ナミビアの砂漠のレビュー・感想・評価
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人はヤンキーの更生物語に弱い
前半部分はとにかくストレスが溜まった。
主人公の傍若無人でわがままな振る舞いは理解不能、おまけに発言内容も支離滅裂だからだ。
しかし、ある場面からそのストレスが解放された。それは主人公の傍若無人さに理由が与えられて、同情や赦しを覚えたかあるいは別の理由かもしれない。しかし、ここからのややコミカルさを感じる演出は見事だった。自分の中でも前半で溜めたストレスが解放されていく快感が生まれたのだ。まるでヤンキーが更生していく様を見ているような完璧などんでん返しだった。
前後半で主人公の振る舞い自体は大きく変わらないが、演出でその見え方を変えることで主公への共感を持たせるという点で感情を大きく動かされる映画だった。
理不尽で筋が通らない要求
たまに見聞きする女性からの理不尽で筋が通らない要求。男を振り回すタイプの女性がやるやつだ。そういう女性とつきあうと苦労するのだが、その苦労を受け入れる男性も多い。好きになってしまった方が負けというだけでなく、共依存的な関係から抜け出せない場合も多い。
本作の前半はカナが彼氏たちに行う理不尽な要求と彼女の奔放な行動を淡々と観ることになった。ところがある事実が発覚してからカナの雰囲気が変わってくる。若い女性の奔放な生き方を描く物語と思っていたが、少し違っていた。どちらかというと精神を病んだ女性の物語だった。彼とケンカするようになってからのカナの言うことは結構めちゃくちゃで、あぁ彼氏はめんどくさいと感じてるよなとそちらに共感してしまった。
カナの病名ははっきりしない。でも病名は何でもいいでしょと言う医師に対して、自分のことだからちゃんとわかりたいというカナのセリフは妙に刺さった。彼女なりに苦しんでもがいている証拠だ。
新しい彼氏も優しげな雰囲気なのに、家族とのBBQでカナを気にかけない態度とか諍いが起きたときの静かに追いつめる感じとかなかなか嫌な部分をさりげなく見せてくる。ここらへんの脚本はうまい。
無駄な長回しがあったり、妙な脳内シーン?があったりなかなか理解するのが大変な本作。考えさせられることはあったが、あまり好きなタイプの映画ではなかった。河合優実主演ということで期待しすぎてしまったのもよくなかったかもしれない。でも、河合優実の演技はやはり素晴らしかった。今後も期待の女優だ。
カナコの正体
カナの表情がダークな感じに変化したのは、ハヤシ家のキャンプのあとでした。
キャンプでカナコっていうハヤシの知り合いが登場するじゃないですか。その後ろのキャンプの参加者たちが、何故かこの再会を、固唾を飲んで見守っているように見えますよね。いや、表情とかは分からないんだけど、なんか雰囲気が。
つまり、カナコはハヤシの元カノ。あの写真の胎児を身ごもったのもカナコ。キャンプの参加者にはそれが周知の事実なので、カナコと2人の出会いを心配そうに見ていたというわけ。そのことに気付いてしまったカナは、キャンプから帰って以降、ハヤシへのモヤモヤがつのり、ハヤシがふざけてカナのお腹の音を聴いた時にキレたんですね。
ということが、三回観てやっと分かりました。
この映画はカナの生態観察日記でもあるわけですが、“カナって今なんでこんな表情してるんだろう”というのを解き明かすのも、この映画の楽しみ方のひとつですよね。
なので、この映画に無駄なシーンなどいっさい無いと私は思います。
終盤の、カウンセリングから隣人との焚き火の妄想シーンへの流れ。そして戦いのあとハンバーグをモグモグしながらの、ハヤシとカナの微妙な表情の移り変わり。ここで、何故か涙腺が緩んでしまうのでした。
?
