ガール・ウィズ・ニードルのレビュー・感想・評価
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ほぼ100%スタジオセットでの撮影で、Poland映画風ではあるけ...
ほぼ100%スタジオセットでの撮影で、Poland映画風ではあるけれど、やはり北欧出身の監督はシンプルを志向している気はする、それはそれで分かりやすくていいのかもしれない。
個人的には、テーマのわりにはぬるい印象しか残らなかった。音入れも冒険なく、妙な雑音を入れたりして映像を含めて小技ばかりが鼻に付く映画に仕上がっていました。
全編不穏
映画はいろんなことを教えてくれる
しんどい…
ニードル、の時点でイヤな予感はしてた
縫い針の先を歩く
「ゴッドランド」以来のファンのヴィクトリア•カルメン•ゾンネ主演、作品もアカデミー賞国際長編映画賞ノミネートとくれば、これは見逃せないと思っていました。
もっとホラー寄りの作風かと考えていましたが、ことのほか真面目で見応えありました。
悲しみを抱えた人ばかり登場します。貧困に苦しむ主人公カロリーネ、戦争で顔に酷い傷を負った夫ペーター、望まれない新生児の養子縁組を世話するダウマ、その娘、縫製工場の社長、その母親、ダウマの元へ赤ちゃんを託しにくる若い母親たち。
なんとも陰鬱でやり切れない描写が続きます。光と陰、画角の様式美を意識した素晴らしい撮影が、このつらい雰囲気をさらに強調していきます。
長い長い不幸な時間が経過しますが、カロリーネには中毒症状から救ってくれる夫がおり、ラスト 母性に目覚めた彼女が意思を持って一歩踏み出す勇気に、希望の薄日が差してきます。
望まれない新生児と同様、昨今も物議のある人工妊娠中絶。ダウマの行為は論外なのですが、この問題と彼女の主張が重なるところもあります。中絶の権利を認めると同時に、男女問わず(いや特に男性側に)教育や予防を徹底して説いていく必要があると思います。
誰もが必死…
1918風潮と貧困と混沌
本当の悲劇とは
生活の糧として、他人や自分を傷つける道具として、
針を様々な暗示、象徴としつつ、
モノクロの画像や雑音の多い音響も相まって
全編にわたり、暗い雰囲気で物語が展開する。
本作のクライマックスは、
養子縁組を取り持つダウマの秘密を巡るパートだと思うが、
個人的には戦争がもたらす傷や貧困、
そのような状況において、あらゆる市民(とくに女性)が生き残っていくために、
羞恥心を捨てて、いかにあらゆる手段を選択せざるをえなかったかという現実と、
それによって徐々に人間としての感情そのものを失っていく(仮面になる)過程を
本当の悲劇として捉えているように思った。
映画館の近くの席で、事前に楽しそうにお喋りしていた女子学生三人組が
どんな感想をもったのか気になった。
画像から想像できる臭気
モノクロで描かれているので、より想像力が刺激されるのですが、モノクロ故に主人公のカロリーネの年齢層が分からず40代ぐらいと思って観てしまっていました。途中であれれ?ってなりました。
その時代のその場所の臭気を感じるような気がしました。後からじわじわと恐怖を感じる映画です。
興味深く観たけどハテナもだいぶ
やや暗い話題ではあるがおすすめ枠か。
今年137本目(合計1,678本目/今月(2025年5月度)22本目)。
※ 時間調整のために「プリンセス・プリンシパル」を見てからになりますが、憲法論的な解釈が存在しない映画は観てもレビュー対象外です(しかも60分ほどで、いわゆる「つなぎ」的なストーリーだったのでちょっとがっかり)。
こちらの作品です。
2025年に放映される映画で、しかも大手の映画館でオールモノクロというのはものすごく珍しい(大阪市でも好んでモノクロ映画を流す映画館はありますが(シネヌーヴォ等)、それはただ単にフィルムの問題に過ぎない)のですが、本映画は作品自体が復刻版ではないので、狙ってそうなのだろう、というところです。
第一次世界大戦の戦中戦後のデンマークがテーマですので、このあたりの知識に明るいと有利かな、といったところですが、なくても「何とか」なります。この時代のデンマークですので、男女同権思想は「この時代を考えれば」まだ(当時の年代基準を考えれば)先進国ではあったものの、いわゆる男女同権思想の話は全く出ないわけではないものの、それを全面に押さない点はある意味びっくり。
全般的に重苦しい、あるいは「みていて憂鬱になる」映画のタイプで、また明確に「誰が悪い」ということを「一概には」論じにくい(この点は当時の人権感覚等も考えたときのお話)点もまた、フランス映画っぽく「結論は自分で考えてね」みたいな論点があり、決してこう、爽快感がどうこうというような映画ではないですが、そのように問題提起型の映画、あるいは「考えるのが好き」という方にはおすすめといったところでしょうか。
採点上特に気になる点までないのでフルスコアにしていますが、デンマークの戦中戦後の歴史があればベスト、第一次世界大戦の一連の流れを理解していればベター程度なので、ある程度の知識を仕入れてからの視聴をおススメします(パンフレットを買おうと思ったら、大阪市でも超絶賛放映中の「うたのプリンスさま」が放映しすぎて売店にすら入れなかった…)。
ペーターは必要だった?
