シビル・ウォー アメリカ最後の日のレビュー・感想・評価
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地獄に生まれた赤ん坊
キルスティンのカッコ良さが、この問題の深刻さを冷静に物語っていた。性別を超えて、〝ひとりの大人の人間〟を素晴らしい表情で演じきっていた。
甘ったれたところがないベテラン戦場カメラマンの彼女が、サミーの死に顔だけは削除した。冷静なプロも、仲間の死をニュース写真として大衆に消費されることを拒んだのだろう。
一方、地獄に生まれ落ちた赤ん坊みたいなジェシー。ジェシーは自分を庇って死んだリーを躊躇なくカメラに収める。
それでいい。
いずれ大人は死ぬ。若者がどんな大人になってどんな世界を作るのかはわからないけど、どんなときも自分で選択する覚悟と、骨太のジャーナリズム精神だけは受け継いでほしい。よろしく頼みます。
「終わらない週末」の少女に対する、大人からの悲願のように感じた。
もしもの話 さすがA24お金かかってる 86点
内容は内容なので面白くは無いとは失礼だが、恐ろしくかつ凄い映画だった。
特に赤メガネおじさん怖すぎやろ。イキリきってたおっさん撃たれて、めちゃめちゃざまあみろ!と思った自分が性格悪いなぁと思ったよ…
最後はブラックジョークで終わるのはさすがだなと。アメリカ映画。最後ニコニコ写真撮るなよ(笑)
主人公が女の子(新人記者)をかばうシーンは辛く、思わず涙が…あの時新人記者の女の子はどう思ったのか。「ラッキー!シャッターチャンス」と思ったのか…
自分の性格歪んでるな(笑)
Hello again, MJ.
めちゃくちゃリアルな映像に驚いた。
アメリカで実際に起きていることが近未来として描かれている。
この勃発的なことがいまアメリカで起きていることだ。
さて、
これを物語で思考することは若干作品の質を曲げてしまうように思う。
これをリアルなこととして思考しなければ、今のアメリカは見えない。
その意味でこの作品を表現するのは非常に難しい。
リアル世界の表現
いま韓国で起きていることは、選挙管理局に対するユン大統領の不信感によるものだと考えられている。
つまり韓国では、アメリカでも、当然日本でも、選挙が盗まれている事実がある。
日本でのそれは、期日前投票で、身分確認のないままで行われることと、そのボックスが入れ替えられていること。
これを摘発する市民団体と選挙管理委員会の小競り合いは実際にあり、何かに動かされている警察 報道しないマスコミ いまの日本がこの現状だ。
韓国の戒厳令がどこまで報道されるのか不明だが、戒厳令によってこの現状が明らかになった。
このリアル視点で考えると、
この映画の光景は明日のアメリカに間違いないが、トランプ政権となったことで大きく舵が切られた。
しかし、依然としてこの状況は続くだろう。
描かれている自警団
物資の供給が止まり、ドルも暴落していることが描かれている。
家族のために窃盗した男 同級生でも吊り下げて射殺するのは、まさに彼らアメリカ人の世界観を表現している。
軍兵は、気づいたらいったい誰と戦っているのかわからなくなっている。
通りかかった人を射殺する。
それを始末して、見られたらまた殺害する。
それらが小さな自警団のようになっている。
戦争とは敵がもっとわかりやすいが、内戦が広がればいったい誰と戦っているのかがわからなくなるのだろう。
まるでゲームのように現れた人を射殺し続けるしかなくなる。
この物語のプレスは、「報道は報道の力を失った」設定になっている。
しかしその根拠は不明瞭にされている。
これが不明瞭なことに加え、主人公である彼らプレスが追いかけている真実が、誰のためにしているのかわからない。
ここがこの作品の唯一の欠点だったが、プレス以外に視点はないだろう。
主人公だと思われたMJ(リー)は、確かに昔賞を取った有名カメラマンかもしれないが、彼女の中にあるのは平和への思いであり、日常を取り戻したいと思っているのがわかる。
リーは我々一般人に近い。
だからリーは若いジェシーを心配する。
ジェシーはガススタンドでショックを受けるが、それ以降急速に目覚めたようにシャッターを切る。
ファインダー越しに見る風景に恐ろしさは感じないのだろう。
彼女のセリフにも「この2日間、恐ろしいことなどなかった。ただ命の躍動があった」などとほざいていたが、彼女は躍動する命が何であるか、完全に勘違いしている。
特に、エンドロール後の記念写真は、この現実世界にいない我々には到底理解できない光景だ。
彼らには市民に対する圧政の根源だった大統領を殺害したという大いなる達成感があるのだろう。
これこそが、今のアメリカ人の思いなのは間違いなく、多少の知識のある人々にとってのこの作品は、逆にリアル過ぎるように感じてしまう。
ジェシーの嘔吐くらいそれを感じる。
さて、
この作品に感じるリアルさと、フィクションであるが故の物語
リーが最前線で怖気づいたのは、自分の死を感じたからだろうか?