ごめんなさい。結局のところ何が言いたいのかわからないまま終わった映画でした。というよりも、そもそも見る人に何か伝えたいのかどうかさえわかりませんけど。
もともとどこか身勝手な主人公ですが、後半壊れていきます。何が原因なのかもよくわかりません。壊れ方の表現も独特でよくわかりません。新しい彼氏の職業もクリエイターらしいのはわかりますが、どうやって稼いでるのかわかりません。ナミビアの砂漠というタイトルの意味もわかりませんが、他の方のレビューを読むにパンフレットを読めばわかるとのこと。ということは、作品の中でみんなに分からせる気はなかったということなんでしょう。極め付けは中国がわからなかった。中国人の血が入ってるの?入っててもそれはいいんだけどあんなにちょっとだけ見せる意味は?
ということでいろいろ分からなかったのですが、難解なわけではないです。理解するのが難しいわけではなく、詳細と共感がないから分からない、という独特な映画です。
よく理解できないものに出会うと天才と評しますが、天才か独特かは分けて評価して欲しいかな、と思います。
映画はほぼ河井優実の一人称で描かれるので、彼女の女優としてのポテンシャルは恐ろしいほど理解できます。彼女、彼女自身がどんな人なのか分からないんですよね。なんか空虚というか、彼女自身が虚像というか。役の入れ物みたいな、本当の根っからの俳優さんなんだと思います。きれいでとても好きなタイプの女性なんですけどわかりやすい美形でもなく、なんとなく上戸彩さんにも似てなくもないみたいな、個性はあるのに掴みにくいビジュアルも魅力的で今後も目が離せません。
主人公に惹きつけられていく映画
河合優実演じる主人公21歳のカナ、その毎日を見せ続けていく映画、ストーリーとしての起承は多少あれども、特段転結はない。
無気力、生きがいも趣味もなく、やり場のない何かを抱え、何処か冷めているカナは、付き合う男性に流されることなく奔放。
金子大地や筧一郎が演じる男性と暮らしながらも、良くも悪くも自我を保ち、時に相手に激しく接する女性。そのリアルな日常を描く。
最近の若手女優の中で、圧倒的注目株の河合優実は、映画「あんのこと」の演技にも圧倒されたが、変わらず素晴らしい演技で、喧嘩のシーンも圧巻。逸材としての実力をまた見せつけられた気がする。
画角やカメラワークの巧みさもあり、スクリーンを通じて、カナの持つ不思議な魅力、激しい個性にいつしか惹きつけられていく。
予定調和は一切なく、特に結末もないストーリーの中、主演の河合優実に魅入る映画。
27歳の若手映画監督による初の長編映画、低予算の中、枠にとらわれないディレクション、才能ある女優の演技により、没入できる映画に仕上がっている。
スマホの画面とエンドロールにだけ出てくる、題名のナミビアの砂漠と思しき画像も印象的。
すごい映画です。
とても深い映画でした。
メンヘラ女子が二人の男性と同棲してジタバタする、お互いが微妙にズレるエピソードが話が骨格です。
そのエピソードだけを追うなら、ありきたりの若者メンヘラ男女関係映画といいうことになりそうなのですが、
描かれている人間(とその世界)の在り方、哲学的な存在様式のようなところまで、映画として表現されていると感じました。
古典的な作品や有名監督の作品をそこそこ、みている程度ですが、これまで映画であまり表現されてこなかった領域を表現した画期的な映画なのでは、と素人ながらに思います。
アレクセイ・ゲルマンの不思議さを少し思い出したりしました。
監督のインタビュー、
シェルタリン グスカイ
が大好き。
そうですね。
シェルタリング スカイ
が好きな方はきっとすきになりそうにおもいます。
素晴らしい。
監督はナミビアに行ったことがあるんだろうか?
