ナミビアの砂漠のレビュー・感想・評価
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なんでもいいってわけじゃない
予告編で特に興味が沸いたわけでもなく、ただ河合優実さん主演というだけで、あまり期待はしてなかった。
金子大地さんとは『サマーフィルムにのって』以来の共演なのかなぁ?すごく感慨深いものがありつつも、カナ嫌い。
自分は現在進行形で浮気しときながら相手は許さんとか、身勝手で暴力的なところとか苦手、途中からしんどくなった。
河合さんだから観れたけど、違う人なら無理だった。別の人主演ならそもそも観てもないと思うのだけど。
『あんのこと』が強すぎたから、余計に落差が激しい。
ベランダに行くたびに、また落ちやしないかハラハラ。
期待度◎鑑賞後の満足度◎ 面白い。も一回観たいくらい。現代の若者像を描いた映画ながら、人間て実はお互い“听不懂(言ってること分かんない)”の中で生活している事をそれとなく指摘してるんだよね。
※2024.09.15. 2回目の鑑賞。《TOHOシネマズ橿原》
①若い頃(1980年代に20代台)は「新人類」世代と呼ばれた私たち世代も、今の若い子たちからしたら立派な旧人類なんだろうな。
“男社会”どっぷりで育ち過ごしてきた身としては、本作に登場する男(の子?)達の軟弱ぶりに呆れてしまうが、それよりも(職場や恋人の親の前ではそれなりに常識的に振る舞いながら)同棲相手には対等以上に物を言い振る舞うカナの姿にいつの間にか惹き付けられてゆく。
②冒頭、今の子らしく片時もスマホを放さないカナだが、呼び出された女友達に打ち明け話を聞かされている間、目を丸くして聞いてる振りをしながら実は全く聞いていない(興味がない)河合優美の表情が先ず面白い。
③子供の頃や少年の頃は、自分が大きくなったら(大人になったら)少しは良い世の中になるだろうな、と全く根拠のない期待を持っていたけれど、50年くらいでは人間変わりませんな(まあ、自分も世の中良くするようなことしてこなかったので偉そうなこと言えませんが)。
ただ男女関係は確かに変わってきたように思う。
男はどうしても優位に立つために男の武器を使い勝ち(乱暴な振る舞いとか、力による乱暴とか、大声やドスの訊いた声で相手が話すことを遮るとか)。
本作の男達も例に漏れず同じような振る舞いをするけれど直ぐに謝る。
それは良いことだと思うけれども(自分が悪いのに謝れない人間はダメね)、直ぐ謝るくらいならしない方がよいのに、と思いつつ、「男社会」というのは実は本性は臆病で軟弱な“男”という生物が自分達を守るために作り上げたものなんじゃないかとも思ってしまう。
④
さて、ちょっと飛んで、題名の『ナミビアの砂漠』について。意味の取りにくい題名。
勿論、話の中身は砂漠の話ではないから、何かを暗喩していることは間違いない。
単純に「ナミビアの砂漠」というと「ナミブ砂漠」のこと指すけれども、「ナミブ」というは現地語で“何もない”という意味らしい。
現代という時代には「確かなものは」何もない、ということだろうか。
若者たちは、ポジティブな希望を見出せずに、《働かなくなる》世界的現状を映し出した映画
非常に言いたいことが、分かりにくい映画でしたが、
若者は敏感だから、成人した大人たちより、
もっと切実に不安を感じて希望を失っている。
コロナ(パンデミック)
ウクライナ戦争、
環境問題(地球温暖化)
日本なら《地震=南海トラフに、スコールのような大雨)
カナは大声で叫ぶ。
「日本なんか、少子化と貧困で、絶滅するんだよ!!」
世界的に若者は働かなくなっているそうだ。
事実2人目の同棲相手のハヤシ(金子大地)も仕事を辞めてるし、
カナ(河合優実)も、美容脱毛エステサロンを首になる。
美容脱毛なんて、一生続けたって脱毛は終わらない・・・そう
客に本当の事を言ったせいだ。
決して楽しい映画では無い。
カナは恋人と暮らしていたって、心は満たされていない。
今の時代、自分以外を愛する事は可能だろうか?