ジェシーを庇って死んだリー
彼女の中にあった「守りたいもの」 それは「平和」だったように思う。
軍兵に捉えられたジェシーらを決死の覚悟で助けに行くところでも、リーの持つアメリカ人の良い側面が表現されている。
ジェシーは彼女が撃たれた瞬間を撮ってしまったが、彼女の死体を撮影しなかったのは、二人の会話に登場した「私の撃たれる写真を撮るの?」というジェシーの質問に呼応する。
その時の意味と、現実の意味の違い それは、プレスの死体など意味がないからだろう。
あの瞬間ジェシーは、戦場カメラマンとしてリーを超えたのはもちろん、戦場の写真を撮る意味が分かったのだろう。
撮る意味があるものと意味がないものがある。
ジェシーとは、世代交代、つまりアメリカ社会の新陳代謝を意味しているのかもしれない。
だからジェシーはリーを顧みないのだろう。
それよりも、ようやく倒したアメリカ大統領の前で記念写真を撮る。
それは、この時代の新しい価値観なのか?
現在私たちは実際のこの新しい価値観の最前線にいるのかもしれない。
歴史の変換点
市民の思い
バイデン政権に対する憤りがこの作品を作ったのだろう。
戦場カメラマンの視点はあまりにもリアル過ぎ、気持ち悪さすら覚えた。
でもMJはこの役の方がよかった。
物語に、アメリカ人の強い願望が乗せられている。
それが起きた場合の想定こそ、この作品なのだろう。
ヤバいなこれは、ヤバすぎる。
米国の近未来内戦とそれを取材する新旧のジャーナリストを描き、とても興味深まった。
アレックス・ガーランド 脚本監督による2024年製作(109分/PG12)によるアメリカ映画。原題または英題:Civil War、配給:ハピネットファントム・スタジオ。劇場公開日:2024年10月4日。
米国大統領が何の敬意や躊躇いも受けずにブチ殺されたことには、物語とは言えかなりショックを感じさせられた。ただ、任期を超えて居座りFBIも解散させた独裁者ということだから、この結末も当然ということかもしれないが、裁判も無し?とは思った。
主人公がベテランと新人の女性ジャーナリスト二人(キルステン・ダンストとケイリー・スピーニー)というのは、上手い設定だと思った。ラストの役割交代劇も、予想通りとは言え、強く印象に残った。
あとやはり、香港生まれと聞いて問答無用に撃ち殺す人種差別者の赤いサングラスの男(ジェシー・プレモンス)は、イメージとしてのトランプ支持者を象徴している様で、強烈なインパクトを受けた。
東海岸のエスタブリシュメントへの反感は大と聞くので、カリフォルニアとテキサスが連合して、ワシントンに進軍してホワイトハウスを攻撃するというストーリーは、多少リアリティも有り、面白いと思った。ただ、一番の主題は内戦というよりも、戦争下のジャーナリズムにあった様に思えた。自分を庇って撃たれてしまうキルステン・ダンスの姿を、感情に支配されずスクープ映像として冷徹に撮りまくるケイリー・スピーニーの憑かれた様な姿こそが、メインテーマであると。
監督アレックス・ガーランド、製作アンドリュー・マクドナルド、 アロン・ライヒ 、グレゴリー・グッドマン、製作総指揮ティモ・アルジランダー 、エリーサ・アルバレス、脚本アレックス・ガーランド、撮影ロブ・ハーディ、美術キャティ・マクシー、衣装メーガン・カスパーリク、編集ジェイク・ロバーツ、音楽ベン・サリスベリー、 ジェフ・バーロウ。
キャスティング
フランシーヌ・メイズラー、リー・スミスキルステン・ダンスト、ジョエルワグネル・モウラ、ジェシー・カレンケイリー・スピーニー、サミースティーブン・マッキンリー・ヘンダーソン、アニャソノヤ・ミズノ、大統領ニック・オファーマン、ジェシー・プレモンス、ネルソン・リー、エバン・ライ。
アメリカとは
独裁化したアメリカ国家とテキサス・カリフォルニア州のWF軍の内戦を描いた近未来作品。
冒頭からトランプ感満載の独裁大統領が出てきて、監督の意図がバシバシ伝わってきます...笑
アメリカとは、ジャーナリズムとは...と色んなことを考えさせられる作品でした。
また、緊迫感のある戦闘から自然の美しさ、カメラフィルターによる切り取りなど、色んなカットが盛り込まれていて映像としても素晴らしかったです。
