「タイトルなし(ネタバレ)」サブスタンス ナイン・わんわんさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
要注意。老若男女閲覧要注意作品。
デヴィッド・クローネンバーグ監督の『ザ・フライ』(1986)やコラリー・ファルジャ監督の『REVENGE リベンジ』(2017)のようだが、その2作より『サブスタンス』が怖い。なぜなら物語のテーマが身近な事だからだ。
メイクアップで受賞したが、特殊メイクシーン以外でも、トイレの後で手を洗わないとか、株主が全員じじいだとか、地味だが印象的なシーンばかり。地味なシーンの1つで "メイクを何度も直して、結局出掛けられない!" そう、おじさん同級生とデートしてたら引き返せたのかも知れない。モチロンそんな展開にはならずドツボにハマって行く。
その時 印象的なのは赤い口紅、赤いドレス。対照的なのは、何度も着る黄色いコート。黄色いコートはオープニングの "卵の黄身" を暗示させる。2回目を鑑賞するとどう感じるのだろうか。注意書きの「あなた達は1人だ」は使用者の「彼女と私は違う」となる。笑えるポイントと怖いポイントは変わるかも知れない。
ストーリーには深みが無くて、いかに "変化" の過程を異形で見せるかがこの映画の見どころ。
余計な部分は「些細な事」として無視する作りになっているのが最初から分かる。エアロビ後の控室が無い、薬の「支払いは?」、医療器具の取扱いが熟知してる、タイルの向こうの空間、お掃除のおばさんの退場、食料の買い物はいつの間に、全て歩いて行ける距離ばかりだ。そんなのは気にせずに "変身" を楽しもう。
マーガレット・クアリー(1994年生)はデミ・ムーア(1962年生)と『セント・エルモス・ファイアー』で共演したアンディ・マクダウェル(1958年生)の娘さんだと今回調べて知った。似ている。
公開日(5/16)の前夜祭上映(5/15夜)
仕事帰り:21:35~24:10
ちなみに、この『サブスタンス』がP.D.C※に選ばれている。シュリンプカクテルを食べながら観るのだろうか?
なかなか凄いチョイスだと思います。
※P.D.C:福岡のユナイテッド・シネマ キャナルシティ13には「プレミアム・ダイニング・シネマ」と言う、少し明かりがある場内で注文した料理をカチャカチャ音を立てて 食事をしながら映画を観ると言う不思議なスクリーンがある。利用した事は無いが、鑑賞中に追加の料理が運ばれたりするらしい。