かなさんどーのレビュー・感想・評価
全40件中、1~20件目を表示
松田るかの沖縄語、堀内敬子の歌唱がしみじみと良い
主人公・美花役の松田るかのプロフィールを見て、NHK朝ドラ「ちむどんどん」など出演作をいくつか観ていたのに印象がほとんど残っていなかったが、本作での好演でしっかり記憶した。沖縄出身だそうで、当たり前ながら自然なウチナーグチ(沖縄語)での台詞が味わい深い。標準語や別の方言ならきつくなりそうな内容でも、沖縄の言葉だと温かみが加わるような、マイルドになるような。口げんかしていてもユーモラスに聞こえたり。王道のストーリー展開とはいえ、やはり終盤の美花には泣かされた。
母・町子の堀内敬子については、かつて映画やテレビドラマでの演技しか知らないまま朝ドラ「エール」最終回での歌唱に驚嘆したクチで、劇団四季出身と聞いて納得したものだった。娘と洗濯物を干しながらさらっと口ずさむように歌う「かなさんどー」がしみじみと素晴らしく、よいキャスティングだなと感心。
この歌を初めて聴いたが、沖縄民謡歌手・前川守賢(しゅけん)の1983年のデビュー曲だそう。曲自体が美花と母と父・悟(浅野忠信)の家族の物語で重要な役割を担っていることに加え、歌詞の内容が脚本に反映された部分もあってなかなかうまい。歌の標準語訳が字幕で出るシーンもあるが、関洋氏の「たるーの島唄まじめな研究」というサイトで詳しく解説されているので、関心のある方はよかったら検索してみて。
久しぶりのレビュー
映画.comで久しぶりのレビューです。
初めてレビューしたのは、照屋監督の『洗骨』でした。
6年ぶりの最新作ということで、私も映画.comレビューに戻ってきました。
沖縄県内の映画館公式サイトでは「みたい」の数1495人(2025.3.1夜時点)となっており、会員の注目度No.1です。
上映を心待ちにして沖縄先行上映から2日後に観に行きました。
第82回ゴールデングローブ賞で、浅野さんがテレビ部門の助演男優賞を受賞した後の沖縄先行上映でもあったため、主人公・美花を演じる松田るかさんよりも "俳優浅野忠信が観たい" という思いが強くありました。
母・町子(堀内敬子さん)の亡き後、父・悟(浅野忠信さん)と美花は絶縁状態だったのですが、悟の元部下(親戚?)から悟の余命がわずかであるとの連絡が入り、7年ぶりに故郷の伊江島に帰ることに。
娘として父の最期をどう看取るか・・・過去を辿りながら家族の姿を描く物語。
短めの映画となっておりますが、観終えた後の感想は「長い。。。(悪い意味で)」でした。
家族愛を描くのが上手い照屋監督ですが、今作は何かが違いました。
お笑い芸人としての "笑い" も必ず入れたいのはわかるのですが、今作では全ての笑いが余計でした。
笑いはなくてもいいくらい。詳しくは下に書きます。
先ず・・・主人公・美花ですが、常にイライラしている短気な女性にしか見えなくて、職場でやらかしていたり周囲の人たちへの態度も悪く、気が強くて怖いイメージしか残りませんでした。
沖縄の女性で、あそこまでイライラしている人を見たことがないです。
また、母親への優しい思いを父親にも同じように思いを向けることができないのは、娘としてどうだろうか。。。
父が運転する車で、病気である母の病院に3人で向かうシーンがあるのですが、父と母が嘘話で盛り上がる中、父の創作話を真実だと思ってしまった美花は後ろから運転席を蹴り父に怒りを露わにします。
行儀が悪い上に悟はヘラヘラ笑っているだけだし、娘を甘やかして育てるとこうなるという悪い見本でしかないです。
実際には、沖縄の男性は厳しい父親の方が多いです。
また・・・町子は妻として、悟が外で女遊びしようが夫のために尽くす妻なのですが、美花は母の父への思いに苦しみながらも理解しようと努力します。
夫婦のことは子供が立ち入れないこともあります。
町子の思いはわかりますが・・・美花の方が女性として賢いとしか思えません。
私からするとできすぎる妻(母)は、家族を居心地が悪い場所にしてしまうからです。
