「有りえるかもしれない現実」シビル・ウォー アメリカ最後の日 ふぇるさんの映画レビュー(感想・評価)
有りえるかもしれない現実
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これまで独創的な作品を創ってきたアレックス・ガーランドが今作では米国の内戦をリアルに描く。
この作品は米国では4月に公開されたが、少し前の12月にはNetflixでは「終わらない週末」という作品が配信された。これも米国での内戦をテーマにしている。
不思議なことに映画という物は同時期に同じようなテーマの作品が重なる事がある。公開日を見据えてその時の情勢などを監督が未来視するかのように作品を創るのである。
この米国の内戦というテーマは来月11月に控えている大統領選挙を見据えての事なのだろうか。
内戦に至った経緯は詳しくは描かれないが、3期という有り得ない期間の任期を務めている大統領の独裁ともいうべき政府に痺れを切らしたのだろう。
大きくは政府軍と西部部隊の衝突だが、厄介なのはそれらに属さない独自の部隊である。彼等の思考は曖昧で、気に入らないものは排除するような対話が成り立たない、ある意味前線よりも危険な地帯がそこら中にあるのである。
もう一つ今作の特出すべき点としては、近年の作品の中でも群を抜いてサウンドデザインが素晴らしい事だ。
プライベート・ライアンやブラックホーク・ダウンなどの戦闘シーンはよくリファレンスにも挙げられるが、それらを凌駕する程である。
毎回必ず1つはトラウマになるシーンがあるアレックス・ガーランドの作品だが今作もテーマ性の強いリアルな描写はトラウマに匹敵するようなものかもしれない。
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