「デミムーアが身体をはった演技で教えてくれること」サブスタンス アンバーさんの映画レビュー(感想・評価)
デミムーアが身体をはった演技で教えてくれること
ネタバレあり
デミ・ムーアが全身全霊で伝える、歳を重ねた女性たちへのメッセージが詰まった一作。
特に、ある程度年齢を重ねた女性にはぜひ観てほしい映画。
誰しもが一度は「若さ」にとらわれてしまう瞬間がある。
この映画から「なぜ女性は若さに執着させられるのか?」という根源的な問題が問いかけられている気がする。
背景には、メディアが作る理想像や、
女性を性的にしか評価しない社会の視線、
そして「年齢=価値の低下」とする風潮がある気がする。
だから、年齢を重ねるほど女性は「若さを取り戻そう」と頑張ってしまうのかと。
でも、この映画は“年相応の美しさ”が大事であることを伝え、老いに「抗うこと」の空しさや痛みをも静かに語ってくる。
そもそも女性が「若さ」に過剰にとらわれる背景には、
社会全体に根強く残る男性の性差別的な視線(そうではない男性のみなさんごめんなさい)――
「ババア」とすぐに口にしたり、胸の話など身体的な評価ばかりをする風潮があるのではないかと考えさせられる。
この映画は、そうした社会的構造への強い警鐘でもあるかと。
監督は、性差別や美容整形に対する鋭い視点を持ち、
「美しさとは何か」「若さとは何か」という問いを私たちに突きつけてくる気がした。
※ネタバレあり
冒頭、デミ・ムーアが登場するシーンでは、年齢を感じさせないほどの美しさに圧倒される。
でも、若い女性が現れた瞬間、彼女の肌の質感やシワ、たるみが急に「老い」として目に映るようになる。
それを恐れずそのまま演じるデミ・ムーアの姿が圧巻で、とにかくかっこいい。
映画全体を通して、女性が年齢を重ねることで感じる痛みや不安、若さへの執着、
それらに苦しむ姿がとても繊細かつリアルに描かれていて、個人的には好きなテーマの映画。
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