かなさんどーのレビュー・感想・評価
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これが照屋年之監督の映画なんやな!
ガレッジセール・ゴリさんが映画を作っているくらいしか知らなかったので、観て感動した。
美花役の松田るかさんが良い。
町子役の堀内敬子さんが良い。
悟役の浅野忠信さんが良い(この俳優さんを照屋年之監督が出てもらえたことが最高の選択)。
子供は母親が父親と結婚して可哀想だったと思う。しかし、知らなかった処での母親の父親との繋がりが二人の愛情の深さを知り、そして父親の愛情の深さを伊江島に帰って来て初めて知る。
そして死に往く父親に最高の親孝行の見送り方をして「かなさんどー」の歌でエンディング。
間の笑いをとる吉本芸人たちの哀しくなっていく映画を、少しずつ笑わせて暗くならない話にしてくれて良い映画を見せてくれました。
ストーリーが進むにつれ、どんどんスクリーンが滲んで来ました。ハンカチでは足りないので、タオルを持って行きましょう。
照屋年之監督(あえて本名)の前作「洗骨」は、上映館と上映時間が合わなかったので劇場で観ることが出来ませんでした。本作は絶対に大きなスクリーンで堪能したかったので、上映が決まってから仕事のスケジュールを調整していました。
賭ケグルイ(2019年)に出演した頃は、浜辺美波や池田エライザが目立ちすぎて陰に隠れてしまった「松田るか/美花」が、変わりゆく周りの状況に上手く感情を乗せた名演技で光っています。やはり生まれ故郷が舞台になっている作品なのが彼女の感性を大きく刺激したのだと思います。
劇団四季で初舞台を踏み、ミュージカル畑で鍛えた表現力が生かされている「堀内 敬子/町子」の病弱でも明るい母親役もまさに適役でした。芝居の上手な人は数多いる中で、この人を抜擢した制作人の見る目には脱帽です。
そして何と言っても、SHOGUN 将軍に出演したことでもはや国際的俳優と言っても過言でない評価を得た「浅野 忠信/悟」が、夫婦と娘の家族愛を上手くまとめているのが必見です。病床にあって酸素吸入器を付けているのではっきりとした台詞は多くないのに、観ている人をグイグイと引き付ける力に、邦画界の未来が明るいものと確信しました。
追伸 今日は観ながらボロボロ泣いていましたが、明日も舞台挨拶があるので泣きに行って来ます。
最高の見送りを。
認知症を患ってる父・悟の余命がわずかの知らせで7年ぶりに故郷の沖縄県伊江島に帰る赤嶺美花の話。
亡き母・町子の死の直前、何度も悟へ電話を掛け助けを求める町子だったが、電話に出なかった父・悟を許せず縁を切ってた美花、実家に戻り…町子、悟との思い出、やり取りを思い出し、惨めな母と思っていたが悟の会社の元社員からの話、母の話、日記を見つけ、父と母はちゃんと繋がってたと分かり…。
聞き慣れない沖縄の方言にユーモアさと本作の雰囲気にあるコメディたっちで見せる序盤中盤と、現在と過去の行き来で父との現状、父、母との思い出、7年前はまだ少し子供で母の言ってる意味も理解出来てる様で理解出来てなくて…。
悟に女がいるのでは?と匂わせ、美花からも疑われるとなるけれど…、一面のテッポウユリ畑(の意味)から涙腺崩壊、その辺りからラストまで涙。
コメディも織り混ぜながらも泣ける話で父・悟と母・町子の愛、その2人の関係性を知り最高の形で悟を見送ろうとする美花の姿には笑えたし泣けた。町子の悟の前ではいつでも綺麗に!って気持ちと、悟の何十年たっても町子を喜ばせてあげたいって気持ちは素敵!