妻の姿を美談として描かれていますが、夫婦ってそんなものではないと思います。
台所での母と娘のシーンでは、お涙頂戴な気がして逆にしらけてしまいました。
父の最期に娘が出した答え・・・感想は人それぞれだと思います。
私には全く刺さらなかった。
美花のことを町子だと思っている認知症の父のために、派手な服装にばっちり化粧と髪をセットして病院へ会いに行ったり、ビーチで色気たっぷりだったり・・・
認知症であっても父の前で女としての色気を出す娘とか・・・気持ち悪さしかないです。
そこを "笑い" として描かれているために、全然笑えなかった。
町子と悟が若い頃の出来事だから、綺麗な思い出であるはずなのに。。。
7年の間に悟がどう過ごしていたのか・・・町子への深い愛情はあっても美花への思いが描かれていないため、物語の最後まで父親らしさが感じられなかった。
沖縄民謡歌手 前川守賢さんの『かなさんどー』を歌う松田るかさんの声はとても綺麗な声で感動しましたし、だからこそ・・・今作は残念の一言に尽きました。
結果的に、美花は母・町子として父の最期を看取ることとなり、娘として父と和解できぬまま物語は終わります。
年若くして両親を失うこととなり、父との和解はなかった美花の今後が心配でしかなく、すっきりしない終わり方でした。
照屋監督・お笑い芸人ゴリさんが好きだからこそ、次作に期待して辛口評価になりました。
両親を想う娘の気持ち
愛しい人とは
とびきりの思い出ひとつ持って。
オープニングは何処かで見たような🤔
手の内を全部晒してなお
沖縄の空と海の青さと思いやりの心にやられたなぁ。
余計な味付けや設定よりも何処にでもあるような人の思いをぶつけてきましたね。
でもそれがいい。86分なんだけどあっという間に過ぎたね。
監督のウチナータイム(使い方は違いますが)に巻き込まれたなぁ。
間がいいね。独特で。
流れている空気や間を上手い具合に引き出して作品にしているのがいいね。
見え見えのバレバレなのに⋯⋯涙が出ますね。年かな?
美花先生に叱られたいのは私だけでしょうか?
優しさに溢れたお話でした
君に一番似合うテッポウユリの花です
2月26日(水)
「死に損なった男」で久し振りにインパルス板倉の名前をみたからではないが、ガレッジセール・ゴリの新作(前作「洗骨」は未見)「かなさんどー」をTOHOシネマズ日本橋で。
沖縄県伊江島、心臓の悪い母親・町子(堀内敬子)と酒癖の悪い父親・悟(浅野忠信)と母親思いの娘・美花(松田るか)。町子はおっとりしているが、美花はいささか気が短い。
心臓発作が起きた時に母親の助けを呼ぶ電話に父親が出なかったため亡くなった事で父親を恨み、縁を切って島を出た娘。悟は東京に行った娘美花宛に何通も手紙を書いたが、美花は開封もしない。
7年後に父親が認知証と病で余命幾ばくも無いとの連絡が入り、気が進まなかったがちょうど会社を辞めた美花は東京から島へ帰る。悟は認知証が進み周囲の人が誰かも解らなくなっていた。
悟を許せない美花だったが、町子との暮らしを思い出し、母の日記を見つける。そこに書かれていたのは悟との出逢いだった。美花はある行動に出る。
町子の悟に対する想い、美花の町子に対する思い、そして、町子の悟に対する想いを知った美花が悟に取った行動。演出にシャープさが欠けている部分はあるが、何故か泣かされてしまった。70ジジイは涙もろくてだめだな。50億には笑ったが。
悟が美花に出した手紙、開封してなくても全部取ってあった。開封して読むシーンがあっても良かったと思った。
「かなさんどー」沖縄の方言で愛おしいという意味だそうだ。
監督・脚本 照屋年之。ガレッジセール・ゴリの表記は何処にもない。ビートたけしも映画監督では最初から北野武の名義であった。
前作「洗骨」も話題になったが、見落としていた。「ごはん」みたいにどこかでやってないかな。
見終わったらちょっとだけやさしくなれる気がする作品
まさに笑い泣きです
50億😎