主人公の女の子みたいな人と暮らしたいとは思わないが、予告とかで見て想像していた人より、ずっと普通でまともな人でした。
金子くんの部屋の棚の「太陽の塔」の模型がツボだった。
一番好きだったのは「キャンプだホイ!」のシーン。
あと、監督は、行ったことがないのはもとより、ナミビアのこと何も知らないのかもと思った。(さらに言えば「ナミビア」という国に対して興味すらないのかも)
青い渇望
30年前にみた20代で過ごした日々。1990年にみていた景色を思い出して、驚きました。
金子さんが魅せるドロップアウトしている卑屈さをスタイリッシュと勘違いしていた男の子やダルイといいながら構えている女子もいた。退屈を纏いながら安定を渇望していた感じは、時代が変わっても変わらないんだなぁと。
あの頃(わたしの中で)流行ったベアトリス・ダルと河合優美さんが重なり、でもベテイブルーほどぶっ飛んでない現実は、病名をつけようとしたところにあったのかなぁと思いました。
ちょっと不思議な映画でした。
少しズレますが、
パンフレットで金子大地さんのわからないというコメントが、面白かったです。そういうところが好きです。
長い、ながいわ、長過ぎるでしょ、楽しくないし
広大で、何も無い、隠れ家の砂漠
粗筋が出る前から、河合優実主演で鑑賞決定。
結果として、鑑賞の価値もそれだけだった。
基本的に登場人物の使い捨て感が強く、イチカは外泊の言い訳に使った後は出てこない。
キャンプも2人のズレやカナの孤立を描いていただけで、会話もキャラもそのためだけのもの。
そのくせ、割いた尺ぶんの効果も感じなかった。
抑えた中で変なとこで入るBGMや、多用される長回しも狙いがよく分からない。
シーンの繋ぎも唐突で上手くない。
カナの情緒は“躁鬱”と言われてしまえば納得は出来る。
ただ、ハヤシと幾度も喧嘩しては毎度仲直りを挟まず元に戻っているのは納得いかない。
描かれてないだけ、ではダメだと思う。
各キャラの背景もあまり明かさないし、みんな独りよがりで共感出来ず。
長々とプロレス見せられてからのワイプからのランニングマシン、そして『キャンプだホイ!』…
意味不明過ぎて笑ってました。
プロレスしてて最後に駅弁スタイルになるとこも。
『愛に乱暴』に続いて、出す意味を感じない乳も。
いや、自分も男だし見たくないとは言わないが、映画の中で出すからには“意味”が発生してしまうし。
河合優実はじめ、演技はみな良かった。
冒頭の、隣の会話が気になって友人の話が入ってこないという音の演出は上手いし面白い。
映画の中で「映画なんて観てなんになる」と言うのも。笑
黙って出ていくのはまだしも、冷蔵庫を持っていくのは鬼畜の所業です。
唐田エリカのストーリー!?
結局、可愛けりゃメンヘラでもいいの?
レイトショーで眺めるように見ていたい
なんか毎日つまらないなぁって気持ちになったことのある人は割といると思っているし、現在進行形でそういう気持ちの人もいるかもしれないけど、そんな時の気持ちやなんとも言えない表情やウダウダ感みたいなのが詰まっている作品。
一応ストーリーの起点となる出来事も起きたりはするけど、日々退屈だなぁって思っているカナの日常を映しただけなので、映画自体退屈といえば退屈かも。
ただ人によっては、少なくとも自分はこのうだつの上がらない日常感が突き刺さるというか、シンパシーのようなものを感じだりもしたので、
「よし!今日は映画見るぞ!」って感じじゃなくて、レイトショーとかで後ろの席でぼんやり眺めるように見るのがなんだか丁度良い且つそれが最高な気もする作品な気がする。
「ナミビアの砂漠」
タイトルのこれ、本作別にナミビアには行きません。カナがそれこそ退屈しのぎに見ているyoutubeのライブ配信の事。
自分もなんとーなく眺めていたがあるので、こういうのぼーっと眺めてしまう、それくらいしかやる気出ない感じはわかる気がする。
「冒頭のカフェシーン」
本作で最も「この感じわかるわぁ」と思ったのが序盤女友達とカフェで話しているシーン。
話きいているけど、周りの雑談の方が妙に気になってしまって、友人の話より周りの声の方が音量大きくなるイメージ!いや友人の話も聞こえてはいるんだけどね。なんかこのシーンでグッと引き込まれた気がした。
「河合優実さんが魅力的」
カナを演じる河合優実さん「あんのこと」でも、実在感のある演技をしていたけど、本作でもカナそのものじゃんと思える存在感があった。
またカナのなんともアンニュイだけど可愛らしさのある話し方なんかもあり、カナの持っている魅力がとても伝わってきた。
実在感強くて、カナの魅力なのか、河合優実さんの魅力なのかよくわからん。
「そんな場面チェンジあり?」
とあるシーン「え!どういう場面転換?」って思うかなり予想外のシーンがある。
シーン自体はカナのメンタルを表しているんだと思うが、そのシーンへの切り替えが、小さいワイプからのワイプへのズームイン!