特に素晴らしかったのは終盤の森が燃える戦場のシーン。(若干火垂るの墓味があって、戦場を美しいと感じてしまうことへの罪悪感も相まって、心が震えます。。。)
主人公のリーが「これまで色んな戦地から戦争はだめと警告してきたつもりなのに祖国でこんなことになって、ジャーナリズムって何だったの」と嘆くシーンがありますが、服屋の店員やリーの親達が「見ないフリ」をしているように、世界中がそういった悲惨なことから目を背け続けた結果、色んな争いは今も起こり続けているのかなと思いました。
また終盤、武装した男達が「お前はどんなアメリカ人?」と問い、出身地だけで生かすか殺すかのジャッジをするシーンがありますが、まさに差別主義を濃縮したようなゾッとするシーンでした。
あの男にとってのアメリカとは何だったのだろうと考えては、人種の坩堝であることがアメリカのアイデンティティではないの...?そもそも「アメリカ人」にとってのアメリカとは...?と日本人の私には想像が難しく見終わった後もぐるぐると考えてしまいました。
作品の全体感として、フィルター越しに淡々と切り取っていく雰囲気があり、
グロいシーンが多い割に拝観後は意外としんどくならないところも良かったです。
腑に落ちない映画
ジャーナリストを主軸に大統領のいるホワイトハウスまで最後のコメントを取ろうと、やっとの思いで辿り着く映画。
が、ラスボス大統領を射殺して最後は終わるのだが、
状況説明は一切無し。
何で内戦になったのか?発端は?
どのくらい経過?大統領が悪いのか?
ナレーションも何にも説明は劇中にない。
女の子を庇おうとして、撃たれて死亡。
死ぬ必要性がない。要らないでしょ。
後味が良くない。
何が正しいか、ではなく
現実問題を風刺で描くことには大成功
でも、それを作ったアナタはどう思ってるの?と聞きたくなる映画だった。風刺のような世界観をドライな目線で切り取る主人公達。彼女達にも葛藤はあるが、それすらもドライな距離感で描くため、心に迫ることが無いままラストを迎えてしまった。A24に一般的なエンタメを求めるわけではないが何か欲しかった。モヤモヤが残る。それが作り手の狙いですと言われたら、そっすかと返すしかないんだけど。正直、ダンストがラストで取る行動はそうすると分かっていたし、それを受けた新人がああすることも分かってた。だからなんか物足りねえって思っちゃった。あまりにも前半が良過ぎたから。ケレン味のある入り口の割には出口はフツーなんだって感じ。全部、欲を言えばってことなんですけどね。
ラストが惜しい
第二幕までは文句なく面白かった。ただ、ラストでビビってた主人公が急に元気になる理由がわからなかった。突然「戦場ジャンキー」の血が騒いだってこと? いくらなんでもそれは唐突すぎる。
もっと前段階でビビってて、なにかきっかけがあって立ち直るとしてくれないと。そこが減点材料。
話の構成としてもピークが第二幕終盤の「あいつ」の「あのセリフ」なのもどうだったか。ていうかあのシーンしか覚えてないでしょ、みなさん。5年後もあの名台詞は語り継がれると思う。
それだけインパクトのあるシーン、セリフが第二幕にきてしまって、その後激しい戦闘シーンがあったとしても「事後処理」に感じてしまったのは私だけだろうか。
監督は「ジャーナリズムの価値」をテーマとして挙げていたが、もしほんとにそれを描こうとしてるんであれば計算は狂ってる。見終わって一番心に残るのは「戦場ジャンキーになる記者たち」だ。主人公の相棒も、弟子も撃たれた主人公を一顧だにせず進んでいく。
あ、テーマがずれてるのは別に映画の評価とは関係はないが。
おもしろかった! そして、つまらなかった!
面白かったのは何よりも第2次南北戦争というコンセプトだ。
現代のアメリカで内戦が発生して、アメリカがパレスチナのようになる。
先進国が戦場になる。
治安はなくなり、憎しみが吹き出し、凄惨な私刑が横行する。
実に惨たらしく、恐ろしく、心に迫る映像だ。
このシチュエーションを成立させるために、監督が採用したアイデアとは何か?
理由を説明しないこと!
なぜカリフォルニアとフロリダが合衆国に反旗を翻したのか?
