは私小説っぽい。金子との取っ組み合いの喧嘩シーンはいい。箱庭療法の砂をザラザラかき回すとかあまりなくてすごい。まきこさんのいやらしさ。入墨のシーン(金子の甘さが際立つ)、エステへのクールな切れ方、エステシーンの描き方、暴力シーンを見るランニング、細部はクリエイティブ。
よく分からなかった
ユナイテッドシネマ浦和にて鑑賞🎥 カンヌで評判だったし、予告編は面白そうだったし、河合優実主演だったから観に行ったが、女1人・男2人の言動には全く共感できず、自分には「何これ?映画」だった (^^; カナ(河合優実)は自由奔放に行動しているように見えるが、何を目的に生きようとしているのか分からない。同棲している男=ホンダ(寛一郎)の札幌出張を境に、クリエイター男=ハヤシ(金子大地)の部屋に突然引っ越す。この男2人も何を目的に生きようとしているのか分からないが、カナに振り回され、カナの心身をも痛めつけるような展開も??? 序盤でカナが女友達と喫茶店で「二人の共通の女友達が亡くなった」という会話をしているのに、隣席でノーパンしゃぶしゃぶの話なんかを上かぶせしてくる作り方には、監督の如何なる意図があるのか? それ以外にも「トイレ一緒にする場面」・「背骨数える場面」など変わった風景が散見された。「喧嘩風景からルームランナー場面クローズアップ切り替えシーン」は「映画的」と言えるのかも知れない。 この映画で一番訴えたかったのは、カナが言う「日本は少子化と貧困で終わっていくので、目標は“生存”です!」ということだったのだろうか🤔 この映画、河合優実の演技が突き抜けた感はあったものの、自分には(劇中で出て来る)中国語「ティンプトン」(=日本語「分からない」)であった💦 <映倫No.124481>
自己満足でいいのですか?
この映画は、河合優美の主演、本人が女優になろうと決めた映画監督、と聞いていたので楽しみにして見てきました。突然の展開で新たな試みに驚くシーンがいくつかありましたがインパクトありません。ストーリーに違和感、ラストのセリフも意味不明でエンドロール…客席にそれぞれ???飛んでる様子。 新進気鋭の監督さんは上映後の舞台挨拶で撮り終えて満足と、それでいいのですか?自分には伝わりませんでした。
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