「アメリカ国民の銃の所持の権利は政府が間違っている時、国民は力を持って政府を打倒せよと合衆国憲法が定めでいるのです」シビル・ウォー アメリカ最後の日 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカ国民の銃の所持の権利は政府が間違っている時、国民は力を持って政府を打倒せよと合衆国憲法が定めでいるのです
シビル・ウォー アメリカ最後の日
2024年4月米国公開
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シビル・ウォーとは辞書で引くと内戦のこととあります
というより米国人には南北戦争のことだとまず最初に理解するみたいです
1861年から1865年のアメリカ合衆国と南部連合国との内戦
南部連合国の国旗はXです
ツィッターを買収した大富豪はそれをX と改名しました
南北戦争は内戦と言っても本格的な戦争でした
それも両軍で300万人もの兵力が激突し4年で66万人が戦死したガチの戦争です
同時期の日本の内戦戊辰戦争では戦死者は両軍合わせて1万人ほどしかありませんでしたからケタ違いです
戦場になった合衆国南部の諸州の街々は焼かれ荒廃しました
「風とともに去りぬ」のクライマックスで焼かれたアトランタのように
アメリカ人は南北戦争をトラウマのように大変に恐れています
国論が二分され対立が激化したときまた南北戦争を起こしてはならないと恐れています
本作は合衆国大統領選挙の直前に撮られました
もちろん片方の候補が当選を阻止するための政治的な思惑によるものです
報道や映画界などメディアが先頭に立ってそれを防げ!そうしないと、数年後には本作の世界が現実になるぞという警告です
その戦いの結果はご存知の通り
1月20日何がなんでも大統領にしてはならない人物が大統領に就任しました
ウクライナは早々に見捨てられ
欧州もNATOと共に見放されました
アジアもどうなるか知れたものではありません
だから、新大統領が就任した以上本作の役割は終わりました
それでも本作をそれ以降も見る意義や意味はあるのか?
今日は2025年4月15日です
新大統領は関税戦争に取りかかって大騒動を全世界に繰り広げています
株式市場も債権市場も乱高下して
正に合衆国最後の日を迎えようとしているかのようです
本作の中で大統領が話す内容は
まるで現実のニュースのままです
合衆国憲法で禁じられている三期目の大統領就任まで考えているとのニュースですらつい先日現実に聞いたばかりです
彼は独裁者になろうとしているのです
しかし合衆国の人々は新大統領に従っています
表立って異を唱えたり反抗する議員や政治勢力はないようです
何故かって?
政府から弾圧を受けるから?
いくら酷い大統領であっても大統領は大統領、従うしかないから?
それもあるでしょう
しかし、本当のところは真っ向から対立して国が半分に割れてまた南北戦争になったらと恐れているからだと想います
本作の世界が現実化しないように
黙っているのです
彼らアメリカ人には本作の世界があり得ることをよくわかっているのだと思うのです
いくら酷い政策であろうとも南北戦争の再来よりはマシであると
リアルです
リアル過ぎるほどです
第二の南北戦争に突入したときアメリカがどうなってしまうのか
克明に映像化されています
アメリカ人にはもう本作の世界が見えているのだと思います
今日のニュースの延長線上にこの世界があることを
だから、この世界を現実化させないために、自分は黙っていよう
本作の中でも衣料品店の女性がそれが一番良いことだ思うと言っていました
この世界は間違い無く訪れてしまう
そんな悪寒に震えました
ではどうしたらそれを防げるのか?
ジャーナリスト?
メディア?
こうなった以上
そんなもの何の力も無いというのが本作の結論だったと思います
アメリカ国民の銃の所持の権利は政府が間違っている時、国民は力を持って政府を打倒せよと合衆国憲法が定めでいるのです
身も蓋もないことですがアメリカ国民がこの大統領を望んだ結果なのですからまして他国の日本人の私達になし得ることなど何も有りません
力だけがものをいう世界になってしまったこと私達日本人も本作を観ることでより早く気がつくことだとだけだと思います
暗澹たる思いです