自分さえ愛せない若者も多い。
そんな自分に子供が育てられる訳がない。
自分に絶望してるのかもしれない。
ハヤシがパソコンの手を止めず、
「お腹が空いた!!」というカナに、
「映画でも観てて!!」とハヤシが言う。
「えーっ、映画なんか観ても意味ないし・・」
これが山中監督の本音だとしたら、
本音というか「映画なんかで空腹は満たされない」
これは現実で真理だから、
笑ってしまった。
満たされず苛立ちを募らせたカナは攻撃的になり、
ハヤシの言葉尻を捉えて難癖をつけ、暴力を振るった。
(女性からのDV・・多いらしい)
山中瑤子監督の脚本は、刺激的で性的な会話が多い。
ホンダ(筧一郎)が札幌に出張。
「ススキノの風俗に誘われたら行く?」
カナがカマをかける。
「絶対に行かない」と誓ったのに、
「ごめんなさい、上司の誘いを断れなくて風俗に行きました」
「気持ち悪くて出来なかった。勃たなかった」
「気持ち悪いって失礼でしょ!!」
確かに、カナはすぐ切れる。
ホンダ(筧一郎)が、なぜに泣いてカナに謝るほど低姿勢なのか?
家事全般を受け持ち、飲んで帰り吐いたら甲斐甲斐しく世話を焼き、
労いの言葉をかける。
(これが今の若者?)
河合優実はとても頑張って良い演技を見せていた。
美しく魅力的だった。
しかし河合が演じた《カナ》という人物に、共感するのは困難だった。
人物の背景が判然としない。
カナの母親は中国から日本の大学に留学して、そこで日本人と結婚して、
カナを産み、今は親族一同と賑やかに中国で暮らしているらしい。
ビデオトークが中国からカナに掛かってくる。
すごく楽しそうに画面の向こうは盛り上がっている。
「ママを出して‼️」と頼んでも、カナはニーハオとあと一つくらいしか
中国語が話せない。
これもカナのイライラの原因ではないのか?
愛に飢えている。
ハヤシにも、ホンダにも満たされない渇望。
カナが動画サイトで見ている「ナミビアの砂漠の水飲み場」
カナは乾いているの?
カナは早く言えば、両親に捨てられた娘なのかな?
ラストのナミビアの水飲み場で水を飲む動物たち方が
幸せそうに見えるんだろう、カナには。
しかしカナは分岐点に立っている。
そうやって無自覚に若さを消費してたら、ヤバいよ。
(いつまでも若くも美しくも、居られない・・・)
ティンプトン
河合優実の女の引き出しを開けてみた
今、1番輝いている女優、河合優実の数ある引き出しの中から、女の引き出しを開けた感じの映画。
大人の引き出しともちょっと違う。主人公は大人の女ではない。大人になりきれていない女という生き物だ。
まずはこの女は料理はしない。彼氏が作るハンバーグをこねるのを手伝うのは小学生の子どもレベルのお手伝いだ。
女が料理するって誰が決めた?
堕胎も妊娠も女だけが背負うの?
監督はそういう価値観を伝えたいくて料理しない女にしたのだろう。
必ずしも女が作る必要は無いというのは正しいけど、お腹すいたと繰り返し言うなら、性別関係なく、自分で何か作るのが大人だ。
女の部分は露骨で、浮気相手とのチェリーの種交換キス、一緒に便座に座っておしっこするイチャイチャ、荷物届くから何か着なよと言われた後の猫のように背中を伸ばす半裸シーン。
Tシャツ1枚着せてわざわざ太ももの隙間を狙うアングルで何度も撮る。
女が撮った生々しい女。
河合優実の女の部分が堪能したい方にはおすすめなシーンの数々。
貧困と少子化が進んで、希望も何も無い。 これからは生存だけが目標になると言う殺伐とした心を抱えて、ナミビアの砂漠の動画ばっかり見つめてる。
堕胎のサインは誰がしたのだろう。元彼今彼どちらにも告げず...
女は快楽の先に、必ず妊娠のリスクがある。
まるで男への復讐なの?
彼氏に変なイルカのタトゥーを入れさせて、痛みに耐える彼氏の手を握って立ち会い出産みたい。
男も女の痛みを知れ!というドSぶりだ。
自分も鼻ピーを入れるので、痛み分けか?
