かなさんどーのレビュー・感想・評価
全53件中、1~20件目を表示
松田るかの沖縄語、堀内敬子の歌唱がしみじみと良い
主人公・美花役の松田るかのプロフィールを見て、NHK朝ドラ「ちむどんどん」など出演作をいくつか観ていたのに印象がほとんど残っていなかったが、本作での好演でしっかり記憶した。沖縄出身だそうで、当たり前ながら自然なウチナーグチ(沖縄語)での台詞が味わい深い。標準語や別の方言ならきつくなりそうな内容でも、沖縄の言葉だと温かみが加わるような、マイルドになるような。口げんかしていてもユーモラスに聞こえたり。王道のストーリー展開とはいえ、やはり終盤の美花には泣かされた。
母・町子の堀内敬子については、かつて映画やテレビドラマでの演技しか知らないまま朝ドラ「エール」最終回での歌唱に驚嘆したクチで、劇団四季出身と聞いて納得したものだった。娘と洗濯物を干しながらさらっと口ずさむように歌う「かなさんどー」がしみじみと素晴らしく、よいキャスティングだなと感心。
この歌を初めて聴いたが、沖縄民謡歌手・前川守賢(しゅけん)の1983年のデビュー曲だそう。曲自体が美花と母と父・悟(浅野忠信)の家族の物語で重要な役割を担っていることに加え、歌詞の内容が脚本に反映された部分もあってなかなかうまい。歌の標準語訳が字幕で出るシーンもあるが、関洋氏の「たるーの島唄まじめな研究」というサイトで詳しく解説されているので、関心のある方はよかったら検索してみて。
ゆっくりとした沖縄の空気感が良かった。
『かなさんどー』とは『愛しい人よ』という意味なのね。
琉球民謡みたいです。
舞台は沖縄のとある島。
ゆっくりとした沖縄の空気感の中で夫婦の物語が描かれる。
絶縁していた父と娘。
父の最後に、ほとんどの記憶を失った父の前で母を演じる娘。
主演の松田るか、良かったです。
かなさんどーの歌詞が字幕で出てきて、やっと意味を理解した。
夫婦(娘の両親)の思いが歌詞とリンクし、感動が押し寄せてきた。
こういう邦画は大好きです。
時間も短くて、松田るか、浅野忠信、堀内敬子、みんな良かった。
特に今回初めて認識したKジャージさんが良い味を出してた。
沖縄の人みたいでした。
そして、監督はガレッジセールのゴリ(照屋年之)。
皆さんの沖縄愛も感じられたかな。
イラつくことが多い方、必見!
日々イラつくことが多い方、この映画に自分を1時間半を預けてみてください。心安らぐ1作です。主人公も、自分が見えている状況だけでイラついている人。見えていなかった、あえて見ようとしなかったことに気づいて、、、というストーリー。
浅野忠信の飄々とした演技と、堀内敬子の単に優しいだけでなく実は芯のあるという演技がいいですね。主人公の松田るかも、状況を知るにつれて感情が揺り動くところがよく表れていました。
上映後に松田るかと照屋監督の舞台挨拶があり、後から照屋監督の家族の要素が脚本にちりばめられていたことに監督自身が気づいたそう。家族といえども、気づいていないことがあるでしょうし、そのことが実は大きな意味があったということがあると、知ってから後悔することもあるでしょう。家族とのコミュニケーションの大切さを伝える作品だと思います。
ド直球のいいはなし
良く言えば軽くて嫌味がない爽やかな映画
松田るか、良かった 優しい感じのいい映画なんだけど、 なんとなーく...
松田るか、良かった
優しい感じのいい映画なんだけど、
なんとなーく、
あと一声って思っちゃうのはなんでだろう?
