「終盤の意味が分からない」私たちが光と想うすべて ブールドネージュさんの映画レビュー(感想・評価)
終盤の意味が分からない
私の理解力/感性不足なだけかもしれませんが…。
電車のシーンが結構多かったように思いますが、車窓を流れる街の景色や、ひとり電車に乗っているときの何とも言えない孤独感、のようなものは日本と変わらず同じなんだと共感しました。
また、ムンバイという都心を幻想と喩えていたシーンには、この映画のタイトルに込められた想いの片鱗を感じました。主人公の暗い気分とはまるでかけ離れた、お祭り騒ぎの街並み。ちょうど京都も祇園祭の真っ最中だったので、じんわりと心髄にその場面が染み込んできました。この映画で一番印象的だったのは、こういった都会のにぎやかな町の空虚さです。
一方で、主人公たち女性の心はかなり沈んでいるように映ります。が、あまりにも淡々とドキュメンタリー風に話が進むので、イマイチその心情に入り込むことができません。プラバもアヌも、互いに恋愛に関して悩みを抱えていることはわかるのですが、気づいたら田舎の村へ行っていて、隙を見ては彼氏とイチャイチャするアヌ、漂流してきた瀕死の男と謎の会話を繰り広げるプラバ。最後はアヌだけ無事ゴールイン……?
私が今絶賛失恋中なことも影響しているかもしれませんが、結局は素直で陽気な女が幸せになるのね…と、なんだか沈んだ心のままエンドロール。飛ばして帰りたいと思うくらい、最後の展開が腑に落ちませんでした。
この作品は物語というよりかはドキュメンタリーちっくなので、ありのままに、よくわからないまま終わるので良いのかもしれませんが、ポスターに書かれた『運命から解き放たれる』とは、いったい……?私にはプラバもアヌも、運命から解き放たれたようには見えませんでした。とりあえず、人生にはやはりお酒とダンスが必要そうですね。