とにかくこの作品に出てくる男たちはお金稼いで料理して、水も飲ませて、殴られて...虐げられているように見えて仕方ない。
それでも逃げていくどころか男から追われる立場でいるのは河合優実が演じている女の魅力がそうさせるのだろう。
元彼も今彼も優しすぎるよ。
更には、妙に理解のある今彼の両親、手土産なしのガーデンパーティ訪問も鼻ピーもものともせず背の高さや美しさを褒められて...
今彼のママとはタバコ一緒に吸ってたもんな。度胸あるわ。
今彼の元カノのかなこちゃんが遅れてやってきたり。かなこちゃんが堕胎後だったりする匂わせ。その反面、妊婦がそのパーティーにいたり、内面を隠した表面的な会話の数々に逆に内部に潜む女のドロドロした部分を感じてしまった。
乖離したもう1人の暴力的な自分の、彼氏を殴る動画ををランニングマシーンから俯瞰して眺めてる姿にゾクッとした。
今彼は殴られながら寄り添うだけで大変だ。なかなか心の問題は解決しないが生きていくしかない。
唐田えりか演ずる隣人の女の子は救いの女神なの?
キャンプだホイを歌いながら夜は更ける。
なんだかんだ言って中国の家族からテレビ電話も来るし、赤の他人の隣人含め元彼、今彼みんなに愛されてる。
病むことなんてない。
愛されてることに気がつけ!
そしてもっと周りを愛していけ!
世の中はナミビアの砂漠だと思い込んでるんだ。砂漠ばかり見つめてないで、水がそこにあることをありがたいと思えるようになったらなにか変わるかもな。
水を飲ませてくれる彼氏をもっと愛せよ。
最後はそんなことを考えながら水を飲む動物を見ていた。
優実さんファンなので…
*
ゆーみさんファンなので
公開日の初日に観に行きました!
一言でいうと、僕にはハマらなかった…
カナと同じ世代だったら
もう少しわかったのかな…
「うえっ、紙ストローだ…」
「甘いのとしょっぱいのうれし〜」
これには共感できましたけどね…笑
二人の彼氏がいて、
別れたいと思ってるほうの彼の不祥事を
「よっしゃー!チャンスー!」と
別れる口実としてすぐすぐ活用して
乗り換えるところは超好き
カナの自由奔放さを表現するために
ゆーみさんがゆるくアツく
体を張っている演技も好き
(え?あ?そこまで見せてもらっていいの?)
色々あって生きづらい世の中なのは
今も昔も多分変わってないと思うけど、
その生きづらさをつくってるのって
結局自分たちなんだよなあって思う
ナミビアの砂漠Tシャツ
これからも大事に着用させていただきます!
寝た。
河合優実は好きなんだが
彼女のナミビアの砂漠。
「あんのことと2作凄い」
見始めたら最後、河合優実から目が離せなくなる。
冒頭の友達との会話が不謹慎ながら個人的にはうなずける内容で、「この映画絶対面白い!」と思った。
その後はずっと河合優実の身体とその動き、着てる服から目が離せなくなってしまった。
いろいろ心に残るシーン、セリフがあるけど、車椅子で都庁に行き、声が出ないのに頑張って喋ろうとして、金子大地と同じように耳をそばだてたらあの内容て!
