「青と夜に包まれたシスターフッドな関係」私たちが光と想うすべて regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
青と夜に包まれたシスターフッドな関係
インドのムンバイで看護師をしているプラバと、年下の同僚のアヌ。境遇も性格も対極にあるルームメイトの2人が、故郷の海辺の村へ帰る事にした病院の食堂に勤めるパルヴァディを見送る旅に…
観ていて気になったのは色彩。女性達が着る看護師の服や家の壁、列車やバスの内装、後々登場する男性の服、はてはポスターアートなど、至るところに「青」が用いられている。“清楚”なイメージの青だが、「ブルーになる」との言い回しがあるように“憂鬱”の意もある。それはムンバイという都会で暮らす事にどこか閉塞感を感じている女性達の心情と捉えられる。その青をスライドさせるかのように印象に残るのが「夜」のシーン。ムンバイだったり後半の舞台となるパルヴァティの故郷の田舎町での夜は、どこか青みがかっているも、それを無にするかのように暗闇に浸す。
インドで暮らす女性が直面する現実。それは厳しくもあり孤独でもある。それでもプラバとアヌ、そしてパルヴァディは、年代は違えどいつしかシスターフッドな関係を築き、逞しく生きていくのだ。
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