ゴリは監督も良いけど、役者としても出て来て欲しい
関係ないけど洗骨の方が良かったかな
でもこれも悪くはないです
島に帰ってくる訳あり娘
前作『洗骨』が大変素晴らしかった照屋年之監督。新作と聞いて必ず観たいと思っていましたが、諸々の事情で公開3週目にようやく劇場鑑賞です。サービスデイの本日、TOHOシネマズ日比谷SCREEN13(旧みゆき座)は3週目にしてはまぁまぁな客入りです。
さて今回は感想から言うと、期待に裏切らず「笑えて、泣ける」ハートウォーミングな作品に仕上がっています。前作『洗骨』では(失礼ながら)思いがけない感動に観ながら涙腺崩壊してしまいましたが、今作は時系列を行ったり来たりさせながら過去と現在を交互に見せることで、じんわりと心情に訴えかける作品性に巧さを感じさせます。
そして前作に続き今作も「島に帰ってくる訳あり娘」と「島時間」で生きる島人(しまんちゅ)のやり取りが常に面白くて最高。美花(みいか)を演じる松田るかさんは沖縄出身と言うこともあって、完璧なイントネーションにセンスあふれるツッコミの間が天才的。母・町子(堀内敬子)の死をきっかけに父・悟(浅野忠信)と仲違いして島を離れた美花。そんな美花を説得し続けるキーマン・小橋川(Kジャージ)との二人のやり取りは、漫才さながらの可笑しさで飽きることなくずっと観ていられます。そして、知らなかった父と母の過去を遡りながら、余命僅かな父を母の元へ送る「儀式」をする美花と小橋川たち。ラストに準備されたクライマックスシーンは、今回もやっぱり涙なくしては観られない感動の仕掛けで優しさに溢れています。
映画のタイトルでもある主題歌・前川守賢さん作の「かなさんどー」や、ポンコツさも愛らしい真っ赤なセリカ、それだけで特集を組んでもらいたい旨そげなローカルフードの数々、そして美しいテッポウユリの花畑等々の印象に残るツールも満載。また何と言っても伊江島の美しい自然がたっぷりな映像を見ているだけでも癒されます。勿論、観れば必ず自分の親を思い出してしまう作品。中高年の皆さん、来場の際はハンカチを忘れずに。照屋監督、今作も大変に良かったです。
風が強い
フォローしているレビュアーさんの投稿で知った作品。まったくノーマークだったが、寒い時に南の島が舞台だと、あったかくなれそうなので、観てみた。しかし、現地で長袖着てたし、全体的に風が吹いているシーンが多かったので、思ったより寒そうだった。それでも、セーターやコートを着る本州に比べれば、じゅうぶんあったかそうでいいわ〜。
岩山を背景に畑の中を走ったり、丈の高い草が生える道を歩いたり、牧歌的でのんびりしていた。千葉のいなかと変わらない。しかし、お墓の立派なことは、こちらの方とは違うなー。舞台となった家は、ほんとに誰かの家って雰囲気がとても良かった。物干し竿とか、鏡台とか、使いこまれた感じが、何とも言えない。あと、海はめっちゃきれいだった。
大好きな人がいて、思い出があって、それは心の深いところにずっとある。認知症になったとしても、それはそうそう消えたりしないのかも。こどもにとって、自分の親にもそういうものがあるって実感しにくいけど、人間それぞれあるんだよね。両親の思い出を懸命に再現しようとしている美花は、けなげだねぇ。
松田るかさんは今まで知らなかったけど、目がぱっちりしてて、いかにも琉球美人。その見た目なのに、父親やその職場の男達を叱り飛ばす姿がかっこいい。あと、民族衣装姿も美しい。ボロボロこぼれる涙も、口紅をひく唇も、とてもきれいだった。彼女の活動履歴を調べてみたら、大河ドラマも朝ドラも出演していたことが判明。えー、観てたけど気付かなかったー。「光る君へ」の藤原伊周の妻? え? 三浦翔平と並んでいたの? ええー。「スカーレット」の伊藤健太郎の同僚? 役どころはわかるけど、憶えてない…。これから気を付けて観るわー。
「かなさんどー」という曲を聴いていたら、「涙そうそう」とか「島人ぬ宝」とかぶってきた。琉球音階は音数が少ないからか、メロディが似ている。でも、しみじみと良い歌だった。堀内敬子も松田るかも、上手だった。
よしもと製作ということで、ちょいちょい笑かそうとする空気は感じたが、笑いはあまり要らなかったかな。
愛しい人よ
久しぶりのレビュー
映画.comで久しぶりのレビューです。
初めてレビューしたのは、照屋監督の『洗骨』でした。
6年ぶりの最新作ということで、私も映画.comレビューに戻ってきました。
