「描写はとってもリアルだけど」シビル・ウォー アメリカ最後の日 豊島区のはずれさんの映画レビュー(感想・評価)
描写はとってもリアルだけど
戦闘シーンや、それによって負傷する人の描き方は非常にリアルです。ただ、なぜ内戦が始まったのかとか、この映画のラストの後の世界がどうなるのか、ということについては詳細に描かれていません。始まった理由については、アメリカの現状を考えれば、なんとなく想像できなくもないですが、テキサスとカリフォルニアが共闘しているという、現実ではありえない組み合わせなので、そのあたりもボヤかしている感じですね。途中で遭遇する兵士・戦闘員がどっちの勢力なのかも、明確になっていないし。現実に、デマやフェイクニュースで右往左往していて、対立が起こっている中、明確にしていたら影響されてしまう人もいるのかも知れませんね。
登場人物同様、市街戦の真っただ中にいるような感覚になります。実際にいたことがないですが、私はフィクションの世界だけで十分です。内戦が繰り広げられているのに、関係ないと思っている人がいるっていうのも、リアルでいいですね。
事前にラジオで紹介されていたことからは、もっとフェイクドキュメンタリーっぽい映画かと思っていました。思ったよりもドラマでした。
以下は、本編と関係のない話ですが、リーが使うカメラは「α」のロゴだけで、メーカー名ソニーのロゴがありません。ジェシーが使うカメラはニコンのロゴがあり、FE2という型名までセリフに出てきます。映画会社的にソニーがまずいのなら、キヤノンのカメラでも良かったような。また、ジェシーのカメラはモータードライブもオートフォーカスもないフィルムカメラですが、かなりの連写をしていたり、フィルム交換が簡単にできないような環境なのに、大量にシャッターを切っていることについては、昔フィルムカメラを使っていた立場としては、ちょっと不自然でしたね。写そうとしてフィルムがない、なんていうシーンがあってもよかったかも。