満島ひかり主演の短編映画 演じる女を何度も観てからTOHOシネマズ日比谷へ行きました。
実花役の松田るかさん、とても素晴らしい女優さん。クレーンに吊られなくて良かったですね。テッポウユリをバックのラストはもらい泣き。
琉球民謡居酒屋に直行したくなりました。
いきなり、真っ赤な口紅を塗るクチビルのアップ。すごかった。
ゴリエの厚い唇もいいですけど、格段にエロかった。
町子役の堀内敬子さん。現時点でお嫁さんにしたい女優ナンバー1❤️堀内さんの唇もきれいでした。台所でのセリフと涙。やられました。
お父さん知念悟役の浅野忠信さんは「おかえりモネ」での仮設住宅で酒浸りの漁師役を思い出していました。伊江島の尖った山の作り話😄
建設会社社長を慕う元社員小橋川役のKジャージさんはこの映画の大事なキーマンでしたね。
ちゅらさんのゴーヤーマンだったゴリさんが演じる女を長編化にするにあたって、たくさんの素敵な演出を散りばめてきて、素晴らしい出来栄えだったと思います。
同じE列のセンター寄り2つ隣に既に着席していた若い女性が、大きめの黒いリュックを背負ったままで最後まで鑑賞していたのが気になっていました。終わってからガン見したら、長方形の四角い箱が入っているようでした。たぶん彼女は沖縄出身で箱の中身は洗骨したおかあさんのお骨で、映画かなさんどーをおかあさんと一緒に観たいと思ったんでしょうね。そう思ったら、じ~んときて、たまりませんでした。
エンドロールでの浅野忠信さんと堀内敬子さんのセピア色の写真がとても素敵だったので、パンフレット買って帰りましたが、その写真は載っていなくて、ちょっとがっかりしました。
親の年齢になってようやくわかるこの気持ち
長年連れ添えば夫婦間には色々ある。
父親悟にも、女性がいることがほのめかされるが、飲みに行って泥酔してもきちんと帰宅したり、町子の持病に悪影響を与えてしまったかもしれないけど喜ばせようとしたり、夫婦間で当事者にだけ伝わる愛情表現が描かれている。
娘からしたらそれは理解出来ず、母親が我慢しているように感じたのかもしれないけど、それが母の遺した日記や父の健在な頃の行動などで少しずつ伝わってゆく。
美花(みいか)役の子は初めて見たけど、会話のテンポも沖縄の言葉もとてもしっくりと来ていて、存在感は抜群でした。
私は悟の世代なので、こうやって看取られて亡くなりたいな、とか夫婦っていいものだよな、という気持ちに浸りながら鑑賞した86分でした。
それにしても、パルコ配給で吉本が絡んでおきながら、広告宣伝にもっと力を入れられなかったのか。それだけが不満でした。
伏線回収が見事 ただ・・・
2025年劇場鑑賞63本目。
エンドロール後映像無し。
本日ご当地映画連続2作目。
さっきは石川県でしたが今度は沖縄です。ガレッジセールのゴリでおなじみの照屋年之監督作品ですが、そこはあまり意識しないで観ました。
最初、それこそ財産目当てのような派手な格好(でも古臭い。そこに意味があるのですが)をした若い奥さんが車椅子に乗った浅野忠信演じる社長のところに来て外を連れ回すのですが、奥さんはちょっと大げさなくらいはしゃいでいて、社長は何も言わずニコニコ笑っているだけで、正直エロ親父にしか見えないのですが、そこから急に場面が代わり、さっき奥さんと名乗っていた女性である松田るかが登場し、辻褄があわなくなります。
まぁこの松田るか演じる女性が口の悪いこと、そのうち冒頭の事を忘れるのですが、後からちゃんと答え合わせがあって、そこが泣き所になってはいます。
ちょっと学のなさそうなお父さんを演じたら浅野忠信の右に出る者はいないので、総じていい映画だったと思いますが、ほんと最後欲を言えば他にも大事な想い出なかったのかな、とある人物が不憫になりました。
心に沁みるシーンと笑えるシーンが絶妙なバランスで素敵‼️
沖縄の空気が全部許してくれる
上映後舞台挨拶付き上映を鑑賞しました。
観終えてからの照屋監督と松田るかさんのトークで理解が深まる、良い回でした。