沖縄県内の映画館公式サイトでは「みたい」の数1495人(2025.3.1夜時点)となっており、会員の注目度No.1です。
上映を心待ちにして沖縄先行上映から2日後に観に行きました。
第82回ゴールデングローブ賞で、浅野さんがテレビ部門の助演男優賞を受賞した後の沖縄先行上映でもあったため、主人公・美花を演じる松田るかさんよりも "俳優浅野忠信が観たい" という思いが強くありました。
母・町子(堀内敬子さん)の亡き後、父・悟(浅野忠信さん)と美花は絶縁状態だったのですが、悟の元部下(親戚?)から悟の余命がわずかであるとの連絡が入り、7年ぶりに故郷の伊江島に帰ることに。
娘として父の最期をどう看取るか・・・過去を辿りながら家族の姿を描く物語。
短めの映画となっておりますが、観終えた後の感想は「長い。。。(悪い意味で)」でした。
家族愛を描くのが上手い照屋監督ですが、今作は何かが違いました。
お笑い芸人としての "笑い" も必ず入れたいのはわかるのですが、今作では全ての笑いが余計でした。
笑いはなくてもいいくらい。詳しくは下に書きます。
先ず・・・主人公・美花ですが、常にイライラしている短気な女性にしか見えなくて、職場でやらかしていたり周囲の人たちへの態度も悪く、気が強くて怖いイメージしか残りませんでした。
沖縄の女性で、あそこまでイライラしている人を見たことがないです。
また、母親への優しい思いを父親にも同じように思いを向けることができないのは、娘としてどうだろうか。。。
父が運転する車で、病気である母の病院に3人で向かうシーンがあるのですが、父と母が嘘話で盛り上がる中、父の創作話を真実だと思ってしまった美花は後ろから運転席を蹴り父に怒りを露わにします。
行儀が悪い上に悟はヘラヘラ笑っているだけだし、娘を甘やかして育てるとこうなるという悪い見本でしかないです。
実際には、沖縄の男性は厳しい父親の方が多いです。
また・・・町子は妻として、悟が外で女遊びしようが夫のために尽くす妻なのですが、美花は母の父への思いに苦しみながらも理解しようと努力します。
夫婦のことは子供が立ち入れないこともあります。
町子の思いはわかりますが・・・美花の方が女性として賢いとしか思えません。
私からするとできすぎる妻(母)は、家族を居心地が悪い場所にしてしまうからです。
妻の姿を美談として描かれていますが、夫婦ってそんなものではないと思います。
台所での母と娘のシーンでは、お涙頂戴な気がして逆にしらけてしまいました。
父の最期に娘が出した答え・・・感想は人それぞれだと思います。
私には全く刺さらなかった。
美花のことを町子だと思っている認知症の父のために、派手な服装にばっちり化粧と髪をセットして病院へ会いに行ったり、ビーチで色気たっぷりだったり・・・
認知症であっても父の前で女としての色気を出す娘とか・・・気持ち悪さしかないです。
そこを "笑い" として描かれているために、全然笑えなかった。
町子と悟が若い頃の出来事だから、綺麗な思い出であるはずなのに。。。
7年の間に悟がどう過ごしていたのか・・・町子への深い愛情はあっても美花への思いが描かれていないため、物語の最後まで父親らしさが感じられなかった。
沖縄民謡歌手 前川守賢さんの『かなさんどー』を歌う松田るかさんの声はとても綺麗な声で感動しましたし、だからこそ・・・今作は残念の一言に尽きました。
結果的に、美花は母・町子として父の最期を看取ることとなり、娘として父と和解できぬまま物語は終わります。
年若くして両親を失うこととなり、父との和解はなかった美花の今後が心配でしかなく、すっきりしない終わり方でした。
照屋監督・お笑い芸人ゴリさんが好きだからこそ、次作に期待して辛口評価になりました。
両親を想う娘の気持ち
愛しい人とは
とびきりの思い出ひとつ持って。
オープニングは何処かで見たような🤔
手の内を全部晒してなお
沖縄の空と海の青さと思いやりの心にやられたなぁ。
余計な味付けや設定よりも何処にでもあるような人の思いをぶつけてきましたね。
でもそれがいい。86分なんだけどあっという間に過ぎたね。
監督のウチナータイム(使い方は違いますが)に巻き込まれたなぁ。
間がいいね。独特で。
流れている空気や間を上手い具合に引き出して作品にしているのがいいね。
見え見えのバレバレなのに⋯⋯涙が出ますね。年かな?
美花先生に叱られたいのは私だけでしょうか?
全53件中、1~20件目を表示