「現実になってもおかしくないリアリティ」シビル・ウォー アメリカ最後の日 ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
現実になってもおかしくないリアリティ
アメリカが内戦により分断され、同国内で同国民が殺し合い、命が簡単に失われていく様を
淡々と映し出されるがゆえ、戦争の恐ろしさがよりクリアに伝わってきた気がします。
加えて、音響による演出がハンパなくエッジが効いていて、
何度も「ビクッ」としました。Dolby Atmosで観たため、より一層“音”による迫力があり
圧倒されましたね。
俳優陣、特に主演?のキルステン・ダンスト(リー)とケイリー・スピーニー(ジェシー)が
光っていましたし、ジェシー・プレモンスの不気味且つクレイジーな演技も
素晴らしかったです。
ジャーナリストの視点から描いた内戦・戦争は、
肉眼では悲惨な状況にうつるのに、カメラを通すとどこか人ごとと言いましょうか、
客観的に見えてしまう、そこがまた恐ろしいと感じました。
その点においては、後半に火の粉が舞うなか車を進める主人公たちが映しだされるのですが、
戦火にも関わらず、どこか幻想的で美しくもあり、そう感じてしまった自分に、
そういう感情になっていいのか?と自問自答をしながら観ていました。
底冷えする恐ろしさを感じた次第です。
ロードムービーになっているため、道中含む行く先々の出来事がいちいち強烈で
ラストまでダレることなく一気に観ることができました。
ラストにおけるリーの死は、ワシントンD.C.での戦いが始まると、
リーになんとなく死亡フラグが立っているように見えていたので、納得ではあるものの
ある意味ジャーナリストとしてプロフェッショナルであったジェシーの冷静さに
違和感がありつつも、どこか納得感もあり、鑑賞後感は悪くありませんでした。
なんというリアリティ、なんという没入感、
私的フェイバリットにはならないと思うものの、すごい作品に出会いました。
共感とフォローありがとうございます!
後半の火の粉が舞う中での美しさや恐ろしさと、リーの死亡フラグを思い出させてくれる素晴らしいレビューもありがとうございました🙇♂️
共感ありがとうございました!確かに最後のジェシーの冷徹さゾッとしました。あの瞬間は冷静だけれど、全てが終わって我に帰った時、ジェシーは一体何を思うんやろうと考えてしまいました。