ストーリー的には浅野忠信扮するお父ちゃんに対し、妻である堀内敬子さんの全面的な愛や娘の松田るかさんのわだかまりが溶けるのか?そんな疑問はありつつも家族を取り囲むのがみんな善き人であり、そこに沖縄(伊江島)の穏やかな時の流れ方が重なり、全部が全部共感できないけれど、ラストに向けてウルっとさせられる良作でした。
特に小橋川さんを演じたKジャージさん、地元のコメディアンさんだそうですが、こういう人沖縄ならいるよね!まさにそんな方で朴訥さとおとぼけを兼ね合わせ、良いアクセントになっていました(監督もこのキャスティングは賭けだったと話していました)
前作から6年、それでも映画を作りませんかと声を掛けてもらえる、才能を認めてくれる人がいるのも幸せだなぁと思いました。
家族だけでなく、周りとの関係に意固地になっている人がいたら観てほしい作品だと思いました。
なかさんぞー
いきなりだけど、何故冒頭にあれを持ってきたんだろ。
「どうやってここに繋がるか」という“惹き”と、「どうせこうなるんでしょ」という“引き”。
本作では後者の方が強い気がします。
終盤で「あの裏側でこんなことやってたのね」という狙いもあるかもだが、あまり効いてもないし。
そこからの水鉄砲や車椅子との譲り合いは笑うとこなの?
個人的にはギャグの8割はスベっていて、後半の作業着が閉まらないくだりなども無駄に長くて…
病気のことを忘れて(ンなことある?)のサプライズは、演出も半端でシリアスなのかギャグなのか判断に迷う。
松田るかのキレ芸はなかなか面白かったけど。
構成として回想がメインとなっていて、現在における主人公の葛藤などはあまり伝わらない。
しかも決別や遺骨を持ち去るシーンもないので、過去と今を繋ぐ流れも見えず。
日記の内容も“秘密”でも何でもなく、傍目にはお母さんずっと幸せそうだったのを美花が曲解してただけ。
しかも、好きな花を訊かれた日の日記に「今では本当に好きになった」と未来のことが書かれてる始末。
最後の歌唱シーンはちょっとウルッときたが、これは役者の力によるもの。
背景を黒くする古臭い演出や、ラストカットを静止画にして締めるところは逆に冷めてしまった。
美花さん無職のままだし。
大枠自体は悪くないのだと思うが、脚本はせめて誰か協力を入れた方がよかったのでは。
クスリと出来るところはあったし、『レディ加賀』しか知らなかった松田るかのギャップは楽しめました。
南国舞台なのにさぶい
安っぽい演出満載のお涙頂戴映画で残念でした。
それでもどこかしら泣けたりするのですが、この作品は全く響きませんでした。
ギャグも古臭くてつまらない…
主な客層の中高年にはよく刺さっていたようで、すすり泣く音、上映後にティッシュを取り出す音が多かったですし、ここでは高評価なので好みの問題です。
50億!(笑)
友人に誘われて観に行きました。舞台が沖縄で、堀内敬子と浅野忠信が出演している以外の予備知識はなく、期待値もゼロでしたが、冒頭の口紅シーンから目が釘付けになりました。現在と過去の出来事が物語にも重なり合い、「遺産目当ての50億円!」にも泣き笑いしました。そうです、この作品を観ていると、笑いながら泣いてしまいます。何度も笑い、何度も泣いてしまいました。主演の松田るかは初めて知りましたが、すばらしかったです。「美花は父を許したのか?」というインタビューに対する返答がパンフに書かれていましたが、深く理解して演じているのが納得できました。照屋年之監督(ゴリ)が「登場人物たちの体中に真っ赤な血を流してあげることが一番大変でした」と言ってましたが、まさにその部分が本作最大の魅力だと思いました。破天荒な父親・知念悟(浅野忠信)も愛すべきキャラだし、そんな夫を無償の愛で包む知念町子(堀内敬子)の愛らしさがあらゆるシーンに溢れていました。圧巻は琉球民謡「かなさんどー」を歌うシーン♪古謝美佐子さんが歌唱指導したとはいえ、松田るかさんも堀内敬子さんも夏川りみのように見えました!本当に素敵な映画でした。
父親に
全40件中、1~20件目を表示