「近未来リアル(文句を言う奴はダメな奴)の押し付け」シビル・ウォー アメリカ最後の日 keebirdzさんの映画レビュー(感想・評価)
近未来リアル(文句を言う奴はダメな奴)の押し付け
緊迫の銃撃戦闘シーン×丸腰・カメラと[PRESS]の文字だけで闘う戦争(残酷酔い)カメラマン‥
対立の果て、議論の意味を完全に捨て去り、好悪と生きるための“区別”しかしなくなった“アメリカン”‥
この映画の映像とストーリーテリングは確かに素晴らしい。そのテーマにも人の心と恐怖心に迫るものがある。2000円+払うに相応しい。
ただ、はて、制作が根底に込めているはずのこの映画のテーマとは一体なんなんだろう?それこそ対立、私の政治的?社会的?思想や日々の努力(正直殆どしていないが)とどうもかなり違う考えや態度で作られているような気がして、どうも掴めない。少しでも関連するものとしてこれまでも「ミッシング」やら「キリングフィールド」「パワーゲーム」やら見てきて、それら旧作よりも本作のほうが撮影・映像、進行のリアルさ・冷徹さ、もしかしたら脚本の作りも良いのかもしれない。
でもなぜかあれらと見ている私の心は観劇中に一体となり、感じ、悲しみ怒り、映画館を出てその後の何かの糧になり得る学びのようなものがあった。なぜか本作にはそれを感じない。どうもレビュー件名のような注意をされているいるような気がしてしまう。私は少数派だと思うが、少し似たような感覚で私はあの大人気マンガ・アニメ「進撃の巨人」も苦手。
この映画のような各悲惨なシーンや出来事進行はこれまでの近現代史に実際あったし、今も今後も起こっているだろう。ただ私はあたかもこの映画制作が見ているような“今後の社会全てこんな方向、人間全員こんな諦めた感じ”ではないと思っている。