タイトルなし(ネタバレ)
故郷の沖縄県伊江島に数年ぶりに帰ってきた赤嶺美花(松田るか)。
島を出たのは、母・町子(堀内敬子)が病気で亡くなってから。
毎晩飲み歩き、母の臨終にも立ち会えなかった父・悟(浅野忠信)とのふたり暮らしが耐えられなかったからだが、今回の帰省はその父が認知症になり、もう命も危ないとの知らせを受けたからだ。
父が可愛がっていた、工場の従業員の案内で、かつての父と母の暮らしを思い出す美花だったが・・・
といった物語で、美しい夫婦の物語・・・みたいな体裁。
照屋年之の監督ぶりは、笑いのツボを押さえたもので、少しならずクスって笑わされました。
が、肝心の物語が薄く、特に女性の扱いは、男性からみて都合のいい女性にしか見えない。
亡き妻・町子のことを思い出した父・悟のために、若き日の町子に扮する美花の姿は、ちょっとイヤらしい設定だが、そこをイヤらしく感じさせないように撮ったあたりは評価できる。
「かなさんどー」とは「愛しているよー」という意味だそうで、「かなし」は「愛し」と昔は書いていたんだっけ、とか思いました。
照屋監督は“サプライズが大好き“
笑う、泣く、そして感動している。
大笑いして、心を揺さぶられて、結果として泣いている。
この2つの感情が普通に込み上げる。
これを秀作・傑作と言わずに、いられましょうか‼️
照屋年之監督ことゴリさん、才気煥発な逸材です。
下調べを兼ねて、照屋監督の最新作「洗骨」を予習しました。
すごく良かったんです。
サプライズが2つ。
①洗骨・・・文字通り土葬した骨を4年後に取り出して洗います。
②青空の出産シーン・・・びっくりしました。
①も②もサプライズ、でした。
そしてこの映画にも、驚きのサプライズが仕掛けてあります。
冒頭に現れるナイスプロポーションの美女。
最初、何者なのか全く分かりません。
嫌味が鼻につき好感度ゼロでした。
しかし、しかし、ラストにもう一度、その美女が現れて、
全ての謎を解決してくれます。
商業映画の既成の監督にない土着的で、新鮮なアプローチ。
ゴリ監督は、ともかく明るい‼️開放的‼️
(沖縄だもん、楽天的ですよー)
でもってこの映画。
フェリーに乗って娘が生まれ故郷の沖縄県の伊江島に帰ってくる。
娘の実花(松田るか)は、余命残り少ない父親(浅野忠信)に、
7年前に心臓病で亡くなった母親(堀内敬子)への死に際の態度に
強いわだかまりを持っている。
現在パートに、母親・明子の回想パートをふんだんに入れて、
★なぜ父親が娘にそんなに恨まれるのか?
★母親がなぜ父を、それほどまでに好きなのか?
★母親が無条件で、父を許すのか?
ゴリ監督の脚本は兎も角、エピソードのバリエーションが多い。
本当に【ご覧ください】と言うのが一番なのですが、
浅野忠信さんの、たがのゆるんだ表情・・・絶品です。
堀内敬子さんの、満タンの笑顔が美しい。
そして娘役の松田るかさん、
きっぷいい啖呵、
「かなさんどー」の美声、
素晴らしかった、
沖縄出身の彼女は馬力がある。
そして、元従業員のオジサンのkジョージさん、
ゴーヤチャンプルーみたいに、絶品でした。
ちなみに“かなさんどー“の歌の意味は、
愛しい人よ、
忘れないで‼️
最高でした。
3連休おススメの映画のひとつ。上映館は少ないけれど。
今年58本目(合計1,600本目/今月(2025年2月度)21本目)。
カウントが1600という大台に乗ってしまいましたね…。
「ある事情」で(ネタバレ回避)沖縄に戻ってきた女性と、その女性の家族である母親、父親の交流を描く沖縄が物語の映画です。かなりローカル色が強い映画で沖縄で先行上映というのも納得です。
タイトルの「かなさんどー」が何を意味するかはある程度予測も理解できるしここの紹介にも書かれていますが、映画内では最後に映画のメイン曲の「沖縄バージョン」が流れ、そのときには(標準日本語による)字幕も出ますので、そこではっきりします。
映画の趣旨としてはよくありがちな展開ではありますが、誰かが良い悪いという展開にもっていかず(この手の映画は「親を見る義務がない」と放り投げるパターンで展開を変えるタイプもまま見られるが(それを問題提起の映画にするのも理解できる。日本ではこの点、民法等の規定が何もないため)、沖縄のローカル色強めで見られたのは良かったなといったところです。かつ、沖縄といっても、那覇や宜野湾といった比較的都市部ということもなく、人口5000人いるのかな?というような小さな諸島部が描かれていたのも良かったところです。
しいて気になる点をあげれば、映画内の回想シーンほかを含めて「「てびち」がおいしかった」という話など「てびち」は何度か作内では重要ワードのように出てくる割に何か描かれていないこと(→どうも検索すると「豚足」のことである模様)、主人公の「美花」(みか)を琉球方言で読むと「みーか(または、みぃか)」となるようで、この部分の説明がやや抜けていたところかな…といったところです。なお、女性の主人公の名前が「美花」である点含め、この映画の一つのポイントは「花」になりますが、この点は見てのお楽しみというところでしょう(なお、花言葉の知識を要求するという展開にはなりません。映画に出てくる花々の大半は、本土(ここでは、沖縄本島に対して言う語)でも見られるようですが、沖縄のほうが多い模様)。
採点上特に気になる点までないのでフルスコアにしています。
いろいろ迷ったらおすすめで押せる本作品、どうでしょうか?