河合優実はもちろん金子大地も良いけど、二人は素のチャーミングさが全面に出ている気がする。
一方、寛一郎は素でやってるようには見えない。完全に役に入った上で細かい段取りをこなしながら気持ちの乗ったセリフをしゃべっていた。
あれは相当な技術だと思う。
最後の「ティンプトン 」はカナ自身が「わからない」のかと思ってたら「わからない」という単語だったとは。
人によっては冗長に見える場面もありそうだけど、徹頭徹尾計算されてる映画だと思います。
あの素敵なキャンプ場に行ってみたい。
わかったような、わからなかったような……
最後まで集中力を切らさずに拝見しました。
起承転結のハッキリした作品ではなく、中途半端な描写も多いですが、全体として伝えたいことは理解できます。
その一方で同時に「いや、もっと他に表現したいことがあるのかも?」という感情も拭いきれない作品です。まあ、終盤は「まだ別れてないんだ、この二人」に終始しますがw
ただ、ピンクのトレッドミルだけは完全に理解不能で、笑うしかないです……。
作品を支えてるのは間違いなく主演の河合優実さんの演技力であり、そこは本当に見応えがあります。ある種の得体の知れなさとそれでいて抱える苦悩ややるせなさがキチンと伝わってくるため、わかりにくい作品に見るものを飽きさせない緊張感を与えています。
あと、唐田エリカさんはお久しぶりですが、やはり存在感はすごいものがありますね。
監督が見つめる優実さん
今のリアルなのかも
世間的には大人の年齢だけど、
社会人的には初心者
そんな年頃の大人の仮面が板につかない感じが面白い
ただぼーっとスマホで見てるナミビアの砂漠と
カップルのケンカしてみたり
キスしてみたり
クラブに出入りしてみ
お酒飲み過ぎてみたり
社交辞令につき合ってみたり…
クセの強めキャラを演じる俳優のお陰で飽きずに
最後まで集中して観れる作品
ホンダとハヤシはタイプは違うけど
やたら優しすぎるのが今っぽい。
カナのメンヘラ感は時代じゃなくて、そんなお年頃ですよね?
それこそ、10年後には価値観変わってるだろうし
100年後には誰もいないけど笑
河合優実はちょっと鬱屈してる感が素晴らしく上手
その年頃のそんな子いるいるーって思わせるのか凄い。
中島歩の精神科医と
唐田えりかの隣人ははまり役だと思う。
砂漠に水を撒く。
日本は、少子化と貧困で終わっていくのです。今後の目標は生存です。
停滞してるなあ今の日本。なんだか暗めの展開は予測していたけど、この映画の中に流れるだらだらとした時間が、まさに今の日本の世相のようだ。ああ、女性を大事にしてくれる男を捨てて、チャラチャラしたクズに引っかかったよ、って思ったら全然そうでもない。むしろ、クズと思い込んでたハヤシの方がよっぽど常識と見識がある。そしてカナのことをどんどん嫌いになっていく。僕が嫌いになっていくのに、カナを面倒をみるハヤシがどんどんいい男に見えてくる。で、それがどうした?
河合優実、好きだし上手いけど、使われ過ぎじゃない?これとか「あんのこと」とかこんな役、短期間で本気で役に没頭すると壊れちゃうんじゃない?
って、ナミビアの砂漠、ってどうゆうことだったのだろう。社会は、ナミビアの砂漠のように乾いているということ?なんの感情も揺れずに終わってしまった。
お前は私かと言いたくなった。20代の頃の自分の姿が重なった。当時客...
お前は私かと言いたくなった。20代の頃の自分の姿が重なった。当時客引きの規制が緩くホストの初回なんて交渉次第で500円で行けたのでただただ酒を安く飲むがために友人と夜の街へ繰り出していた。心を病んで暴れたこともある。だが私は今普通に仕事をしなんだかんだ結婚しそれなりに幸せな人生を歩んでいると思う。なんになるのかはわからないけど映画だって見に行けるし。
カナは強かだなぁと思ったし私も強かなんだろうなと思った。というか女性は強かなのだ。
追われる側っぽいと言われたカナはまさにその通りでかつ周りを巻き込んでいく。それはある種の生物として惹きつけられる強さだ。でなければあれだけ好き勝手やっている女と誰が一緒に居られるだろうか。
それはカナの恋人2人がどこか恋に夢見がちな所があるからかもしれない。行動とか言動の端々からそう感じられた。というかこういう男いるよなとなった。
序盤カナに昔の自分を重ねていたが最終的に共感したのは唐田えりか演じる隣人だった。多分あの頃の私に何か言うとしたら同じような言葉をかけるだろう。カナとはまた違う種類だがこの女性も強かである。
カナは何に飢えていたのか、ただ変わらない日常が虚しかったのか正直わからなかった。もう少しやりようがあったのではないかと思いこの点数。だが河合優実のそこにいる感を越えたもはや生っぽい演技は流石としか言いようがない。
カナはなんだかんだ生きていくんだろうなと思う。ナミビアの砂漠でわずかな水を求める野生動物のように。強かに。
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