「観る映画というより体験する映画」シビル・ウォー アメリカ最後の日 noosnow056346さんの映画レビュー(感想・評価)
観る映画というより体験する映画
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主人公らは劇中出会う事象に対しては常に干渉せず黙々とシャッターを切りますが、それと全く同じように、この映画を観る間は非常に淡々とした気持ちが最後まで続きました。製作陣が意図してのものかはわかりませんが登場人物に感情移入できなかったからだと思います。そのため登場人物が死んでも特に感情は動きませんでした。ですが、だからといってこの映画にインパクトが無かったかというとそうではなく、一体何が起きているのか、何が敵で何が味方なのか、そもそも今一緒にいるこいつらはまともなのか、そういったことが全然分からないまま発生する事象にただただ翻弄されていくのは、ある意味劇中の市民と同じ気持ちを体験できたのかなと思います。また、劇中の人間が基本的に虐待虐殺上等で捕虜も取らない上にカメラを恐れない(事実の発覚に無関心)ことに最初は若干の違和感を持ちましたが、政府の統制が失われた戦時下であることを鑑みればむしろリアリティを感じました。全体としてドラマ性やカタルシスを求めて観る映画ではありせんが、戦時下の無法、無秩序を体験するという意味で意義ある映画だったと思います。なお、有名な赤サングラス民兵については事前に見過ぎていたこともあり、彼が石灰フリフリしながら現れた時には嬉しい気持ちが一瞬勝ってしまいました(その後はちゃんと怖かったです)。
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