成道おかあ
認知症の父親が余命わずかと知らせを受けて、母親が亡くなって以来疎遠だった娘が、伊江島に帰って来て両親の想いを知る話。
財産狙い?なオープニングで始まって、伊江島に向かうミーカーとなるけれど…ん?どういうこと?と序盤少々解り難い。
生前の母親がいた頃のドラマをみせていく流れが続き、チョロっと挟まれだ現在の描写で、会社を売った話しがあって、会社の名前からやっとこオープニングの意味がわかったけれど、今度は逆にそこに向かう展開がみえてしまうわけで、そう考えるとこのオープニングは余計だった様な…。
最後はもちろんかなり良かったけれど、個人的ピークはてびちからの行で、そこから下って下ってちょっと盛り返したぐらいのもう一歩という感じだった。
やっぱり泣く
前作『洗骨』と比べて…など、前評判やら、浅野忠信さんの『SHOGUN将軍』での受賞など、大きな期待(ハードル)を上げすぎないで観て欲しい。
オープニングのカメラ(画角、カット)の違和感や、もう少し過去と現在のわかりやすい人物描写、ラストのぶつ切り感を失くせば、沖縄の人なら細かいとこまで少し笑えて、なんか納得させられる。。ハズ。
あとはラストのシーンだけ耐えきれたら、もっと辛口で評価したいところだが、やっぱり泣く😭明るいイメージの曲だが、曲調とシーンによって覆されました。
ゴリ(としぼー)頑張ったな、、もっと頑張れ👍
小橋川さんを「あるあるあるある♪」と思えるか
感動作品ではあるが、併せて沖縄検定を受けているつもりで観ると良いでしょう。
脇役登場人物の「小橋川さん(こばしがわ)」と主人公の一人の松田るか演じる「美花(みか)」との距離感をスッと受け入れられるならこの映画を楽しく感動して観れるでしょう。この二人、沖縄県人なら「あるあるあるある♪笑える」と思う関係性ですが、他県の人には「???」と違和感強いかもしれません。
これ以外にも従業員が上司の奥さんの誕生日を祝うとかって、たぶん他県の人には「ないない」と感じるエピソードですが、沖縄なら「そいうこともある/ありえる」のレベル感ですw
過剰に沖縄感を押し付けてきませんが、全編に渡り沖縄エッセンスが満載です。この辺が、楽しめるかどうかの分かれ目になる作品です。
作品の大きな軸は「母の大きな幸せ」を娘が知っていくというもの。
設定は違うが、古いところでメリルストリープの「母の眠り」に近い世界観だと思いました。私の中で「母の眠り」は、メリルストリープって凄いと思い知らされた思い出深いものにて、これと比べるのは大変申し訳ないが・・・。それでも基準は「母の眠り」となってしまい少々辛め評価。
映像 ★★★ もっと沖縄の綺麗な映像を挟んでほしかった
音 ★★ 歌は良かったが心揺さぶるレベルまではいかず惜しい
物語 ★★★ 良
役者 ★★★ 良
編集 ★★ 悪くは無いが、もっともっと仕上げられたはず
粗さ ★★★ ここは沖縄♪みんなの沖縄♪にて気にしないで
総合 3.0 (「母の眠り」と比較で3.0は高評価かも)
恐らく低予算且つ限られた時間で作られた映画だとは思う。
それを踏まえれば良くできたと評価してあげたいところもあるが・・・、ここは厳しく評価3.0になる。とは言え86分と短い尺としては、なかなか頑張ったとおもう。
まとまりないレビューとなってしまった。
とても良かったです。
写光レンタル販売様試写会にて。
ガレッジセールのゴリさんこと照屋年之監督。
沖縄を舞台にした家族の許しと再生の物語。
主役の松田るかさんを知りませんでしたが、とても綺麗で魅力的な女優さんでした。その美しさを封印したかのような演技がとても良かったです。