ワイプ出た時点で驚かされた。
なんであんな表現にしたんだろ??
「ルンルンからの大喧嘩」
後半はカナと彼氏のケンカが多くなるが、なかよしの時はルンルンで出かけたりもしてとても微笑ましいのだけど、そこから一気にすっ飛ばしてまた大喧嘩(もはやプロレスみたいで逆に仲良いのかと思った)の転換もあまりに急すぎて笑いそうになった。
「結局なにが言いたい作品だったんだろ?」
これと言ってカナの生活が大きく好転する終わりでもなく、かと言って悪くなるでもなく、でもなんだか少しだけ変化がありそうな…って感じで終わるので、全体が示すメッセージがなんなのかわからなかった。
でもなんか悪くないと言うか…
大きく心動かされもしなかった方、つまらなかったとは思わない作品だった。
「総括」
人生毎日必死で生きなきゃいけないのに比べたら、退屈くらいが幸せなのかもとかも思ったり、でもカナの彼氏のようにあんなに夢中になれるものがあるのも良いなぁと思ったり…
カナも彼くらい夢中になれる仕事とかが見つかったらまた変わってくるんだろうなぁ…
映画全体に地続き感があるというか、実在感がありカフェのストローが紙ストローだった事にぼそっと呟いたり、細かい演出が効いている作品だった。
youtubeで「ナミビアの砂漠」眺めるなら、こっちの「ナミビアの砂漠」みても良いかもね。
そう言えば、引っ越してすぐの時小虫がいるって床とか叩きまくってたけど、あれはホントに小虫がいたの?なんなの?
役者陣の奮闘が素晴らしい!
「あんのこと」で印象的な演技を魅せてくれた河合優実が、また熱演を魅せてくれました。ただはっきりとしたメッセージ性が感じられた「あんのこと」と異なり、本作のストーリーはかなり難解で、その点好みは分かれるかなという感もありました。
まず序盤は、河合優実扮する主人公・カナと寛一郎扮するホンダの同棲生活が描かれます。手の込んだ食事を作ったり、何かとカナの面倒を見る優しいホンダだったのに、カナは何が不満なのか金子大地扮するハヤシと二股を掛けている。その後ホンダの前から突如姿を消したカナは、ハヤシと同棲を始める訳ですが、今度はハヤシに暴力を振るったりと無茶苦茶なカナ。
この辺りを総合的に観ると、一体何を見せられているんだという気がしましたが、落ち着いて考えてみると一般的な男女関係の逆転現象が描かれているような気がしてきて、そういう見方をすると何となく合点が行きました。浮気にDVと言えば、何となく男性の専売特許という気がしていましたが、別に女性だってそういうことをやる可能性はあるんだと、変に納得した訳です。
ただそうしたカナの一見奇異にも思える行動の原因が、最終的には双極性障害であることが分かり、その点はちょっとしっくり来ませんでした。病気が原因となれば何でもアリになってしまうので、個人的にはもう少し捻りがあっても良かったように感じたところでした。
そう言うはあったものの、河合優実の演技は全編に渡って力強く、しなやかで、かつ美しかったし、寛一郎の弱々しい男の演技や、カナの暴力を受け止める度量がありつつも、何となく薄っぺらい感じのハヤシを演じた金子大地も素晴らしく、役者陣の活躍ぶりは満点でした。
そんな訳で、本作の評価は★4とします。
でっ?!
