「カメラでシュートするマカロニ・ウェスタン」シビル・ウォー アメリカ最後の日 島田庵さんの映画レビュー(感想・評価)
カメラでシュートするマカロニ・ウェスタン
アメリカでCivil Warといえば、南北戦争。
この映画は、言ってみれば
南北戦争を背景にしたマカロニ・ウエスタンの現代版。
ただし主人公はガンマンではなく、
Nikon FE2 + Ai Nikkor 35mm F2 (なんと!広角レンズーーめっちゃ寄らないとまともに撮れない)
+ モノクロフィルムという古式ゆかしい「武器」を手に
戦場カメラマン・デビューを果たす
23歳女子ジェシー(ケイリー・スピーニー)
カリフォルニア+テキサスという西部軍が、
南北戦争で南軍の最前線だったバージニア州シャーロッツビルまで進攻し、
合衆国の首都ワシントンD.C.を目の前にしている中、
ロイターの記者とフォトグラファーが
ニューヨークからD.C.へ行く車に
便乗したジェシー。
途中、マカロニ・ウエスタン風の
「おらぁ悪役だぜ、文句あっか」的ならず者たちと遭遇しつつ、
同行者を殺されたりしながら、何度も命の危険をくぐり抜けて、
合衆国の最後を見届けるまでが描かれる。
とにもかくにも、
マカロニウエスタンだと思って観るのが肝心。
つまりは、
なぜそうなった、とか、
人があっさり死にすぎじゃね?とか、
そんなバカなことしたら絶対死ぬでしょ、とか
その他もろもろ難しいことを
考えてはいけないのです、きっと。
憲法を書き換えちゃったらしい
3期目の独裁的大統領が、
ホワイトハウスに突入した西部軍によって
射殺される瞬間をフィルムに収め――
そのとき台詞はないんだけれど、ワタクシには
「カ・イ・カン」
と聞こえたのであります。
ワタシゃ快感は感じなかったけど。