全く説明されない。
内戦状態から話が始まり、物語が終わるまで、全体状況についての説明が一切ない。カメラで写していない地域のことが全くわからない。なんなら反旗を翻したカリフォルニアとフロリダの現状もわからない。アメリカが内戦状態に陥ったことで、諸外国がどんな反応を示しているかとか、世界経済がどうなっているかとか、全然さっぱりわからない。
正しい。
現代のアメリカが内戦に突入する可能性はゼロだ。
納得できる理由を作ろうとするとすればするほど、アメリカが内戦に陥るような世界を作り出そうとすればするほど、その新設定のせいで、映画の中の現実が、我々の生きている現実とは違うものになってしまう。
じゃあ、なにも説明しない。
アメリカが内戦状態に陥り、至るところで戦闘が始まり、多くの人間が殺されていく。
その映像を怒涛のように流すことで、否応なしに映画の現実を受け入れさせる。受け入れるしかない。
映画だからできるマジックである。
内戦は、分断されたアメリカの比喩だ。
19世紀の南北戦争と違うのは、別々の勢力が合衆国に戦いを挑んでいるところだ。戦っている人間ですら、自分が銃口を向けている敵が何者なのかわからない。撃たれるから撃ち返している。殺されそうだから殺している。どさくさ紛れに殺したいやつを殺している。
現実の反映があるから、映画の中に溢れる人間の悪意や狂気が心に迫ってくる。あの赤メガネだけではない。無関心な街にもだ。この部分だけで、この映画は十分に傑作になっている。
では、つまらなかったところはどこか?
説明が足りていないところだ。
面白かった理由と表裏一体なのだが、この作品、説明すべきことも省略している。A24らしさと言ってしまえばそうなのだが……。
いちばん象徴的なシーンが、主人公リーの死だ。
リーはなぜあそこで、ケイリーをかばったのか?
人間性の発露? 先輩としての責任感? 彼女を止められなかった後悔?
解釈が絞り込めないので、映画のクライマックスである一番キメのシーンを、ありがちで平凡なムーブで決められてしまったガッカリ感で見送ることになってしまう。
あのシーンのアイデアは実に素晴らしい!
戦場ジャーナリストは、仲間の死すら、写真におさめなければならない。
素晴らしいカットが目の前にある!
人の心など捨てて、シャッターを切り続けろ!
その絵の迫力に、ストーリーが負けている。
前ふりを積んでいけば、むちゃくちゃエモーショナルなシーンにできるのに、必要なお膳立てが足りないので、心が滑っていく。
なんでもいいんですよ。
リーはこの仕事を最後に故郷に戻って農場を継ぐつもりだったとか、ケイリーに対して、戦場に高揚を覚える戦場カメラマンは失格だ、と教え諭すけれどケイリーにはなかなか理解してもらえないでいたとか、もっと単純にケイリーは亡くした妹に似ているとか、なんでも。
そういう前振りの後で、リーが飛び出し、ケイリーをかばって死ぬ。
すると情感がこもる。
あそこでリーが飛び出す理由。
ケイリーをかばったことで失われたものの価値。
自分のせいでリーが死んだことに、ケイリーは何を思うのか?
その辺がさっぱりわからない。
想像で補おうにも、手掛かりが少なすぎる。
もったいない……、本当にもったいない……。
とはいえ、この作品は現代アメリカがパレスチナになるというアイデアが本当に素晴らしく、隣人だったはずの人間が隣人を殺しだすおぞましさを体感するのに大画面と大音響はぴったりでした。特に音!
もしかしたら起こり得る現実の1つ
結構深く考えれる映画
伝えたいその先
アメリカにはすみたくねー
馬鹿には難しい映画でした。
馬鹿には難しい映画で、モヤモヤが残りました。
以下、疑問が残った部分です。
・登場人物の行動への疑問①
「冬のワンダーランド」に向かう道で怪しさに気づいた時、サミーは引き返せって言ってた気がするけど進んだのはなぜ?戦闘が起きている場所ならいい写真が撮れるかもしれないから?
・登場人物の行動への疑問②
トニーの車にジェシーが乗り移ったあと。ハイになって爆走してたら武装勢力に運悪く遭遇しちゃったって事?
というかトニーのイカれたテンションが気持ち悪すぎてあの後から集中出来なかった。「最高にイケてる」じゃないんよ。アメリカ人こわい。
・登場人物の行動への疑問③
ホワイトハウスから出てきた専用車に大統領が乗ってないことにリーだけが気づくシーン。他の戦闘員たちは馬鹿なの?誰でも気づく手口じゃない?
・登場人物の行動への疑問④
大統領にインタビューした男性、あの人録音してたっけ。自分と周りの戦闘員だけ聞いてても意味無いのでは…
タイトルなし
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