わかる、わかるぅー
って、なるかいっ!
河合実優さん、寛一郎さん、
金子大地さんたちが良かったなー。
トイレ一緒にするとか、
背骨数えるとか、
二人が溶け合うというセリフとか
ルームランナーのとことか、
監督のドヤ顔が浮かぶシーンが苦手です。
それが、まったく自然に感じなくて、
使いたかっただけにしか感じなくて、
あー、そういうのが好みの監督かぁ…って冷めちゃいました。
若さゆえの何か、を見せたいのかも知れませんが、
自分が若いときに観たとしても、
共感しないかな、こういう人たちには。
面倒くさって、30回ぐらい心の中でつぶやいてた 笑
また、タイトルの「ナミビアの砂漠」って、
カナが観てた動画ってことだけ???
とりあえず、この監督の作品は初めてだったので、
もう一本ぐらいは観てみようかとは思っております。
山中監督、チェックインです。
私は今回も事前にトレーラーすら観ることなく劇場へ。少々気にしていたのは山中瑶子監督の過去作品を全く観られていなかったことですが、カンヌでの評価に期待して参戦です。平日午前中の回ですが会員サービスデイということもあり、TOHOシネマズ日本橋のスクリーン4はほどほどの客入りです。
始まり、遠目のカメラが徐々に寄っていき、ようやく主人公らしき女性を捉える。そして、徐にバックから日焼け止めクリーム取り出すカナ(河合)、それを塗りながら危なっかしく階段を下りていく一連の流れ。やはり一癖ありそうです。からの、サクッと切り替わって次のシーン、友人イチカ(新谷ゆづみ)の待つ喫茶店へ。思いのほか周辺のお客たちの声も大きめでイチカの声と重なって聞きづらい、と思っていたらそれもまたギミック。その後もカナの捉えどころのないキャラクター性や謎めいた人間関係がようやく見え始め、なるほどそういう感じかと思って観ていると、そのタイミングで?といきなりタイトルがドーン。ああ、ここまでアバンタイトルだったのね。と言うことで、こう書くと「奇をてらっている」と印象を与えてしまうかもしれませんが、物語が進んでカナを知っていくちゃんとそれらの演出に「意図」が感じられ、しっかり山中監督の強い作家性といろいろ出来る手練れ感、侮れません。
とは言え、作品として万人ウケする内容か?と問われれば、それは否かなというのが正直な印象です。「河合優実主演」、「カンヌ受賞作品」という話題性に釣られると面喰う方もいらっしゃると思いますし、特に、中盤以降の展開については観る人によっては「影響を受ける」可能性があるためちょっと注意が必要かもしれません。
で、私個人としては嫌いじゃありません。「カナペース」で始まった序盤から、不意に見つける「あるもの」をきっかけに徐々に狂いだすペース。そこから少しずつ見え始める「カナの本質」にヤバ味を感じ、いよいよ歯車が狂えば最早ホラー。また、そんな緊張感とは裏腹にちょいちょい感じる言動の可笑しみ、特に不意にでるワンフレーズの言葉選びが若者っぽくて面白いと思います。
また、キャスティングがメインからサブまで絶妙。中でも印象的なのはカナの隣人遠山ひかり役の唐田えりかさんですね。終盤にかけて不安定さを増していくカナに対するひかりは、唐田さん本人の過去を知るからこそ、ついつい彼女の台詞に説得力を感じさせますし、また佇まいからして堂に入っています。素敵でした。
と言うことで、今回自分が山中監督をよく知らなかったことから、周辺にまで視野を広げて気づいたのが、キャスティング、制作と配給など、プロデューサー小西啓介さん等とハピネットファントム・スタジオの意気込みが感じられた一作だと言うこと。尖っていてとてもチャレンジングを感じました。堪能です。
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