「ジャーナリストのロードムービー」シビル・ウォー アメリカ最後の日 HIRAさんの映画レビュー(感想・評価)
ジャーナリストのロードムービー
あらすじも感想も見ずに観に行ったら思ってた内容と違ってた。ブラックホークダウンぽくてジャーナリストが絡む系かな?って予告編で思ってた。ワシントンD.C.に着くまでがほとんどでちょっと残念だったけど、そういう裏切りも好きだ。
最近はYouTuberとジャーナリストの違いがよくわからなくなってきているが、使命に駆られたジャーナリストの原動力ってなんなんだろうってよく思う。ゲスい週刊誌系から戦場カメラマンや紛争地帯に入っていく人たちの熱意が自分には全くないので狂気染みているけど、この映画では熱意はあまり感じられずに必死さもなく割と淡々と進む。何回か激戦現場取材の迫力とかすごいな!って思ったけど赤いサングラスのやべー奴(全員ヤバいが)の時が最高に緊張したが、最前線でいるにもかかわらず使命を帯びた人間は死線を彷徨う現場でいても割とどこかさめていて不思議な感じがした。立ち直りが早い。どこか壊れていきながら部分修正ですぐ立ち直っていく姿が痛ましい。戦場の兵士と何ら変わらないと思った。
左思想だなあ、と思ったのは誰一人武器を持たずに赴いていること。車や服に報道って書いているだけでペンの力ででどうにかなると思っているのがアホやなあと思ってしまい、自分はそっち側の人間じゃないんだなと思った。アメリカで内戦の最中にすげーな!ヘルメットや防弾チョッキだけでどうにかなるって思えるのは自分の考えにはないので自分がアメリカで生まれてたらどの立場をとるんだろう?って思って銃をとる側なんだろうな、って思ってしまった。
田舎のガソリンスタンドで私刑、命乞い無視して射殺、誰が敵かわからないけど応戦する、なかったことにして日常生活を続ける、政府側、反政府側、アメリカ人の定義に癖がある殺戮者、など。この映画に殺人という定義はなかった。命を奪う権利と守る権利が等しい土壌が有るから銃撃戦は全部正しく思えてくるのが怖いところ。
でも日頃銃をぶっ放している警察やギャングなどの一般組織は描かれておらず、パッと見普通の人々が兵士になって普通に銃撃戦をしている。最後の集合写真もゼロダークサーティーのチーム6とかの猛者じゃなく向こう見ずな一般募集州兵っぽいのが余計に怖かった。
どうせ観るなら音響のいい映画館がおすすめです。迫力有る銃撃戦(意外と少ない)は臨場感がすごいです。
トミーさん、コメントありがとうございます。日本の場合どうなるんでしょうねえ。政治ではそうそう分断はされにくそうですが、きのこ・たけのこ戦争で真っ二つになると思いますw
PRESSだっ! と言ってれば射たれない、そういう常識を超えてくるのが戦場なんでしょうね。内戦で隣人がいつ敵になるか知れない時、銃の無い日本人はどう動きますかね?