「息を呑むリアリティー…衝撃の傑作、誕生」シビル・ウォー アメリカ最後の日 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
息を呑むリアリティー…衝撃の傑作、誕生
IMAXレーザーで鑑賞(字幕)。
なんだこれ…。あまりのすごさに言葉を失った。息を呑む臨場感とすさまじい音圧でシアターがたちまち戦場と化す。IMAX推奨だ。銃声や爆発音がビリビリ響き手に汗握った。
ロードムービーの形を取りながら、内戦となった現代アメリカの様様な「もしも」がこれでもかと残酷に描写される。極めつけは赤メガネのジェシー・プレモンスのシーンだろう。
「どの種類のアメリカ人だ?」発言の怖さと、彼の怪演も相まってショッキングな場面だった。そのシーンの間中ずっと顔が引きつっていて、目を背けたいのに目が離せなかった。
予想を遥かに超える衝撃と恐ろしさがスクリーンから襲い掛かる。明日本当に起こってもおかしくないと思わせるリアリティーに背筋が凍った。紛れも無い傑作映画の誕生である。
[余談1]
キルスティン・ダンストの出演作を観るのはサム・ライミ版のスパイダーマン・シリーズ以来だったが、年齢を重ね、貫禄が出て、より素晴らしい俳優になっていて驚かされた。
ほぼすっぴんのまま、ベテランのジャーナリストを熱演していた。プロとしての矜持を胸に、過酷な戦場の現実をカメラのレンズを通して見つめるその眼差しに、説得力があった。
[余談2]
我が推しのケイリー・スピーニーが、「エイリアン:ロムルス」に続いて本作でもやってくれた。新米報道カメラマンの新米故の繊細さと、初めての戦場で(悲劇的に)成長する姿を見事に表現していて魅せられた。本当に今年はケイリー・スピーニーの当たり年だなと思う。賞レースを席巻して欲しい。
こちらこそありがとうございます。
報道カメラマンの業ですね。
戦場に来て命の滾りを感じる、みたいなセリフがありましたが、生の実感を得るために戦場でファインダーを覗くのかもしれません。
共感ありがとうございます。
4人で出かけて生き残ったのは半分。迫力を伝える写真を撮ってきて、報酬ははずむから、とオファーされたらあんな風に突っ込んでいく奴は居るんでしょうね。ドローン映像だけの報道は絶対あり得ないと思いますね、人間の性でしょうか。