「戦争の理不尽さを描いた良作」シビル・ウォー アメリカ最後の日 平成モンド兄弟さんの映画レビュー(感想・評価)
戦争の理不尽さを描いた良作
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アメリカが分断、州連合軍と政府軍が内戦状態。その要因も内戦に至る経緯も作中では語られない。当然、諸外国の動きも一切、触れていない。(ロシアや中国が沈黙している筈がない)
描かれているのは、個々人に降りかかる、戦争がもたらす理不尽さ、非常識さが、ひたすら描かれている。
その舞台がアメリカ国内というのが、ポイントで昨日まで同じ国の市民だったのが、内戦だからと、いとも簡単に同じ市民を殺害してしまう事の恐怖。
「同じアメリカ人だろ!」「どのアメリカ人だ?」という台詞に、戦争の醜悪さが現れている。多分、ウクライナで、ガザで、レバノンで同じ理不尽さが繰り広げられているのだと想像させられるだけで、この作品の価値はある。
ラスト、捕らえられた大統領に一言インタビューを行い、その答えを聞いて「充分だ」と言い放つジャーナリストの態度は、戦争を始めたのは権力者、だから、その責任を自分で取れという痛烈な批判なのだろうと感じた。
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