「人って単純じゃないよね」ナミビアの砂漠 ねはんさんの映画レビュー(感想・評価)
人って単純じゃないよね
人って単純じゃないよね,人一人でも複雑なのに二人,三人…,と関わる人が増えていったらそれはそれは大変なことになりますよ.Complicatedですよ.っていうことを河合優実演じるカナを通して客観的に見ることができました.
人っていろんな顔を持っていると思うんですけど,カナって特にいろんな顔を持っていて,しかもそれがオセロみたいに正反対だったりします.ホンダの前ではワガママで自由奔放,ハヤシの前ではかわいいくて理解ある彼女,職場では無愛想・淡白,映画後半ではバイオレンスで躁鬱な一面も見られました.文章で書くと,この性質全部備わっているカナってやばくない?って思うかもしれませんが,全然そんなことなかったです.人によるとは思うのですが,私はカナのこの性質が好きです.普段は真面目に過ごしているけど,知らない場所で自由奔放に歩き回ったり,バイトでは無愛想だけど,就活では愛想良く振る舞うとか,いろんな顔をひょこひょこ取り出しては仕舞って,自分を生きやすくしたり生きづらくしていることに心当たりがあるな〜って人もそこそこいる気がします.私も心の中にカナがいます.
登場人物の性格と関係性も面白いなって思いました.性格は,カナは体たらく,その場しのぎ,調子良い,頑固,ホンダは面倒見良い,家事する,几帳面,弱気,ハヤシはボンボン,チャラい,高学歴,亭主関白という感じがしました.そしてカナとハヤシはそこそこ対等で,カナとホンダはカナの方が上みたいな力関係に見えました.だからカナと付き合えるのか〜と,カナに惹かれる男性二人の気持ちもなんとなく理解できるのもまた面白いですね.