日本でも太平洋戦争直後に寿産院事件というのがあったわけですが、寿産...
日本でも太平洋戦争直後に寿産院事件というのがあったわけですが、寿産院に関しては積極的にというよりは放置していたという違いはありますが、混乱期には世界中同じようなことが起こるのですな。
情報は予告編以上のものは入れずに観に行ったのですが、ゴシック・ミステリーという触れ込みだったけどミステリーというよりは社会派ドラマという感じでした。ただ正直主人公中心の前半は眠いけど、中盤殺人鬼の中年女性が出てくると異様な迫力で面白くなってきた。子殺しの直接的な描写はないけど泣き声だけでもきついな。
モノクロでのサーカスの描写はトッド・ブラウニングの『フリークス』を彷彿とさせるし、リュミエール兄弟の『工場の出口』まで引用されてるし、ドイツ表現主義みたいなところもあるし映像的にも面白かったですね。
重い社会派ドラマだった
予想外の展開ですが見応えあり!!
予告やポスターからホラーテイストの作品かと思ってばかりいましたが、若干のサスペンスやミステリーの要素はあるものの、しっかりと見応えのあるヒューマンドラマでした。
歴史と格差に翻弄された女性が追い込まれていき、辿り着いた場所も決して安住の地ではなく……。そこで起きたことも悪意からの犯罪ではなく、困った人たちのため、やむに止まれず行っていた必要悪のようなもので……。
主人公が最終的に掴んだものは、先々多難ではあろうが希望でもあることが救いではありました。
社会に追い詰められる女性たちの叫び
サスペンス・ミステリーというよりは、連続殺人事件に至る思考と背景を明らかにしていく内容で、ほぼホラー。
陰鬱で重く、こわい。
映画の舞台となった1918~24年くらいのデンマークでは、女性の人権概念もなく、女性への抑圧が当たり前であり、男無しでは女は困窮する時代だった。
そんな国で戦争がもたらす悲劇。
女性たちが人として何の権利も補償もない社会に追い詰められていく、悲痛な叫びを描いた作品でした。
観ながら、現在の日本って、法的にはともかく、社会的な同調圧力の存在や、セクハラパワハラおじさんが跋扈していて、この第1次世界大戦後のデンマークに似てない?とか思っちゃいました。
正しいこと
大戦後のコペンハーゲンにて、妊娠したものの恋人に捨てられ、その子を手放そうとした女性が、養父母を探してくれる親切な人に出逢い…といった物語。
終始、陰鬱さと不気味さに溢れた作品。
序盤は戦後生活の悲惨さが映し出される。
夫さん…。この仕打ちはあんまりですよね。
再会の場がまた…。
目を覆いたくなる現実だが、生きる為にはこれしか…。これが国を守るために命を懸けた男の末路なのかよ。
程なくして、カロリーナとダウマの出逢い。
まぁ…予告編の時点で予感はしてたがやはり…。
正しいこと…。人助け…。力強く響くその言葉に戦慄がとまらなかった。
でも、ワタクシの記憶違いだろうか?「望まれないから」と孤児院に送られた子もいたような。そこを分けるのに意味はあったのか?
んで、確かにこりゃあ酷い話ではあるが、気が変わった!…なんて言う奴も大概…。
そして最後。これは狙い打ちしたのか?
だとしたらちょっと話が出来すぎなような…。
いずれにせよ、色々な手法(?)で気分が悪くなるし、そういう意味では見応えのある作品だった。
正しさとは…。本気でそう思っているのなら、これ程恐ろしいことはないですね。。
分かってはいて、いつか誰かが描くであろうという地獄がここに。 ある...
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