劇場公開日 2024年10月4日

「内戦のドサクサに行われる差別行為が怖い」シビル・ウォー アメリカ最後の日 矢吹 貴さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5内戦のドサクサに行われる差別行為が怖い

2024年10月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

割と低予算映画ということもあり、終盤の方は激しい戦闘シーンもあるけれど予告編の様に戦闘シーンが満載ということはなくて、アメリカ合衆国の内戦という状況で描かれる新米カメラマンの成長を描くロードムービーの一面が強い。

リベラルなカリフォルニア州と保守的なテキサス州が組むという設定は、大統領の党派をあやふやにする意味合いがあるのだろうが、強権的な大統領のモデルはどう考えてもトランプだろう。
前回に落選したときは議会襲撃を煽った過去もあることから、来月の大統領選も負ければ何をしでかすか分からない訳で、映画終盤の流れは、米国人にとってはかなり恐怖に感じるのではないだろうか。

しかし、この”分断”のほかにも、戦時中のドサクサに紛れて同級生を半殺しにして楽しむ奴や、外国人や(おそらく)移民を虐殺する白人至上主義者の方が個人的には怖かった…

矢吹 貴