母が亡くなりその頃の父の態度や行動が許せなくて島を出た娘を上手く演じていました。沖縄出身の彼女が父や従業員に怒鳴ったりするシーンは本物の沖縄弁で演じているのでとても自然で迫力がありました。
対する父親役の浅野忠信はさすがの演技力。どうしようもない父を演じているんだけどなんか可愛らしさがあって非常に良き。
そしてお母さん役の堀内恵子さん。個人的にはこの方がMVPです。この人の演技が無ければこの映画は成り立ちません。
アフタートークでゴリさんが「僕が一番好きなシーンは娘に話すお母さんのシーンです。」と仰っていたけど私もあのシーンがすごく良かったと思う。全編に渡って素晴らしい演技でしたがあのシーンが特に良かったです。
お笑い芸人らしく随所に面白いシーンが組み込まれていて面白かった。
浅野さんが経営する会社の従業員がとにかくコミカルで、彼がしゃべったり歩いたりする度に私にはゴリさんの姿が見えました。あの役ゴリさん自身で演じても良かったかも?あまりにゴリさんで駄目か?(笑)
映画が始まってすぐ口紅を塗る口のアップ、浅野忠信の顔のアップ、パラソル等が映し出される。声はない。(なのでどういうシーンなのかちんぷんかんぷん)
そのあと『かんさんどー』と題名が出てオープニング映像が始まる。
オープニングの前に出た映像は映画の中でも二度出てくる。合計三回同じ映像が使われていることになる。
同じ映像なのに映像が出る度に違うように見えるのが面白いと思いました。
本職はお笑い芸人さんだけど中々力のある監督さんだと思いました。
お母さんは昔民謡歌手だったという設定だったので堀内さん歌えるのかなあと心配しながら見ていましたがすごくお上手でした。あとで調べたら堀内さんは劇団四季出身だそうでなるほど上手いはずです。
いい映画でした。
泣けます。感動します。
美しい家族愛の物語
照屋年之監督作品。この名前にピンとこない人も、ガレッジセールのゴリと言えば分かるかも知れない。ただ、芸人のお遊びではなく、彼の監督としての手腕は既に『洗骨』(2018)で十分に証明済み。
メインのキャストたちの演技は素晴らしく、伊江島の自然の中で描かれる夫婦の物語であり、父娘の確執と和解の物語であり、母娘の絆の物語であり、総じて美しい家族愛の物語である。
ただ、『洗骨』以来、自分の中での期待度のハードルを上げすぎていて、もう少しブラッシュアップできたのではないか、と思う点もいくつかあった。
特に、家族を守るためには自分を犠牲にしてまで見たくないものを見ないという姿勢を貫いた町子の描き方が、現代的な感覚を持つみーかー(美花)との対比として描きたかったのかも知れないが、昔ながらのステレオタイプの女性像(女房像)に終始してしまい、時代遅れの男視点のファンタジーになってしまっていたのが残念だった。
あと、Kジャージさんの演じていた社員の役は、相方の川田さんにやらせても良かったのではないか?というより、ずっと彼がダブって見えていた。
お笑いコンビ「ガレッジセール」のゴリこと照屋年之が監督・脚本を手が...
お笑いコンビ「ガレッジセール」のゴリこと照屋年之が監督・脚本を手がけ、沖縄を舞台に独自の死生観と笑いを交えながら親子と夫婦の愛おしさを描いたヒューマンドラマ。
沖縄出身の松田るかが美花役で主演を務め、母・町子を堀内敬子、父・悟を浅野忠信が演じる。タイトルの「かなさんどー」は、沖縄の方言で「愛おしい」という意味。
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