「素晴らしかった」サブスタンス 吉泉知彦さんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしかった
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予告を見た印象では沢尻エリカの『ヘルター・スケルター』みたいな中年女性の美醜がテーマなのだろうと思っていたら、それを遥かに超えてとんでもないところに行きつく。
それにしても肉体が若者であっても中身は50歳で、しかしそれでも若者たちとつるんで遊び狂っている。それがもし自分に起こったとしたらとてもじゃないけど若者たちと遊んだりしたくない。心が若い。心がそれだけ若くて肉体が老いたらさぞつらいだろう。若返っても結局通販番組のダンサーみたいなのも夢がない。もっとスターになれよ。
最後は化け物と化し露悪的にこれでもかと無惨な様子を見せつける。大量出血で死ぬかと思ったらサブスタンスの効果のせいか顔だけになっても動き回るし意識もある。恐ろしい。
ただこういった美醜をテーマにしたものを見ると、男性目線であることで引け目を感じるのだけど、女性自身も美しさや可愛さに高い価値を置いている。感じることはいろいろあるが語る言葉は難しい。
このテーマでやりたいことを無制限に表現の限りやりつくそうという強い意志を感じる。表現とはこうあるべきで素晴らしいことだ。
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